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市場分析のテンプレート6選!代表的なフレームワークを解説

「上司に市場分析を命じられたが、はじめてなので具体的なやり方が分からない」「フレームワークを学んで、効果的に市場分析を行いたい」「市場分析に役立つフレームワークのテンプレートを入手したい」

といった、疑問や要望を持つマーケティング担当者は多いでしょう。

市場分析はビジネスを成功させるために不可欠です。市場の動向や顧客ニーズを正確に把握できれば、組織内のリソースを最適化でき、差別化によって競争力を高めることも可能です。

市場分析を成功させるにはフレームワークの使い方を知っておく必要があります。しかし、経験の浅いビジネスパーソンには難しく難じるかもしれません。そこで今回は市場分析の基本を解説し、代表的なフレームワークとそのテンプレートも紹介します。自社のビジネスを発展させるためにも、しっかりと知識を学び、業務に活かしていきましょう。

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市場分析とは

最初に、市場分析の基本を解説していきます。なぜ、ビジネスにおいて市場分析が必要なのかについて、きちんと理解しておきましょう。

市場分析は市場の動向を見るための手法のひとつ

市場分析は、自社がターゲットに据えた市場や顧客、競合他社、環境などを分析するマーケティング手法のひとつです。

市場の規模やトレンドに加え、顧客ニーズや顧客の行動パターンなどを把握することで、効果的なマーケティング戦略が立案できます。分析によって収集したデータは商品開発や販売予測などにも役立てられるので、マーケティングだけでなく経営戦略の策定にも活用できます。

市場分析の必要性

ビジネスにおいて市場分析が必要とされている理由は、次の3つです。

  • マーケティング戦略を立てるため
  • 経営戦略を構築するため
  • 効率よくマーケティングを行うため
マーケティング戦略を立てるため

市場分析は、マーケティング戦略を立てるために欠かせません。

有効なマーケティング戦略を策定するのには、データに基づいた分析が必要になるので、そのためにも市場分析が必要になります。マーケティング戦略は商品開発やプロモーション、営業戦略にもつながるので、ビジネスを成功させるための鍵を握る施策といえるでしょう。

経営戦略を構築するため

市場分析によって収集したデータをもとに、経営戦略を構築することができます。顧客のニーズに加え、市場全体の動向やトレンド、成長性を予測できるので、組織全体が目指す方向性が定まります。

また競合他社の強みや弱みを分析することで、自社が注力すべき領域が特定できるでしょう。いつ、どのタイミングで、何を市場に投入すべきかを適切に判断できるようになるので、ビジネスの成功確率を高められます。

効率よくマーケティングを行うため

市場分析によって、内部環境(自社の強みや弱み、リソースなど)と外部環境(競合他社やトレンド、顧客ニーズなど)が把握できます。

内部・外部の状況を正確に捉えられれば、ターゲットセグメントを最適化でき、的確なプロモーションも展開できます。限られたリソース(人・モノ・カネなど)の最適化によって、効率良くマーケティング戦略を実行できるようになるのです。

市場分析で明確にするべき項目

市場分析における対象はさまざまです。何を分析すれば良いのか、分からないというマーケティング担当者も多いのではないでしょうか?

市場分析で失敗しないためには、最低限、次の3つの要素は抑えておきましょう。

  • 市場規模
  • 顧客の持つ課題
  • 競合他社の状況

市場規模

市場規模を把握することは、ビジネスの成長予測やマーケットシェアの確保にとって重要です。分析対象は現在自社が所属している市場、またはこれから参入予定の市場です。

市場全体の規模や成長率を把握することで、どの程度の売上を確保できるのか、また将来にわたって成長が可能なのかを予測できるようになります。

分析する際には、市場全体だけでなく、セグメントごとなどより詳細に絞った市場を分析対象としましょう。市場を細分化することで、自社のポジショニングが明確になり、シェアを拡大できる領域がはっきりとします。

