「競合調査のテンプレートが欲しい」
「競合調査を行う方法を知りたい」
「競合調査のテンプレートで効果的な分析を行いたい」
このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
ビジネスの中で、ライバル企業に勝つためには、相手の強み・弱みなどを分析して対策しなければいけません。そのために、有効とされているのが「競合調査」です。
本記事では、競合調査の基本と具体的な手順、さらに代表的なフレームワークとテンプレートをご紹介します。この記事を読めば、競合調査のテンプレートを手に入れ、売上向上につなげるための適切な分析を行うことができます。競争の激しいビジネス環境で勝ち抜くために、ぜひご活用ください。
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競合調査とは
ビジネスでは、似た種類の商品を提供する企業や、同じターゲット層を狙う企業など、さまざまな競合相手が存在します。そのため、顧客に自社を選んでもらうためには、「競合調査」が極めて重要です。
この章では、競合調査の基礎知識や競合調査を行うべき理由について解説します。
競合調査とは競合他社について分析すること
競合調査は、競合他社に関する情報を分析することです。この調査は、マーケティング戦略の基本となります。
競合調査では、ライバル会社の価格設定やシェア率、市場のトレンドなどについて幅広く分析します。その対象は、直接的に関わる競合企業だけでなく、間接的に関わるターゲット層や見込み顧客(または商品)にも及びます。競合調査を行うことで、自社の位置や競争力を把握し、戦略的な意思決定を行うことができるのです。
競合調査を行うべき理由
競合調査を行う理由は、他企業との差別化や新たなビジネスチャンスを発見するためにあります。競合調査を怠ると、重要な情報を得る機会を逃し、競争力を失う可能性があります。
競合他社と比較することで、自社にはできて、他社には提供できない独自視点の切り口を検討できます。また競合の戦略や施策を調査することで、「どうやったら自社に応用できるだろうか」と、新たなマーケティング戦略を思考することにつながります。さらに、競合サイトの口コミを分析すれば、顧客のつまずきやすいポイントや要望を把握し、自社の顧客解像度を向上させることもできるでしょう。競合調査は、競争の激しい市場で成功するために欠かせない活動なのです。
競合調査を行う5つのステップ
ここでは、競合調査を行うためのステップを以下5つに分けて解説します。
- 目標を設定する
- 競合企業をピックアップする
- 調査する項目を決める
- 情報収集をする
- 実際に分析を行う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
目標を設定する
競合調査を行うためには、自社の目標を設定しましょう。まず大切なのは、「何のために競合調査をするのか」ということを明確にすることが大切です。
競合分析の結果を利用して、自社の価格戦略を検討するか、自社の強みや弱みを把握するか、あるいは調査結果から別の手段を試みるかなどのゴールを設定します。また、この目標設定は、競合調査後に再評価や微調整が可能なので、完璧に決める必要はありません。ターゲット層に焦点を合わせることを忘れずに、まずは目標を設定しましょう。
競合企業をピックアップする
次に、競合企業をピックアップしましょう。これにより、自社の競争環境や市場のポジションを把握し、競合他社の戦略や強みを理解することができます。
分析する競合企業の選定は、業界内の競争相手や似たようなターゲット層で10社前後の企業をピックアップします。さらに、競合企業の規模、市場シェア、製品やサービスなどの特徴を考慮して選ぶことで、より自社の比較対象となる企業に絞り込むことができます。
また、競合企業のピックアップに迷ったときは、GoogleやBingなどのインターネット検索や楽天やAmazonといったECサイトを有効利用してみましょう。一般的に、競合企業と比較したい自社の商品名を検索にかけた際に、上位に表示されるサイトが競合企業である場合が多いと言えます。
調査する項目を決める
競合企業をピックアップできた後は、どの企業を調査するのか、その項目を決めましょう。
例えば、調査に適している項目としては、以下のようなものがあります。
- 資金規模や財務状況
- 企業の歴史
- 提供されている基本的なサービス内容
- 過去の実績や成果
- ターゲット層や顧客セグメント
- 価格設定や料金体系
- キャッチコピーやブランディング戦略
- 顕在ニーズと潜在ニーズ
- 競合他社のアフターサービスやサポート体制 など
曖昧に調査する項目を設定してしまうと、目標と乖離した内容になってしまいます。競合調査の目標に合わせて、必要な項目に絞ることで、効率良く競合調査を進めることができます。
情報収集をする
次に、情報収集を行いましょう。調査方法はいくつかありますが、基本はウェブサイト上で検索していきます。
競合企業のホームページで入手できる情報のほか、競合企業名を検索した際に、上位ページになるサイトやSNS広告、また検索連動型の広告なども参考になります。
業績が気になる場合には、企業が公表している決算書に目を通すこともお勧めです。
自社の目的に応じて、さまざまなアプローチで調査を進めましょう。
実際に分析を行う
最後に、調査のために集めた内容を実際に分析します。ここまで順序を追って情報収集できていれば、あとは実行に移すのみです。
たとえば、調べた内容を分析することで、「◯◯社とは△△の部分で強みや特徴が似ているけど、toB向けか、toC向けかという違いがあるな」といったことを知ることができます。実際に分析して、現在の自社の立ち位置や、とるべきポジションを明確に把握しましょう。
とくに競合調査をするためには、フレームワークやテンプレートが有効です。
次の章で詳しく探っていきましょう。
競合調査の代表的なフレームワークとテンプレート
ここでは実際の業務で使いやすい競合調査のフレームワークとテンプレートをご紹介していきます。気になったものがあれば、ぜひダウンロードしてみましょう。
- 3C分析
- 4C分析
- 4P分析
- SWOT分析
- バリューチェーン分析
3C分析
3C分析とは、ビジネス市場や競合など、自社を取り巻く環境を理解するために使われるフレームワークです。
下記3つの視点で分析を行うため、その頭文字をとって「3C分析」と呼ばれます。
- Customer:市場・顧客(消費者)
- Competitor:競合
- Company:自社
この手法では、数ある施策の中から最も重要なものを割り出し、どこに資源を集中させれば良いか、成功の鍵となる要素(KSF)を見つけ出すことができます。事業の成功に向けたマーケティング戦略の方向性を発見しやすいでしょう。
3C分析のテンプレート

