「部下が優秀すぎて、接し方がわからない」「優秀な部下とうまく付き合ってストレスを軽減したい」「優秀すぎる部下に先を越されたり、反抗されたらどうしよう……」
といった悩みや不安をもち、対応の難しさに困っている上司は多いのではないでしょうか?
上司にとって優秀な部下を持つことは喜ばしい点がある一方で、じつは接し方が難しかったりしてストレス源になることもあります。マネジメントを誤って、人間関係が険悪になったり、チームが崩壊するというリスクもあるでしょう。
そこで今回は、優秀過ぎる部下の対応に苦慮している上司に向けて、よくある悩みや具体的な接し方などを詳しく解説していきます。ハイパフォーマーと良い関係性を構築できれば、チーム力向上につながるので、ぜひマネジメントの参考にしてみてください。
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優秀な部下の5つの特徴とは?
「優秀な部下」といってもさまざまなタイプがいます。ここでは、優秀な部下の特徴を5つ紹介していきましょう。
- スキルが高く成績が良い
- 効率よく仕事ができる
- リーダーシップを持っている
- 判断力がある
- 自分の意見がある
スキルが高く成績が良い
高いスキルを持ち、常に好成績を残し続ける社員が優秀な部下といえるでしょう。営業、技術、開発、販売、サービスなど、職種を問わず、専門知識や能力をもつ人材は、売上や顧客満足度向上に貢献します。
成果を上げる方法を熟知し、目標達成に向けて努力し続ける部下は、チーム全体に好影響を与えます。
効率よく仕事ができる
優秀な部下は、効率的に仕事をこなします。これまで培ってきたスキルやノウハウを活かし、アウトプットを最大化します。タイムマネジメントにも秀でているため、タスクの優先順位付けや期日の厳守なども徹底しているのです。
その結果、生産性が向上します。最適な手法やノウハウをチームに還元することで組織全体の業務効率アップも期待できます。
リーダーシップを持っている
優秀な部下は、自発的にリーダーシップを発揮する人材です。ハイパフォーマーは個人だけでなく、周りの人材にもポジティブな影響を与え続けるという特徴もあるのです。
ポジティブなマインドと行動力で、成果を出し続け、伸び悩んでいる他のメンバーをサポートする姿勢も見せます。結果、チーム全体の協力関係を強化し、円滑な業務の推進に寄与するのです。
判断力がある
優秀な部下は、解決困難な課題に直面したときにも冷静に判断できます。複雑な問題のボトルネックを理解し、適切にリスクを評価し、解決策を考えることができるのです。
これは経験値やスキルだけでなく、柔軟な思考力や周囲との協調性が高いともいえます。いままでの手法が通用しなくなったときに、新たな視点や方法を導入する柔軟性や、周りのメンバーとの議論や会話を通して、何が最適解か理解する能力も持ち合わせているのです。
そして最終的には自分で判断して実行したり、意見をまとめて上司に相談するという行動力を持っています。
自分の意見がある
優秀な部下は自分の考えを持ち、建設的な意見を臆することなく発信する能力もあります。
ハイパフォーマーは、無駄な業務や実現可能性の乏しいアイデアに対しての改善策や新たな提案なども積極的に出します。非効率な状態が続くと、業績低下やメンバーのモチベーション低下にもつながることが分かっているため、常に効率や生産性の向上を考えているのです。
また発信力の高さだけでなく、行動力や熱量も高いため、周囲を巻き込む能力も秀でています。
優秀な部下を持つ上司の悩み4選
優秀な部下はチームの成績を上げてくれる重要な人材です。他のメンバーにも好影響を与えます。ただし、上司にとっては育成や教育、指示など、接し方に迷ってしまうケースもあるでしょう。以下に上司の代表的な悩みを4つ紹介します。
- 上司として威厳が保てないと不安
- 比較されるのが怖い
- 追い抜かれないか不安
- 注意や要望を出しづらい
上司として威厳が保てないと不安
部下の能力が高すぎて、上司としての威厳が保てないという不安に襲われている上司は多いでしょう。
営業職であれば、新規受注を次々に取ってきたり、既存顧客からのアップセル・クロスセルを実現することで営業成績を上昇させている部下は頼もしい反面、自分の立場を脅かす存在に思えるかもしれません。
上司が自分のやり方を優秀な上司に教えても、ハイパフォーマーは独自の手法で成果を出し続けることもあるでしょう。そうなると、上司は自信を失ったり、他のメンバーからの評価が下がったりする可能性があります。
せっかくのアドバイスを否定されるかもしれないと考えて、部下に対して卑屈になってしまう人もいるでしょう。また威厳を保つために、高圧的な態度に出たりして、負のスパイラルに陥ってしまう懸念もあります。
比較されるのが怖い
優秀な部下の成績やスキル、人望と比較されるのが怖い上司もいるでしょう。
部下の中には、成績やスキルが高いだけでなく、人柄も良く、周りに信頼されている人材もいます。そうした人材は、他のメンバーから慕われ、相談される機会も多いものです。