顧客の持つ課題

市場分析では、顧客の持つ課題についても分析していく必要があります。

近年はSNSの発展や急速なデジタル化に伴い顧客ニーズ(課題)が多様化しています。そのため、市場分析によって複雑化した顧客のニーズを的確に把握して、ビジネスに活かさないと売上やシェアの拡大につなげられません。

市場調査やインタビューなどを通して、ターゲットに定めた顧客がどのような課題を持っているのかを把握することが先決です。

企業は顧客の課題を解決するようなソリューションを提供するためにも、市場分析が必要になるのです。

競合他社の状況

市場分析によって、競合他社の商品・サービス、価格、販売チャネル、マーケティング戦略などを把握することで、差別化戦略や優位性を見出すことができます。

通常は、どのような市場でも競合他社が一定数おり、シェアの奪い合いが起きています。顧客に自社の商品・サービスを選んでもらうためには、自社と競合の違いを明確化する必要があるのです。

その差別化ポイントを顧客に訴求し、市場での競争力の維持・向上につなげることが重要なのです。

市場分析を行うための代表的なフレームワークとテンプレート

市場分析を行う時には、フレームワーク(思考の枠組み)を活用するのが一番です。マーケティング分野ではさまざまなフレームワークが使われており、分析対象や用途によって最適なものを選択する必要があります。

ここでは市場分析に役立つ6つのフレームワークを取り上げ、それぞれテンプレートも紹介していきます。特に、はじめて市場分析を行う担当者にとって役立つ内容となっているので、ぜひ活用してください。

  • 【顧客分析】RFM分析
  • 【競合分析】ファイブフォース
  • 【競合分析】PEST分析
  • 【商品開発】4P分析
  • 【商品開発】STP分析
  • 【現状分析】3C分析
  • 【現状分析】SWOT分析

【顧客分析】RFM分析

RFM分析とは、顧客をセグメンテーションする際に役立つ分析手法です。RFMはそれぞれ次の3つを意味します。

  • 最新購入日(Recency)
  • 購入頻度(Frequency)
  • 購入金額(Monetary)

Recencyは顧客の直近の購入日のことで、顧客の活発度を分析します。Frequencyは購入頻度のことで、期間中にどの程度商品・サービスを購入したかを計測します。リピーターを抽出する際に役立ちます。Monetaryは購入金額のことで、期間中の顧客の購入金額の総額を出します。Monetaryを分析することで顧客の収益性などが分かります。

RFM分析によって、それぞれの顧客をセグメントすることで、マーケティング施策の立案につなげます。例えばRFMのすべてが高い顧客には特別なプロモーションを案内することで、さらなる収益拡大が狙える可能性があります。

またRecentlyが低い顧客には、再度購入や来店をしてもらうような案内やクーポンを発行するという手法が考えられます。

このように、RFM分析を実践することで、顧客層ごとに最適なマーケティング戦略が打てるようになるのです。

RFM分析のテンプレート

【特徴】

RFM分析のテンプレートはferretからダウンロード可能です。ファイル形式はパワーポイントです。このテンプレートでは縦軸に「ランク(5〜1)」、横軸にRFMをとり、自社が分析しやすいように空欄を埋めます。

例えば、最新購入日の列には、Rank5=1週間以内、Rank4=2週間以内、Rank3=3ヶ月以内、Rank2=半年以内、Rank1=1年以内などと自社で任意に設定します。同様に購入頻度や購入金額も設定します。

その後、それぞれのRankに応じた施策を考えます。例えば、最新購入日のRankが1で、購入頻度と購入金額のRankが5の場合、「今までは優良顧客として商品・サービスを購入してくれていたものの、最近は店舗やECサイトなどへのアクセスが減っている」ことが分かります。