【特徴】
3C分析のテンプレートは「Ebisu(エビス)」のサイトから入手可能です。ファイル形式は、Excel/PDFになります。
3C分析では、外部要因である市場と競合、そして内部要因である自社に分けて分析できます。そのため、「何が自社の強みと弱みなのか」、また「表に出ていないニーズは何か」など、頭の中で漠然としてある思考の整理に役立ちます。
4C分析
4C分析とは、企業視点に立ったマーケティングから、顧客視点のマーケティングへの転換を図るマーケティング理論(フレームワーク)です。
下記4つの視点、全ての項目が顧客視点になっており、具体的な意味は以下の通りです。
- Customer Value:顧客価値
- 顧客にとっての利益、性能、デザイン性、ブランド価値
- Cost:価格
- 顧客が商品を購入する際にかかる手間や費用
- Convenience:利便性
- 顧客が商品やサービスを購入する際に利便性を感じる手段や決済方法
- Communication:コミュニケーション
- 対面やオンライン、商品情報の入手の容易さ、SNSやメールなどのコミュニケーションツール
社内では、商品やサービスが「素晴らしい」と評価されていても、実は顧客にとって必要のないものと感じられることもあります。顧客の視点から商品やサービスの特徴を捉えるために「4C分析」は活用されます。
4C分析のテンプレート

【特徴】
このテンプレートは、Webマーケティングメディア「ferret(フェレット)」のサイトから利用できます。テンプレートをダウンロードするためには、メールアドレスを登録するか、もしくはSNSアカウントを登録するかの2択です。
先述した3C分析では、自社視点で顧客・競合・自社のそれぞれを分析して、自社商品がどういう立ち位置にあるのか、方向性を特定するために使われます。一方、4C分析は、顧客視点で自社の販売方法の課題を浮き彫りにして改善するフレームワークになります。
4C分析のテンプレートはこちら
4P分析
4P分析とは、商品開発の際に売り手の視点から見たマーケティング施策になっています。下記4つの視点で分析を行うため、その頭文字から「4P分析」と呼ばれます。
- Product:商品
- 何を提供するのか、他社との差別化ポイントは何か
- Price:価格
- どの価格で販売するのか
- Place:流通
- どのチャネルを使って提供するのか
- Promotion:販促
- どのように商品を宣伝・販売促進するのか
4P分析のテンプレート

