システム開発などで注目されるキーワードの中に「アジャイル(Agile)」があります。
しかし開発手法を検討することとなった非エンジニアの中には「そもそもアジャイル開発とはどういうものなのか」「どんなチームが導入すべきなのか」といった疑問を抱く方は多いのではないでしょうか?
アジャイル開発は、大きな単位でプロジェクトを区切ることなく、小さな機能単位ごとに繰り返して開発を進めていくプロセスです。そのため、不具合が発生した場合に手戻り工数を最小限に抑えることができ、仕様変更や追加にも柔軟に対応できます。
この記事では、開発手法を検討することとなった人に向けて、アジャイル開発の基礎知識を網羅しています。プロダクトの価値を最大化する新しい手法のため、ぜひ本記事を参考にして取り入れてみましょう。
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アジャイルとはソフトウェア開発の手法のひとつ
アジャイルは、システムやソフトウェア開発において主流になっている開発手法の一つです。アジャイル(Agile)とは「素早い」「機敏な」といった意味があり、ビジネスシーンでは状況の変化に素早く対応することを表す言葉として用いられています。
また、アジャイルはソフトウェア開発だけでなく、ビジネスのさまざまな分野で採用されています。特に、デジタル化の進展(DX)や会社の働き方改革、新しい事業戦略の策定など、迅速かつ効果的な判断が求められる場面でその価値を発揮します。アジャイルを導入することで、企業は変化に迅速に対応し、顧客の要望に合わせたサービスや製品を効率的に提供できるようになります。
17th State of Agile Reportの調査によると、ソフトウェア開発部門で86%やIT部門で63%、オペレーション部門で29%、マーケティング部門で17%とソフトウェア開発をはじめマーケティングや採用HR領域まで幅広い分野でアジャイルが採用されていることがわかります。

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アジャイル開発とは
アジャイル開発とは、短期間の反復サイクル(通常は数週間から数ヶ月)を基盤とし、プロジェクトを進行させる手法です。「計画→設計→実装→テスト」という開発の各段階を、小さな機能単位ごとに繰り返して開発を進めていきます。従来の開発手法に比べて開発期間が短縮できるため、アジャイル(素早い)と呼ばれています。
アジャイル開発は、小さな機能単位ごとに繰り返し開発を進めていきます。そのため開発途中の仕様変更があった場合でも対応が柔軟に行える特徴があります。そして各機能ごとに開発することで、顧客の要望との誤解や、技術的な実現可能性を含めてサイクルごとに検証できます。これにより、高い顧客満足度を実現するソフトウェアを提供できるのです。
アジャイル開発が向いているプロジェクト
それでは、どのようなプロジェクトがアジャイル開発に適しているのか見てみましょう。アジャイル開発に向いている以下3つのプロジェクトについて解説します。
- 継続的に新しい機能をリリースするもの
- ナレッジやフィードバックをもとに改善するもの
- チームで継続的に改善を続けるケース
継続的に新しい機能をリリースするもの
アジャイル開発は、新しい機能やサービスを段階的にリリースし、継続的な改善を図るプロジェクトに最適です。市場やユーザーの要求は絶えず変化するため、一度きりのリリースで完結することはほとんどありません。
1〜2ヶ月おきに新機能や更新を行うことで、プロジェクトは常に成長し、ユーザーの期待を満たすことができます。アジャイル開発は短期間でのフィードバックと改良を可能にするため、定期的に機能をリリースするプロジェクトに適しています。
実際に組織がアジャイルを採用する理由の64%が「優先順位の変更へのケイパビリティ(ここでは許容できる範囲)を増やすためと回答されていることからも、継続的に新しい機能をリリースするような常に優先順位を変更する可能性がある環境やチームでは、アジャイルが採用されることが多いことがわかります。

ナレッジやフィードバックをもとに改善するもの
ナレッジやフィードバックをもとに改善するものも、アジャイル開発に向いているプロジェクトと言えます。アジャイル開発は、初期段階で設定した目標や要件に固執することはありません。
実際の使用状況やユーザーからの意見を反映し、プロダクトを柔軟に調整していくことが求められます。この方法では、進行中のプロジェクトに新たな知見を継続的に取り入れ、改善を重ねることができるため、顧客満足度の高い製品を創出することが可能です。
チームで継続的に改善を続けるケース
アジャイル開発は、チームで継続的に改善を続けるケースにも最適です。アジャイル開発のプロジェクトが進む中で、何がうまくいったのか、何を改善できるのかを定期的に振り返り、次のステップでの取り組み方をより良くしていくためです。