放っておくと顧客が離れてしまう可能性があります。そのためこのセグメントの顧客には、購入を促す施策を早急に講じる必要があるということが分かるのです。

このように各項目は商材や顧客行動によって異なるので、担当者が適切に設定する必要があります。

RFM分析のテンプレートはこちら

【競合分析】ファイブフォース

ファイブフォースとは市場の「脅威(フォース)」に焦点をあてることで、競合や競争環境を分析する手法です。構成する5つの要素は次のとおりです。

  • 顧客の交渉力
  • 供給者の交渉力
  • 新規参入企業
  • 代替品
  • 競合他社

「顧客の交渉力」とは、一般消費者や顧客による、価格・条件の交渉力です。顧客の交渉力が高い場合には価格競争が起こりやすくなります。

「供給者の交渉力」は、メーカーであれば原材料などを供給する業者を指します。業者の交渉力が高かったり、サプライヤーの数が少ない場合には売価や品質に影響が出るおそれがあります。

「新規参入企業」は新たなプレイヤーが参入しやすい市場か否かを分析します。例えば、参入障壁が低ければ競争が激化するリスクが高まるので、価格競争やシェアの低下などにつながります。

「代替品」の脅威が高いケースでは、顧客が自社の商品・サービスから代替品に切り替えるリスクが高まります。この場合の代替品とは、競合他社の商品・サービスではなく、他の業界の企業が提供する商品・サービスのことです。

「競合他社」の存在が多かったり、他社の商品・サービスが市場を席巻している場合には、競争激化度が増します。その場合には価格競争が激しくなったり、シェア争いが熾烈になることが予測できます。

ファイブフォースのテンプレート

【特徴】

マニュアル作成・ナレッジ管理ツールを提供している「NotePM」では、ファイブフォース分析のテンプレートがダウンロードできます。マークダウン方式のファイルを入手して、NotePMで導入可能です。

新規参入を考えている市場における、競合他社を含めたさまざまな外部要因を分析する時に役立つでしょう。

ファイブフォースのテンプレートはこちら

【競合分析】PEST分析

PEST分析は外部環境を分析する際に使うフレームワークです。構成する要因は次の4つです。

  • 政治(Politics)
  • 経済(Economy)
  • 社会(Society)
  • 技術(Technology)

Politicsは政府の政策や規制、法改正などを分析します。Economyはインフレ率や経済成長率、為替レート、中央銀行の政策などを考慮します。

Societyは社会のトレンドや消費者マインドの変化、人口動態の変動、ライフスタイルや価値観の変化など、社会的な要因を主な分析対象とします。

Technologyでは技術の進歩やイノベーションがビジネスに与えるインパクトを評価します。新技術の導入やデジタル化の普及なども含まれます。

PEST分析のテンプレート

【特徴】

PEST分析のテンプレートもferretから入手できます。政治・経済・社会・技術における外部要因を整理することで、市場参入のリスクや脅威を明確化できます。

マクロ的視点で外部要因を分析できれば、現在だけでなく将来的な脅威についてもある程度予測できるようになるでしょう。

PEST分析のテンプレートはこちら

【商品開発】STP分析

STP分析は商品開発を行う際に役立つフレームワークです。STPは次の3つの単語の頭文字をとったものです。

  • セグメンテーション(Segmentation)
  • ターゲティング(Targeting)
  • ポジショニング(Positioning)

まずセグメンテーションで顧客を属性やニーズ、購買行動などで分類します。次に、セグメント分けした特定の顧客層の中から、もっとも魅力的なターゲットを特定します。最後に自社と競合他社を比較し、優位性を見出すことで市場におけるポジショニングを定めます。

【商品開発】4P分析

4P分析とは、次の4つの要素で構成された手法で、商品開発の際に役立つフレームワークです。

  • 商品・サービス(Product)
  • 価格(Price)
  • 販売促進(Promotion)
  • 流通(Place)

