システムエンジニア初心者やIT業界に転職したばかりの人の中には「ウォーターフォールが何かわからない」「ウォーターフォール開発とはどんなものか知りたい」このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
ウォーターフォール開発は、ソフトウェアやシステムを作る手法の一つです。大規模で複雑なシステム開発に適しており、高い品質を実現できますが、柔軟性に欠ける側面もあります。開発手法の選択はプロジェクトの性質や要件によって異なりますので、事前に検討することが重要です。
そこで本記事では、ウォーターフォール開発の概要や特徴、メリット・注意点、そして工程や流れについて解説します。また、アジャイル開発との違いについても触れていくので、ぜひ参考にしてください。
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ウォーターフォールとは
「ウォーターフォール」という用語は、ソフトウェア開発の文脈でよく出てくるものの、その意味を深く知らない人も多いでしょう。ここでは、ウォーターフォールが何を意味し、どのように機能するのか、またアジャイル開発とどのように異なるのかを、分かりやすく解説していきます。
ウォーターフォールとは有名な開発手法のひとつ
ウォーターフォールはソフトウェアやシステム開発手法の一つです。ウォーターフォール(waterfall)という言葉は、英語の「water(水)」と「fall(落ちる)」という単語から派生しています。これは、ソフトウェア開発が滝のように一方向に流れていく様子を表しており、一つの工程が完了した後に次の工程が始まる、段階的なプロセスを意味します。
ウォーターフォール開発では、初期の要件定義を終えた時点で開発の全体スケジュールが明確になります。これにより、必要な人員を確保しやすく、リソースや不足している要素も明確になります。そのため、計画に沿って進行しやすいという特徴があります。ただし、逆戻りしなければならない場合、柔軟に対応することは難しいという側面もあります。
ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違い
ウォーターフォール開発とアジャイル開発の主な違いは、その開発プロセスにあります。ウォーターフォール開発は、段階的に進行し、各工程を後戻りせずに一方向に進める手法です。一方、アジャイル開発は、小さな機能単位で素早く開発し、反復的に改善を行っていく手法です。
ウォーターフォール開発は、固定された仕様に基づき、変更が起きにくいシステム開発に適しています。一方、アジャイル開発は、柔軟性が求められ、仕様や要件がしばしば変更される可能性の高いシステム開発に適しています。これまでの開発手法は、最初に全体像を固め、設計を終えた後に開発を進める、いわゆるウォーターフォール型の手法が一般的でした。しかし、市場の要求や技術の進歩により、迅速な仕様変更が必要とされるケースが増えたため、アジャイル開発がますます浸透しています。
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ウォーターフォール開発の8工程
意味を理解したところで、次は具体的な開発の手順をみていきましょう。基本的な開発工程は、以下のような流れで進んでいきます。
| 手順 | 内容 | |
| 1 | 要件定義 | プロジェクトの目標、システムの機能、必要な予算や人員などを定義する。 |
| 2 | 外部設計 | ユーザーインターフェースやシステムの外観的な側面を設計する。 |
| 3 | 内部設計 | システムの内部構造、動作、データ管理方法など、詳細な機能設計を行う。 |
| 4 | 実装 | 定義された設計に基づき、実際のプログラムコードを書いてシステムを実装する。 |
| 5 | 単体テスト | 各モジュールや実装したプログラムが仕様に基づいて正しく動作するかを検証する。 |
| 6 | 統合テスト | 複数のモジュールを組み合わせて、システム全体が連携して正しく動作するかをテストする。 |
| 7 | 運用テスト | システムが実際の運用環境で期待通りに機能するかを検証する。 |
| 8 | リリース | テストを経て承認されたシステムを実際の運用環境に展開する。 |
ウォーターフォール開発の流れは、これらの工程に沿って体系的に進められ、各段階での完了が次のステップへ進むための前提条件となります。この工程は、計画性と透明性が求められるため、はじめにプロジェクトの仕様を固める大規模プロジェクトや、変更が少ないプロジェクトに適しています。
ウォーターフォール開発の4つのメリット
続いて、ウォーターフォール開発のメリットを4つに分けて解説します。
- 進捗が確認しやすい
- 品質を保ちやすい
- 人材育成がしやすい
- 事例が多いため応用しやすい
進捗が確認しやすい
ウォーターフォール開発のメリットの一つに、進捗が確認しやすい点が挙げられます。ウォーターフォール開発では、プロジェクトのすべての段階が事前に定義されているため、それぞれの工程に対して仕様書やタスクが設定されています。
この方法により、プロジェクトの進捗を容易に追跡でき、チーム全体で進行状況を一元的に把握できます。さらに、何か問題が発生した際には、どの段階でどのような事態が起こったのかが明確であるため、迅速に解決策を見つけ出すこともできます。
品質を保ちやすい
ウォーターフォール開発では、開発がスタートする前にスケジュールが設定され、各段階でタスクが割り当てられます。この段階的な進行により、一定水準の品質を確保できます。
大規模な変更や戻り作業が少ないという前提で進められるため、各段階を着実に完了させてから次の段階に進む必要があります。そのため、アジャイル開発と比較すると、ある程度の品質を安定して確保しやすいという特長があります。
