「部下の評価の仕方を知りたい」「部下の評価をする時に気を付けるべきポイントを知りたい」「部下の正しい評価の仕方を知って、チームの士気を高めたい」初めて部下の評価をすることになった上司の中には、このような悩みを抱える人は多いのではないでしょうか?
企業の業績アップや長期的視野で社員の育成を図るためには、部下を評価することが欠かせません。ただし、その評価を誤るとモチベーションの低下や離職につながる可能性があります。
そこで本記事では、部下を評価する際に注意すべき5つのポイントについて紹介します。さらに、適切な評価がなぜ必要なのか、また部下への評価コメントの書き方などについても解説していきます。
本記事を読めば、部下の正しい評価の仕方を知ることができ、部下からの信頼を得つつ、チームのパフォーマンス向上にも寄与します。ぜひご覧ください。
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部下に適切な評価が必要な3つの理由
この章では、部下に適切な評価が必要な理由を3つ解説します。
- 納得できない評価は部下のモチベーションを下げてしまうため
- 評価によって部下にストレスをかける場合があるため
- 伝え方によってはネガティブな評価でも士気を上げられるため
組織において、部下の評価は多くの企業で行っている重要なプロセスです。部下の適切な評価方法を知らないまま行うと、組織に悪影響を及ぼす可能性があるため、この章でそれぞれ理解しておきましょう。
納得できない評価は部下のモチベーションを下げてしまうため
部下の適切な評価は、モチベーションを維持するために重要です。部下が評価基準や評価プロセスに不明瞭さを感じると、モチベーションが減少する可能性が高まります。
特に、不当な評価が存在すると、会社への信頼や意欲は低下します。例えば「一部の上司と仲良くしていれば評価が上がりやすい」といった、能力や努力とは異なる評価が存在する場合、部下は納得できず、モチベーションは低下するでしょう。
評価によって部下にストレスをかける場合があるため
部下に適切な評価が必要な理由の中には、誤った評価が部下にストレスをもたらす可能性があるためです。例えば、仕事を効率的にこなす人よりも不必要な残業をする人が高く評価される場合、部下たちは不満を抱くでしょう。
また現実的なラインを超えた無理な評価基準が積み重なる場合も、退職の一因になりかねません。有能な人材に長く働いてもらうためにも、不適切な評価は排除すべきです。客観的な評価を行い、部下のストレスを軽減しましょう。
伝え方によってはネガティブな評価でも士気を上げられるため
伝え方次第でネガティブな評価は、部下の士気を高めるチャンスにもなります。ネガティブな評価でも、その内容を共有することで、どの点がマイナス評価だったのか自覚でき、改善するきっかけになります。
また適切なフィードバックとアドバイスは、部下自身の成長機会を生み出します。マイナス面であっても適切な評価を伝えることで、チーム全体のパフォーマンス向上に寄与するのです。
部下を評価する「評価項目」とは
部下を適切に評価するためには、複数の基準が必要です。その中でも特に重要なのが「成果評価」「能力評価」「意欲評価」の3つです。これらの評価項目を明確に理解し、適切に評価することが部下からの信頼を得ることに繋がります。
成果評価
成果評価は、ある期間内の実績や目標に対し、どの程度達成できたかを見ていく項目です。この評価には、次のような内容が含まれます。
- 目標達成度:設定された目標をどれだけ達成したかを評価する
- 課題達成度:上司や自分自身が設定した課題をどれだけ達成したかを評価する
- 日々の業務:日常の業務内容を評価する
成果ベースの評価は客観性を保ち、フィードバックの提供も容易になります。ただし、成果評価は、設定目標が適切であることが前提の評価基準だということを理解しておきましょう。
能力評価
能力評価は、業務遂行能力や職務習熟度などを評価する中核的な項目です。主な評価項目としては、下記のような内容が含まれます。
- 戦略的思考: 新たなアイディアを生み出し、計画を遂行するスキル
- 実行力: 構想から実際の行動を行うスキル
- 専門知識: 業務における知識やスキルの深さ
- リーダーシップ: プロジェクトやチームの効果的な管理統率スキル
- 成長促進: 部下の成長を支援し、発展させるスキル
- 教育力: 知識やスキルを他者に効果的に伝えるスキル
これらの能力を評価するためには、公平で透明性のある評価基準が欠かせません。的確な能力評価を通じて、部下の成長を支援する環境を整えることが大切です。
意欲評価
意欲評価は、仕事と向き合う姿勢や勤務態度など、人間的な性質を評価する項目です。部下の意欲を評価するための項目は次の通りです。
- 責任性: 仕事に対する責任感や自己管理能力
- 協調性: チーム内外での協力や円滑なコミュニケーション能力
- 積極性: 積極的に新しい課題に取り組む姿勢や意欲
ただし、これらの評価項目は、具体的な数値で評価することが難しく、評価者の主観が影響する可能性があります。あいまいな評価になりやすいため、注意深い評価が求められます。
部下を評価する際に注意すべき4つのポイント
企業の業績アップや長期的視野で社員の育成を図るためには、部下を評価することが欠かせません。ただし、その評価を誤るとモチベーションの低下や離職につながります。そうならないためにも、部下を評価する際に注意すべきポイントを見ていきましょう。
評価基準に従って客観的に評価する
部下を評価する際は、評価基準に従って客観的に評価するようにしましょう。評価基準に基づく評価は、偏りが起きにくく、公平な評価を確保できます。