Productは自社の商品・サービスの特徴や強みを分析します。Priceは設定した価格の適正や競合他社の類似製品との比較を通じて、料金体系を再評価します。

Promotionはプロモーション活動や広告の最適化について検討し、Placeでは販売チャネルや物流面の分析を行います。

4P分析のテンプレート

【特徴】

Webマーケティングメディアの『ferret(フェレット)』のサイトからは、4P分析のテンプレートが入手可能です。アンケートに答えれば誰でもダウンロードできます。

「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「販売促進(Promotion)」の4つの要素を埋めることで、新商品開発の際に検討すべき要素を整理できます。

4P分析のテンプレートはこちら

STP分析のテンプレート

【特徴】

STP分析のテンプレートは「やさしいビジネススクール」から入手可能です。ファイル形式はパワーポイントおよびPDFの2つです。

まずは市場の分類軸を決め、自社がどの顧客層を狙うかを整理します。次に競合との差別化ポイントを明確にすることで、売上の最大化やシェア拡大を図るための施策の立案につなげられます。

STP分析のテンプレートはこちら

【現状分析】3C分析

3C分析は自社の内部環境と競争環境をバランス良く分析できるフレームワークです。3Cは次のとおりです。

  • 自社(Company)
  • 顧客・市場(Customer)
  • 競合他社(Competitor)

Companyでは自社の商品・サービス、強み・弱み、リソース、経営戦略などを分析することで、会社組織全体の現状を把握します。

Customerでは、顧客のニーズや要求、課題、購買行動などを理解し、ターゲットを明確化します。

Competitorでは競合他社の商品・サービスやマーケティング戦略、強み・弱みなどを多角的に分析します。

3C分析のテンプレート

【特徴】

3C分析のテンプレートは「ebisu(エビス)」のサイトから入手できます。ファイル形式はExcelとPDFです。

自社・顧客・競合他社の3者を分析することで、勝負すべき市場や注力すべき商品・サービスが明確になります。また市場環境が厳しい場合には参入を取りやめるなど、客観的な情報に基づいた戦略の立案・実行も可能になるでしょう。

3C分析のテンプレートはこちら

【現状分析】SWOT分析

SWOT分析は自社および外部環境の現状を把握するためのフレームワークです。構成要素は次の4つです。

  • 強み(Storength)
  • 弱み(Weeknes)
  • 機会(Opportunities)
  • 脅威(Threats)

強みと弱みは、自社の内部要素で、他社と比べて優位な点や劣位な点を指します。強みを把握することで競争力の強化が狙え、弱みを特定し改善策を講じることで組織力の向上が期待できるのです。

機会と脅威はともに外部要因です。機会では、市場の拡大や新しい技術の導入など、自社が成長する要因を分析します。逆に脅威は、市場の縮小や競合他社の台頭、経済・社会の不安要素、規制強化や法改正など、自社の成長を妨げる要因を特定します。

SWOT分析のテンプレート

【特徴】

SWOT分析もferretのテンプレートが便利です。パワーポイントのデータを入手でき、内部環境のプラス要因・マイナス要因、外部環境のプラス要因・マイナス要因を整理して分析できます。

プラス面だけでなくマイナス面を客観的に評価することで、環境の変化にも柔軟に対応できるようになるでしょう。

SWOT分析のテンプレートはこちら

まとめ

今回は新任のマーケティング担当者に向けて、市場分析の基本を解説し、代表的なフレームワークとテンプレートも紹介しました。

市場分析はビジネスを成長に導く上で不可欠です。顧客ニーズが多様化する中で、優位性を確保するためには、顧客・市場・自社の3つを的確に分析する必要があります。また、自社のビジネスに決定的な影響を与えうる外部要因も把握しておくことが重要です。

市場分析がはじめての人にとっては、ここで紹介したテンプレートの活用をおすすめします。多くのテンプレートは無料で入手可能です。フォーマットが決まっていれば、項目の抜け漏れも防げるでしょう。また分析の効率化も可能になります。

的確な市場分析を行って、自社のビジネスの持続的な成長を目指しましょう。