上司としては、マネージャーとして自分がメンバーの相談に乗ったり、アドバイスをしなければならないと焦ることもあるでしょう。そうした焦りが不安を助長し、比較を恐れることにつながっていくのです。
追い抜かれないか不安
部下に自分のポジションを奪われるのではないかと、不安に駆られる上司もいるでしょう。
「営業成績がずば抜けている」「スキル・知識が豊富」「メンバーからの人望が厚い」「社外にもさまざまな人脈を築いている」「クライアントから信頼されている」など、本来は会社にとっていいことのはずが、上司にとっては不安材料になってしまうケースがあります。
いつか自分が優秀な部下の下につく、ということを考えて悩んでしまうこともあるでしょう。そうならないために、マウントを取ったり、横柄な態度に出てしまっては自分の価値が下がるばかりです。
上司としての役割の認識や自分のスキルアップ・マネジメント力向上など、ポジティブな改善策を考えなければなりません。
注意や要望を出しづらい
ハイパフォーマーは圧倒的な成果を出し続けているため、注意や要望を出しづらいケースもあります。
しかし、ハイパフォーマーでも改善すべき点や直す点はあるでしょう。上司はチーム全体のことを考えて、優秀な部下を教育・指導する必要があります。注意や要望を出す際には、適切なタイミングや方法を考えなければいけません。
優秀すぎる部下への接し方5選
部下への接し方に悩みを感じている人は、次の方法で解消できる可能性があります。優秀な部下のパフォーマンスをさらに上げられるように、上手に付き合い、自分自身も成長させていきましょう。
- 部下をコントロールしようとしない
- 部下をライバル視しない
- 部下の優秀さを素直に喜ぶ
- 積極的に意見を聞く
- 自分の仕事に集中する
部下をコントロールしようとしない
優秀な部下は自律性が高く、責任感もあります。そのため、コントロールしようと気負う必要はありません。むしろ、優秀な部下が自分の力を発揮できるようにサポートしたり、アドバイスを送ることを心がけましょう。
部下に先を越されると考えたり、他の部下からの人望が下がるという考えは捨てましょう。優秀な部下とは対立関係にあるのではなく、協調関係にあります。あくまでマネージャーとしてチーム全体の成績向上を考えるべきです。
自分が上司として優れている点を今一度洗い出すのが良いでしょう。その上で、アドバイスや指導ができる点があれば部下に共有します。上司として、優秀な部下の自発的な活躍を支援するスタンスを忘れないようにしましょう。
部下をライバル視しない
部下はライバルではなく、あくまでチームの一員です。そして、立場上は上司のほうが上である事実は揺るぎません。「ライバル」を蹴落とすような行為や言動は自分の品位や評価を下げるだけです。同時に、他のメンバーのやる気を削ぐ原因になるので避けましょう。
自分が上司としてやるべきことをしっかりと自覚しましょう。マネジメントによって、メンバーのモチベーションを管理し、チームの成績向上に注力することが大事です。成績やスキルを比べるのではなく、自分の責任とやるべきことを自覚し、自信をもって業務にのぞみましょう。
部下の優秀さを素直に喜ぶ
部下の優秀さを素直に喜び、ポジティブな姿勢を維持することが大事です。部下の成果を素直に認め、努力や貢献に対して感謝の言葉や態度を示しましょう。
部下は正当な評価を受けることで、モチベーションが高まります。そしてさらなる努力を重ねたり研鑽を積み、成長していくのです。
上司として取り組むべきなのは、サポートや適切なフィードバックです。負の感情で自分や優秀な部下、チームメンバーの成長を阻害しないことが重要になるでしょう。
積極的に意見を聞く
上司はオープンなコミュニケーションを心がけ、部下の意見やアイデア、要望を積極的に取り入れましょう。風通しのよい組織を構築することで、業務効率化や生産性が向上する土壌が醸成されます。
優秀な部下の創造的な意見や新しい意見を取り入れることで、チームを変革できるでしょう。変化を恐れずに部下の知識や経験から学ぶことで、より良い意思決定が行える可能性もあるでしょう。
自分の仕事に集中する
優秀な部下がいれば、仕事を任せられます。その分、上司は自分のスキルアップに時間を割けるのです。上司は部下を成長させるだけでなく、自分のキャリアアップもしっかりと考えましょう。
マネジメントやコミュニケーション、リーダーシップなど、今後さらに磨きたいスキルをピックアップすることが大事です。その上で、セミナーや研修を受講したり、書籍や動画などで独学するのも良いでしょう。
優秀な部下は上司にも多くを要求するものです。その期待に応えるために自己研鑽が重要になるのです。経験だけでなく、スキルや知識を蓄えることで、部下から一目置かれる存在を目指しましょう。
まとめ
優秀な部下はチームにとって大きな力になります。一方で上司にとっては悩みの種にもなり得る存在です。上司は優秀な部下をコントロールしようとせず、信頼や感謝、理解を大事にして、オープンなコミュニケーションを心がけましょう。
良好な関係を築くことで、チームのパフォーマンス向上はもちろん、自分自身の成長にもつなげられます。良い上司としての接し方を学ぶことでリーダーシップを発揮し、部下とともに目標達成に向けてたゆまぬ努力を続けましょう。