最終更新 2023年4月5日

評価される日報にしたいなら「感想」ではなく「所感」を書こう!

評価される日報にしたいのならば、ただ単純に心に感じたり思ったことを述べる「感想」ではなく、心に感じた事に対してさらに自分の意見を加えた「所感」を書く必要があります。

しかし、新入社員や入社間もない社員の中には、日報を書く際に「評価される日報とは何だろう」「感想と所感の違いが分からない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では「感想」と「所感」の違いや、日報で「所感」を書く目的や効果、また「所感」を書くときのコツなどを事例を含めて解説します。

ぜひ普段の日報作成時にお役立てください。

「感想」と「所感」の違いは意見が加えられているか

「感想」と「所感」の違いには、意見が加えられているかそうでないか、という点が挙げられます。
一般的にビジネスシーンなどで日報を書く際には「所感」と「感想」の使い分けは明確にしておく必要があります。
そこでこの章では、感想と所感の違いについて認識のズレが起きないように、それぞれの特徴を詳しく解説します。

感想とは「感じたことや思ったこと」という意味

感想とはある物事について、ただ単に心に「感じたり思ったこと」を表します。
主体は自身に向けられているため、自分がどう感じるか、またはどう思うかなどの考えを自由に表現することができ、他人の感じ方や思いを意識する必要はありません。

感想には下記のような例が挙げられます。

  • △△が難しいor 簡単
  • ○○が面白くないor 面白い
  • ■■が嫌いor 好き

所感とは「事に触れて心に感じた事」という意味

所感とは、物事に触れて心に感じた事に対してさらに「自分の意見を加えたもの」を指します。
そのため感想の場合には、ただ感じたり思ったことを述べればいいのに対し、所感では今後の仕事にどう活かすのか、自分なりの改善案などを考えて述べる必要があります。

所感の例は下記となります。

〈例〉

●●の理由から、△△が難しかったです。そのため、今後の業務では、〜〜に注意して作業を行いたいと思います。 

ビジネスシーンなどで、日報に所感ではなく感想を書いてしまうと、単なる感想文のように見えてしまいます。日報はビジネス文書であることを念頭に置き、感想欄には所感を書くようにしましょう。

日報で「所感」を書く目的や効果

日報に所感を書く目的は、業務の課題と改善点を考えながら仕事をするきっかけにつながるなど様々な効果が挙げられます。

例えば所感の中に目標の達成度に加え、その背景や理由などを具体的に記載することで、誰が見てもわかりやすい分析結果となります。その結果他メンバーや上司からフィードバックをもらいやすくなります。

日報は単なる感想を述べた業務報告書から、その物事がなぜそのような結果を得られたのかという行動まで示すことができます。そのため、日報に「感想」ではなく「所感」を書くことは、業務改善や自己成長に欠かせないものと言えます。

「所感」を書くときのコツ

所感を書くには以下の3つのコツがあります。

  • 反省点や具体的な改善策を入れ込む
  • 組織の将来に役立つ内容を書く
  • 事象に対して仮説を立てる

所感を書くと言われても「何から手を付ければ良いか分からない」という人はぜひ参考にしてみてください。

反省点や具体的な改善策を入れ込む

まず所感には「その日の目標を達成できたか」を振り返るために、反省点や具体策を入れ込みましょう。その際、時間や数字をおいて定量的に振り返りを行うと、自分の現状を把握しやすくなります。(例:達成率XX%など)
 もし目標を達成できていれば、「達成できた理由(何が良かったのか)」も書くと良いでしょう。達成理由を明確に記載することで、自身の今後の業務に活かせるうえ、上司や先輩へのアピールにもなります。

万が一目標が未達成だった場合は、ただ反省するだけでなく具体的な改善策を入れ込むことにより、次回以降の業務に活かすことにつながります。
「目標を達成するには、どうすれば良いのか?」と考え実践することが目標達成の近道です。 日報はPDCAサイクル(Plan/計画、Do/実行、Check/評価、Act/改善)を回すためのツールであることを意識しましょう。

組織の将来に役立つ内容を書く

日報を書くのに慣れてきたら、組織の将来に役立つ内容を書いてみるのも良いでしょう。
特に、組織が多ければ大きいほど、一人一人が目的実現のために協力し合うことで、組織はさらに活性化していきます。 新入社員の視点が、会社に大きな気づきを与えるケースはよくあります。業界や組織に染まっていない、フレッシュで自由な意見は、新入社員にしかないものだからです。その強みをどんどん活かし、気になったことや疑問に思ったことはどんどん声に出していきましょう。

事象に対して仮説を立てる

現在起こっている事象に対して、自分なりに仮説を立てることも所感を書くコツとなります。

例えば、「テレアポの架電件数」に関しての仮説としては以下のようにしてみましょう。

〈例〉

本日は60件の架電または2件のアポイント獲得を目標としていましたが、49件に留まりました。アポイント獲得はありません。その理由は、1件あたりにかける時間が長すぎることが考えられます。
現状、架電前のリサーチに時間がかかりすぎている可能性があるため、5分以内に抑えて架電数を上げようと考えます。


このように、目標達成に至らなかったことや経験したことについて、原因を考え仮説立て、対策案を出すことで、将来再度取り組む時に役立ちます。

日報を書く際は、日々の業務内容や結果を深く考察し、事象に対して自分なりの仮説を立てられるように意識しましょう。

ビジネスパーソンにふさわしい「所感」の例文

この章では、ビジネスパーソンにふさわしい所感の例文を5つ紹介します。

例文1

30分で日報作成を行う目標を立てていたが、50分も要してしまった。本日の業務内容を思い出すのに時間がかかってしまったので、今後はこまめにメモを取り、思い出す時間を削減したいと思う。

例文2

先輩Oさんに営業同行し、クライアントA社の売上は、前年比10%アップしていることを知った。前年と比べて、A社の商品は耐久性の向上を実現しており、その点がカスタマーに支持されているのではないかと考える。また、競合B社については耐久性の改善を行っていないため、B社のカスタマーが流入している可能性も考えられる。

例文3

本日のプロジェクト進捗について、進行が予定よりも遅れてしまった。遅れた原因は、タスクの優先順位を明確にせず、時間の使い方に無駄があったことだと反省している。次回は、タスクの優先順位を明確にし、時間管理を徹底することで効率的な進行を図りたいと考える。

例文4

本日の会議では、新製品の提案が行われた。提案された新製品は、市場の需要に合致しており、大きな潜在顧客層が存在することがわかった。しかし、提案内容の一部に課題も見受けられ、改善が必要な点が明らかになった。今後は、提案内容の改善に取り組みながら、市場ニーズに対応した製品開発を進めていきたいと感じた。

例文5

今日の取引先との商談では、競合他社の存在が浮き彫りになった。競合他社は、価格面でのアピールを行っており、顧客の一部が移行している可能性があることが判明した。また、自社製品の優位性や差別化ポイントを再確認する機会となった。今後は、競合他社との競争力を向上させるために、製品の強みをアピールし、顧客の満足度向上に注力したいと思う。

まとめ

評価される日報にしたいのならば、ただ単純に心に感じたり思ったことを述べる「感想」ではなく、心に感じた事に対してさらに自分の意見を加えた「所感」を書く必要があります。

特にビジネスシーンでは、単なる感想を述べた業務報告書にするのでなく、有用性の高い所感を書くことが求められています。

この記事では「感想」と「所感」の違いや、日報で「所感」を書く目的や効果、また「所感」を書くときのコツなどを解説しました。

この記事が、業務日報を書く際の参考になれば幸いです。

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