【特徴】
4P分析のテンプレートも、Webマーケティングメディア「ferret(フェレット)」のサイトからダウンロード可能です。アンケートに答えることで誰でも入手できます。
4P分析は、4C分析が普及する前に広く利用されていたフレームワークです。4つの項目を組み合わせる分析方法から、マーケティング・ミックスとも呼ばれており、これらの4項目は互いに作用しています。商品やサービスを販売する際、「何の商品を」「いくらで」「どの販売チャネルで」「どのようなターゲット層に」売るのかという自社のマーケティング戦略を立案するために活用できます。
4P分析のテンプレートはこちら
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析とは、競合他社や業界全体の現状と収益構造を把握し、自社の利益の伸びしろを分析するためのフレームワークです。ファイブフォース分析を構成する5つの要素は次のとおりです。
- 業界内の競合
- 新規参入業企業
- 売り手(サプライヤー)の交渉力
- 買い手(顧客)の交渉力
- 代替品の脅威
「業界内の競合」とは、競同業者の数や差別化の難易度などの要素です。同業他社の存在や競争力が高い場合、過当競争や収益性の低下リスクが高まります。
「新規参入業企業」は、新たな企業が市場に参入することで、既存企業のシェアが脅かされる可能性がある、という視点です。とくに参入の障壁が低い業界では、既存企業は市場シェアを維持するために競争力を高める必要があります。
「売り手(サプライヤー)の交渉力」とは、製品を作る際に必要な原材料などの売り手(供給業者)を指します。業界内で供給業者が少ない場合や、独占技術を持つ場合、売り手はより有利な条件で交渉できます。価格が高くても買わざるを得なくなるなど、売価や品質に影響を及ぼす可能性があります。
「買い手(顧客)の交渉力」は、自社の製品やサービスを買ってくれる買い手(顧客)を指します。提供先の相手の交渉力が強い場合、企業は低い価格で提供する必要があるため、収益性が低下する可能性があります。顧客が製品の差別化を求めたり、大規模な法人企業の場合などは交渉力が強まります。
「代替品の脅威」とは、既存の商品やサービスが、同様のニーズを満たす代替品によって市場シェアを奪われてしまうことです。例えば、IT技術の進歩によりスマートフォンがパソコンの代替品として普及した事例などがあります。
ファイブフォース分析のテンプレート
【特徴】
ファイブフォース分析のテンプレートは、マニュアル作成・ナレッジ管理ツールを提供している「NotePM」よりダウンロードできます。Markdown方式のファイルでダウンロードし利用することができます。
ファイブフォース分析の対象は、個々の企業についてではなく、業界(産業)です。この手法は、未経験だった業界への新規参入や新製品開発など、収益性を検証する場面で役立ちます。
SWOT分析
SWOT分析とは、内部環境と外部環境の良い点と悪い点を洗い出して分析する手法です。以下4要素から構成されています。
- Strength:強み
- Weakness:弱み
- Opportunity:機会
- Threat:脅威
「強み」と「弱み」は、内部要因として表され、競争上の優位点と劣位点を指します。強みを把握して競争力を高め、弱みを改善して組織力を向上させることが目的です。
一方、外部要因である「機会」と「脅威」は、自社の成長に影響を与える要素を分析します。この機会では、市場の拡大や新技術の導入など、成長を促す要因を捉えます。反対に、脅威では、市場の縮小や規制強化、経済や社会の不安、など、組織成長において不利な要素を指します。
SWOT分析のテンプレート

【特徴】
SWOT分析のテンプレートのテンプレートも、「Ebisu(エビス)」のサイトから入手可能です。ファイル形式は、ExcelまたはPDFになります。
SWOT分析を通じて、組織は自身の強みを活かし機会を追求することや、弱みを改善して脅威に対処することができます。SWOT分析は一回やったら終わりではなく、その時の環境に応じて継続的に行いましょう。そうすることで、同じ組織や同じポジションにあったとしても、組織の戦略立案や意思決定に役立つでしょう。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、企業の活動をプロセスごとに分析し、その価値と連鎖関係を把握する手法です。
以下は、バリューチェーン分析による製品が顧客の手に渡るまでに経由するプロセスです。
- ステップ1:原材料や部品の調達
- ステップ2: 製造、加工
- ステップ3:出荷配送
- ステップ4:マーケティング
- ステップ5:販売
- ステップ6:アフターサービス
バリューチェーン分析のテンプレート

【特徴】
「miro」ではバリューチェーン分析のテンプレートを簡単にダウンロードできます。「テンプレートを使用する」をクリックすれば、必要な手順に従って、バリューチェーン分析のテンプレートをカスタマイズすることができます。
バリューチェーン分析は、各プロセスがそれぞれ、どの程度の付加価値を生み出しているのかを評価し、最終的な企業活動への貢献度を測定します。この分析に基づいて事業活動を再評価すれば、企業の強みやボトルネックを明らかにできるでしょう。
まとめ
この記事では、競合調査の基本的な知識から、実施するための5つのステップまでを詳しく解説しました。さらに、競合調査の代表的なフレームワークとテンプレートも紹介しています。
競合調査は、「目標の設定」、「競合企業のピックアップ」、「調査項目を決める」、「情報収集をする」、そして最後に「適切な分析を行う」といった5つのステップを踏むことで売上向上につながります。
また、競合調査にはさまざまなフレームワークとテンプレートを活用することで、効率よく他社と比較することが可能です。競合を理解し、差別化を図るためにも、まずは競合調査テンプレートを手に入れて、市場での競争力を高めましょう。