人材育成がしやすい
ウォーターフォール開発は、新人教育や人材育成に適しています。プロジェクトが段階に分かれているため、初期段階から何をどのくらいのスケジュールで行い、どのくらいの工数がかかるのかが理解できます。そのため、新入社員や未経験者でもタスクを理解しやすく、一つ一つの工程を順番に学ぶことが可能です。
また、各段階での仕様書が整っているため、教育する側は教えやすく、学ぶ側も段階的に知識を深めていくことができます。さらに開発者の入れ替わりが発生しても、豊富なドキュメントによって引き継ぎがスムーズに行えるため、チームの継続性が保たれやすくなります。
事例が多いため応用しやすい
ウォーターフォール開発は、長年にわたって多くのプロジェクトで採用されてきた伝統的な開発手法です。この手法は、要件が明確なプロジェクトに向いており、ほとんどの業界で事例を見つけることができます。
既存の成功事例を参考にすることで、似たタイプのプロジェクトで適用しやすく、問題が発生した場合にも既知の解決策を適用することが可能です。そのため、ウォーターフォール開発は、システムエンジニア初心者やIT業界に転職したばかりの人でも理解しやすく、実践しやすい開発方法として広く利用されています。
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ウォーターフォール開発の3つの注意点
ウォーターフォール開発には多くのメリットがありますが、同時にいくつかの注意点も存在します。この章では、ウォーターフォール開発を行う際に意識すべき3つの注意点について詳しく解説します。
開発期間が長くなりやすい
ウォーターフォール開発は、開発期間が長くなりやすいため注意が必要です。プロジェクトの各段階が線形に進行するため、各工程で技術担当者・発注者などの合意が取れないと次の工程に進むことができません。
また、予期しない遅延が発生した場合は、全体の開発期間が長引く原因となります。特に、ある程度工程が進んでしまってからの変更は難しいため、小さな問題が大きな遅れにつながる可能性があります。
臨機応変に対応しにくい
ウォーターフォール開発は、臨機応変に対応しにくい点にも注意しましょう。開発プロセスの各段階が厳格に計画されているため、市場の変動や顧客のフィードバックに基づく変更が困難です。
前の工程をベースに進行するウォーターフォール開発では、問題があったフェーズだけではなく、関連するすべての工程をさかのぼって修正する必要があります。計画全体を調整すると、大幅なリソース増加につながります。
トラブルに対してのリスクが大きくなりがち
ウォーターフォール開発では、トラブルに対してのリスクも大きくなります。
例えばプロジェクトの途中で仕様変更が必要になると、事前に計画した全体的なスケジュールが狂ってしまう可能性があります。これにより、開発の遅れだけでなく、追加の費用も発生します。特に開発の後半でトラブルが起きると、修正がさらに多くなるため、プロジェクト全体のリスクが膨らみます。
ウォーターフォール開発がおすすめなプロジェクトとは
最後に、ウォーターフォール開発でおすすめのプロジェクトを紹介します。代表的なのは、主に以下の4つです。
- すでに作りたいものが決まっているケース
- 仕様変更する予定がないケース
- 品質が重要視されるケース
- 大規模なプロジェクトである場合
すでに作りたいものが決まっているケース
ウォーターフォール開発は、すでに作りたいものが決まっている場合におすすめです。要件や仕様が明確に定まっていると、柔軟性に欠けるとされるウォーターフォールの弱点があまり問題にならないからです。
さらに、要件定義や設計が順調に進むため、開発期間が長引きがちというリスクもそれほど心配する必要がありません。
仕様変更する予定がないケース
ウォーターフォール開発は、一度計画を立てたらその通りに進める必要があります。そのため、途中での仕様変更が予定されていないケースに適しています。
この手法を用いることで、開発過程で生じる可能性のある混乱やコストの増加を防ぎながら、効率的に目標に向かって作業を進めることができます。
品質が重要視されるケース
例えば、銀行のATMシステムのように、障害が許されないプロジェクトでは、ウォーターフォール開発が適しています。この開発手法では、リリースの速さを追求するよりも、多くのテスト段階を設けて製品の信頼性を高めます。
またウォーターフォール開発は、各工程の完了時に作業の質や成果物の質が精査されるため、ミスが発生しにくい手法です。これにより、クライアントの厳しい品質要求に対応することが容易です。
大規模なプロジェクトである場合
ウォーターフォール開発は、大規模なプロジェクトであるケースにもおすすめです。長期間にわたる大きな建設プロジェクトや、多くの部署が関わる会社のシステム整理のような仕事でも、要件定義や設計工程でプロダクトの最終形を考慮した上で進行と管理を行います。
そのためウォーターフォール開発は、リスクを減らして、コーディングを開始することが可能です。進捗を確認しやすく、問題が起きたときの対応も計画的に行うことができます。
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まとめ
本記事では、新規事業としてソフトウェア開発に関わる担当者やプロジェクトマネージャーに向けて、ウォーターフォール開発の基礎概念などを網羅的に解説しました。ウォーターフォール開発とは、ソフトウェア開発が一方向に流れていく様子を表しており、一つの工程が完了した後に次の工程が始まる、段階的なプロセスを意味します。
品質を保ちやすく、人材育成に優れており、事例も多く応用が効くなどのメリットがあるため大規模なプロジェクトや品質が重視されるプロジェクトに最適です。ぜひ参考にしていただければ幸いです。


