ある意味で「メモ帳」。月間約780億PVを有するポータルの情報処理基盤を支えるゼットラボの事例

日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を支える情報処理基盤のエキスパートたち。

今回は、ヤフーの100%子会社として、「技術で新しい世界へシフトする。」ことをビジョンに掲げ、技術面の研究開発を担っているゼットラボに、Qiita Team活用のポイントを伺いました。

サマリー

ポイント

  • 会社全体に周知することや議事録、事務的な申請の記録、気になった情報を社内に向けて社員が発信する場として活用
  • 立ち位置としては、ある意味で「メモ帳」。気楽に書け、フォーマットも自由で、すぐに投稿できる

目次

  • KaaSを通じてヤフーの技術課題を解決
  • 全員エンジニアで完全フラットな「研究開発特化型」の組織
  • ポエムから、自然と投稿文化が根付いた
  • 四半期ごとの個人目標をQiita Teamで公開
  • 口頭コミュニケーションをある程度減らす文化
  • これからは、Zホールディングスをアップデートする
  • まとめ

今回インタビューに答えていただいた方

河宜成(こう たかなり)Ko Takanari
ゼットラボ株式会社
代表取締役


※昨今のコロナ禍に鑑みて、マスク着用の上インタビューにお答えいただきました

KaaSを通じてヤフーの技術課題を解決

ーーQiita Team

まずは御社の事業内容について教えてください。

ーー河

主に親会社であるヤフー向けに、自分たちのクラウドネイティブ技術を活用したインフラソリューションを開発・提供しています。あとはKubernetes(クバネテス)を利用されるヤフーのエンジニア向けに、技術支援も行なっています。

ーーQiita Team

御社のスタンスとして、サービス構築と並行して技術に関する研究機関としての役割も兼ねていらっしゃる、という認識なのですが合っていますか?

ーー河

おっしゃる通りで、ヤフーとの仕事をお受けする一方で、独立する形で情報処理基盤の研究開発も行なっています。弊社のプロダクトを使い、ヤフーの開発効率向上による利益貢献を目指しており、すでに提供中のKaaS(※)を通じてヤフーの技術課題を解決することに集中しています。

※ KaaS : Kubernetes as a Serviceの略。ヤフーのモダナイゼーションプロジェクトの流れから生まれたシステム。

全員エンジニアで完全フラットな「研究開発特化型」の組織

ーーQiita Team

河さんも、もともとはヤフーにいらっしゃったのですよね?

ーー河

はい、新卒でヤフーに入社して、Webサービスのサーバーエンジニアをやっていました。その後はAndroidのネイティブアプリ開発をやり、マネジメントサイドを経て、2015年11月にソフトウェアエンジニアとしてゼットラボ立ち上げに参画、2017年10月にゼットラボの代表に就任しました。

ーーQiita Team

現在に至るまで、どういう方がメンバーとして在籍されているのでしょうか?

ーー河

設立時は全員がヤフーからの出向者。今も新規採用者は全員ヤフーで雇用され、福利厚生などの制度はヤフーのものを利用できる形で、弊社に出向してもらっています。

私以外、全員がソフトウェアエンジニアで、組織も完全にフラット。総務や人事、セールスといった役職の者もいません。役割としてチームリーダーはありますが、いわゆる管理する人ではなく、プレイングマネジャーとして活躍してもらっています。

ーーQiita Team

全員エンジニアで完全フラットの組織は特殊ですね!まさに研究開発特化型の組織だと感じます。ヤフーさんのように、構造化された組織からいきなりフラットになって、混乱はなかったのでしょうか?

ーー河

なかったですね。

設立当初はプロダクトも何もなかったので、そんな状態でいきなり階層を作るのはなかなか難しいです。あと、全員ソフトウェアエンジニアなので「みんなで尊敬し合おう」という文化を作る側面もあって、まずは信頼関係構築の目的でフルフラットにしました。

ポエムから、自然と投稿文化が根付いた

ーーQiita Team

御社では、設立と同タイミングでQiita Teamのご利用を開始されています。もともとQiitaはご存知だったのでしょうか?

ーー河

会社設立時から「Qiitaっていいよね」という話が出ていましたね。Qiita Teamについては誰も使ったことがなかったのですが、QiitaシリーズだしMarkdownだし、気軽に投稿できるということで使うことになりました。

ーーQiita Team

具体的にどのような用途で使い始めたのでしょうか?

ーー河

ドキュメント類の集約管理です。

当時、社内にはGitHubとSlackしかツールがなく、GitHubで頑張って管理してもいいけど、せっかくだから何かツールあったほうがいいよねとなって、SaaS型で運用が簡単なQiita Teamを使うことになりました。

ーーQiita Team

現在も、ドキュメントの管理ツールとして使っていらっしゃるのですか?

ーー河

いえ、現在は会社全体に周知することや議事録、事務的な申請の記録、気になった情報を社内に向けて社員が発信する場として使っています。

元々は全てのドキュメントをそこに蓄積しようということで進めていましたが、次第にソフトウェアや運用に関することは、それと直接関係のあるGitHubのレポジトリの方で管理していくことになりました。

ですので、プロダクトの開発・運用に関わるものはGitHubへと徐々にシフトしていき、そうではないものをQiita Teamで管理するようになりました。

ーーQiita Team

これまでQiita Teamを導入されているチームから、投稿文化がなかなか根付かなくて苦労した、というお話を伺うことがありました。御社の場合はいかがでしたか?