上司の個人的な意見や感情が入ってしまうと、不公平感やモチベーションの低下が生じる可能性があります。一貫性のある評価基準であれば、部下の納得感を得ることができ、評価結果を受け入れやすくなるでしょう。
評価基準を部下と共有する
部下を評価する上で注意する点として、評価基準を部下と共有することもポイントです。評価基準を共有することで、部下は評価がどのような要素に基づいて行われるかを明確に理解します。これにより、評価に対する信頼が構築され、部下のモチベーション向上につながります。
また基準があれば、部下は自己評価を行い、目標に向かって効果的に進むこともできます。評価基準の共有は、誤解や不満を減少させ、評価の公正性と信頼性を高めるために重要な要素なのです。
正しい評価が必要な理由を部下と共有する
部下を評価する際は、正しい評価が必要な理由を部下と共有しましょう。評価する理由には、部下自身の達成と課題を正確に理解することがあります。ときには上司と部下は視点が異なるため、部下は上司の意図を捉えるのが難しい場合があります。
しかし、適切な評価プロセスによって成長した部下は、双方の理解を深めることができ、協力関係が強化されます。部下を評価する際には、正しい評価を心掛けましょう。
自己評価もしてもらう
部下を評価する過程で、部下本人に自己評価をしてもらうことも重要です。自己評価を通じて、自身を客観的に評価する能力が身につきます。
万が一、自己評価と他己評価に差異がある場合、その差異の理由を共に考え、双方の評価を一致させることも可能です。自己評価は、上司の評価とのギャップを把握する上でも、部下を成長させる上でも重要なため、注意しましょう。
部下への評価コメントの書き方
部下への評価コメントを適切に書くためにはいくつかのポイントがあります。
この章では、以下3つに分けて解説します。
- できるだけ具体的に書く
- 客観的な情報を入れて書く
- ポジティブな評価も書く
できるだけ具体的に書く
部下への評価コメントを書く際は具体的に書きましょう。どのような根拠や行動に基づいて評価したのか、どの点に改善の余地があるかなどを、部下が理解しやすい言葉で表現します。ただし、相手を傷つけたりネガティブな印象を与えるような表現は避け、モチベーションを向上させるような表現を心がけましょう。
客観的な情報を入れて書く
客観的な情報を評価コメントに盛り込むことも重要です。数字やデータに基づいて部下の成果や貢献を評価することで、主観的なコメントにならず、公平な評価を行うことができます。例えば、「◯◯月までに売上目標を70%超える成果を達成した」など、客観的なデータに基づいて評価コメントすることが大切です。
ポジティブな評価も書く
部下への評価コメントでは、ポジティブな評価も書きましょう。改善や非難するコメントばかり書かれた評価コメントは、部下のやる気が失せてしまいます。
達成した成果や取り組みに対して称賛の言葉を加えましょう。また、成果評価だけでなく行動評価や日常業務からみえる良い評価もコメントに書くことで、部下のモチベーションや自信を高める効果があります。バランスの取れたコメントで、部下の成長と意欲を後押ししましょう。
部下と評価面談する際にやるべき4つのこと
部下と評価面談を行う際には、以下4つのポイントをおさえましょう。
- 面談の内容を事前に整理する
- 批判ばかりをしない
- 固い雰囲気にならないように注意する
- 面談した後のフォローも行う
部下との評価面談は効果的なコミュニケーションの場です。部下の正しい評価の仕方を知って、チームの士気を高めていきましょう。
面談の内容を事前に整理する
評価面談を行う際は、前もって伝えるべき事柄を整理しておきましょう。例えば「評価の根拠となる事実や情報」「予想される質問への回答」「面談の際に伝えたい最重要事項」などを整理して置くとスムーズに面談ができます。
また、面談時のテーマは数個程度に絞りましょう。納得できない部下への説明方法も事前に検討しておくことで、より良い議論ができます。
批判ばかりをしない
部下と評価面談する際は、批判ばかりしないようにしましょう。部下のモチベーションを保つためには、批判的な要素だけでなく、肯定的なフィードバックも提供することが重要です。
批判ばかりでは部下の意欲が低下し、上司への信頼も損なわれるかもしれません。部下にコメントする際は、肯定的な視点を取り入れ、「この成果から、◯◯分野にも取り組めるポテンシャルがある」といった具体的な評価を行いましょう。部下の行動に対して肯定的なフィードバックを提供することで、モチベーションを向上させ、信頼関係も築くことができます。
固い雰囲気にならないように注意する
面談での雰囲気は重要です。堅苦しさを避け、オープンでリラックスしたコミュニケーションを心がけましょう。
部下が自分の意見や懸念を気軽に共有できるよう、趣味の話や世間話など軽い雑談から話し始めると緊張が溶けやすいです。双方向のコミュニケーションを確保するためにも、固い雰囲気にならないように注意しましょう。
面談した後のフォローも行う
部下と評価面談する際は、面談した後のフォローも欠かさず行いましょう。例えば、マイナス評価を伝えたときに、面談が終わった後のフォローがあるかないかで、部下のモチベーションは変わります。
面談時に部下からもらった提案や、部下のスキルアップに役立つ情報なども迅速にフォローします。部下の課題解決や成果達成、スキル向上につなげられるような評価コメントをしましょう。
まとめ
部下への適切な評価は、上司にとって重要な業務です。感情や曖昧な基準に頼るのではなく、能力や成果、意欲を的確に評価しましょう。会社に貢献できる人材を育てるためにも、正しい評価の仕方を知って双方が納得できる適切な評価を行うことが大切です。
公正な評価は、部下のモチベーションを向上させる力となります。本記事を参考にして、ぜひチーム全体の士気を高めていってください。