ーー河

使い方にもよると思いますが、弊社の場合はそこに苦労することはなかったです。

創業当初はそれこそ色々なリソースが不足していたので、次第にメンバーに不満が溜まっていきました。非常にエンジニアらしいのですが、そこで直接言わずにQiita Teamにポエムを投稿し始めたんですよ。それを読んだ別のメンバーも、いいなと思ったら「いいね」を押す。

こんな流れで、投稿するという文化が自然とできていきました。会社を設立して一年くらい(2016年)だったと思います。

ーーQiita Team

面白いですね!今でもポエム的なものは投稿されているのですか?

ーー河

最近はあまりないですね。

それよりは、自分でしっかりと調査したものなどが投稿されているような印象です。表立ってSlack等で「調査したので見てみてね」と書くのは気恥ずかしいところがあるので、新着でそれとなく目に触れさせることのできるQiita Teamに投稿しているのだと思います。

四半期ごとの個人目標をQiita Teamで公開

ーーQiita Team

先ほど、会社からの情報伝達ツールとしても活用されているとおっしゃっていましたが、具体的にはどんな内容を投稿されているのでしょうか?

ーー河

週に一回、全社定例ミーティングを行なっているので、そのアジェンダや議事録を載せています。また国内外の技術系カンファレンスといったイベント情報なども、定期的に情報発信するようにしています。必要であれば、実際に現地にいってもらいますから。

あとは新しくジョインするメンバーのためにも、自己紹介ページを作ってくださいとお願いしています。

ーーQiita Team

なるほど。Qiita Teamの情報を、評価などに使うことはあるのでしょうか?

ーー河

投稿内容を評価対象にすることはありませんが、四半期ごとに立てる個人目標を宣言してもらう、という使い方はしています。

ーーQiita Team

どういうことでしょうか?

ーー河

弊社では「2020Q1全社目標」といった形で、四半期ごとの会社としての目標をQiita Teamに記事としてあげています。

全員が見れる記事なのですが、そこに全社的な目標だけでなく、「メンバー一人ひとりに対する期待」も載せるようにしています。もちろん、事前に本人と1on1などですり合わせた内容です。

他のメンバーはそれを見ることで、その人が何に興味を持っているのかを知って、やりたいことを尊重するといったことに役立てています。

ーーQiita Team

とても良い仕組みですね。フィードバックはどのようにされているのですか?

ーー河

最初はチーム内にて全員でやっていましたが、さすがにコストがかかりすぎるので、現在は私とチームリーダーがフィードバックをするようにしています。

口頭コミュニケーションをある程度減らす文化

ーーQiita Team

最近はコロナ禍によって働き方を変えている会社さんが多いですが、御社はいかがでしょうか?

ーー河

弊社の場合は、もともとコアタイムやリモートワークの制限がなかったので、働き方そのものに影響は出ていないですね。ただ、「なんとなくオフィスの方が気持ちよく仕事できていた」といった声があがってきたりはします。一方で、「通勤がなくなったので、通勤のストレスがない」といった声もあります。

ーーQiita Team

もともと、働き方を個人の裁量に任せていらっしゃったんですね。

ーー河

そうですね。あと、口頭コミュニケーションはある程度減らそうという文化にしていた、というのもあります。

どうしても口頭だと“言った言わない”が出てきてしまうので、何か提案がある場合はちゃんとプロポーザルのドキュメントを書いて、それをチームに展開して、みなさんの合意をとって進めるようにしています。

ーーQiita Team

社員さん以外に外部の協力会社の方もいらっしゃると思うのですが、その方々とのやりとりも、あまり変わっていないですか?

ーー河

そうですね。ジョインしてもらった業務委託社員の方には、日報をQiita Teamにあげてもらうという運用をずっとしていたので、こちらも特に影響はないです。

これからは、Zホールディングスをアップデートする

ーーQiita Team

今後の御社の目標を教えてください。

ーー河

昨年「Zホールディングス」ができて、その周囲に色々な会社が集まってきました。

現在弊社はヤフー向けにサービス・プロダクトを展開していますが、もう少し視座を高めて、Zホールディングス向けにも最新のインフラ技術を何かしらの形で提供して、Zホールディングス全体がインフラをより良く使える環境を提供したいと思っています。

弊社は「技術で新しい世界へシフトする。」ことをビジョンに掲げており、それを実現するミッションとして「Yahoo! JAPANをアップデートする」を据えていました。実は今年から、これを「Zホールディングスをアップデートする」に変えています。

なので、エンジニアは常に募集しています。特にKubernetes本体のコードを書けるような方はなかなか見つからないので、良いエンジニアがいたらぜひお話ししたいですね。

ーーQiita Team

ありがとうございます。最後に、同じような課題を抱えている方に向けて、Qiita Team活用へのアドバイスを一言お願いします。

ーー河

Qiita Teamについてメンバーに聞いたら、「ある意味、メモ帳だよね」といっておりました。気楽に書けるし、フォーマットも自由。そして、すぐに投稿できる。

何かを即座に解決するツールとして導入するのではなく、中長期的な目線で社内のコミュニケーションを良くするものとして、まずは展開するのが良いのではないかと思います。

まとめ

月間約780億PVを有するYahoo! JAPANの情報処理基盤を支えるエンジニア集団の皆様に、一種の「メモ帳」としてお使いいただけているのは、とても光栄なことだと感じました。

ゼットラボ様の記事投稿数は3600記事超(2020年7月時点)。これは非常に多い数でして、コミュニケーションを“なめらか”にするツールとして積極的にご活用いただけていることが、ここからもうかがえます。投稿文化が根ざしたきっかけが、エンジニアの方によるポエムだった点も、Qiitaブランドらしいエピソードですね。

今後の、Zホールディングス全体への技術提供という壮大なミッションに向けて、引き続きQiita Teamを活用していただければと思います!

木製の卓球台が置いてあるゼットラボオフィスの一室

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