このアプローチは、特に固定された「正解」がなく、進め方を柔軟に調整しながら進める必要があるプロジェクトで力を発揮します。チームメンバーが一丸となって、改善点を見つけ出し、それを次の段階へと活かしていくことで、プロジェクト全体を通じて継続的な成長と改善ができます。
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アジャイル開発の代表的な手法
この章では、アジャイル開発を行う際に、代表とされる手法を3つ紹介します。それぞれの種類に特徴はありますが、基本方針はどれも同じく「決められた短期間で機能を開発し、それを継続的に繰り返していく」という手法になります。
- スクラム
- エクストリーム・プログラミング(XP)
- カンバン
スクラム
スクラムとは、チームが一丸となって取り組むプロジェクト管理の手法です。スクラムでは、プロジェクトを「スプリント」と呼ばれる短期間のサイクルに分割します。
各スプリントごとに目標を設定し、それを達成するための作業を行います。この過程では、日々の短い会議(デイリースクラム)を通じて進捗の共有と課題の特定を行い、プロジェクトを進めていきます。この手法は、計画が頻繁に変更されるプロジェクトや、スピード感を持って製品を市場にリリースしたい場合に有効です。
エクストリーム・プログラミング(XP)
エクストリーム・プログラミング(XP)は、変化への対応力と開発者の経験を重視する開発手法です。仕様変更など、予期せぬ状況に柔軟に対応できるよう設計されており、計画よりも開発者の知識と経験を基に進めます。
特に、「ペアプログラミング」という技法が特徴的です。この技法では、2人1組でコードを書き、レビューを行います。この方法により、一人では見落としがちな問題も発見しやすくなり、コードの質を高めることができます。XPは、迅速な変更対応と高品質な成果物を求めるプロジェクトに最適です。
カンバン
カンバンは、作業の進行状況を可視化するアジャイル開発の手法の一つです。この方法では、仕事の一つひとつをカードにして、それを「やること」「進行中」「完了」といったカテゴリに分けたボードに移動させていきます。チームメンバーはこのボードを見ることで、どの作業がどの段階にあるのかを把握でき、仕事の流れをスムーズに管理することが可能です。
カンバンの大きな特徴は、進行中の作業数に上限を設ける「WIP(Work In Progress)」というルールです。これにより、チームが同時に手掛けるタスクの数を制限し、作業の過負荷を防ぎます。
アジャイル開発でよくある誤解
アジャイル開発では、その柔軟性と効率性が評価されていますが、同時に多くの誤解も存在します。ここで詳しく覚えていきましょう。
「安価かつスピーディに良いものができる」は誤解
アジャイル開発は安価で早く、良質な製品を提供する万能の方法であると思われていますが、これは誤解です。アジャイル開発の利点は、「要件が見えていないけど、少しずつ作っていくことで形にしていきたい」というものや「ITに詳しくなく、画面や動きを見ながら作っていきたい」というように、開発プロセスを通じてユーザーの要求に柔軟に対応することができる点にあります。
同じ範囲のプロジェクトを別の手法で開発した場合、アジャイル開発よりもコストや時間がかからない可能性もあります。そのためアジャイルは、必ずしも全ての状況でコストや時間の削減をして良いものが提供できるわけではないことに、注意しましょう。
「計画も資料もいらない」は誤解
アジャイル開発では計画や資料が不要だと考える人がいますが、これも誤解です。実際には、アジャイルでは日々の作業を通じて計画を定期的に更新し、必要な文書を整備しています。
この手法は、計画やドキュメントが一切不要というよりも、それらを適切に活用することを推奨しています。重要なのは、過剰な形式主義に縛られず、プロジェクトの目標達成に必要な情報を効率的に共有し、適宜計画を見直していくことです。アジャイル開発では、チームが目の前の課題に集中しつつも、全体の流れを見失わないように計画を継続的に更新していくことが求められます。
「低品質になりがち」は誤解
短い開発サイクルでは十分な品質確保が難しく、結果として品質が低下すると考える人もいますが、実際はその逆です。アジャイル開発では継続的なテストやフィードバックを通じて、品質を確保する仕組みがしっかりと備わっています。
このようなアプローチにより、問題が早期に発見され、迅速に修正されるため、低品質な成果物が生まれるリスクが軽減されます。重要なのは、不要な作業を省き、テストの効率化を図ることです。アジャイル開発はスピードがありつつ、品質を損なわずに製品を提供することが可能です。
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まとめ
本記事では、アジャイルの概念から、その適用が有効なプロジェクトのタイプ、代表的な手法、そして誤解されがちな点について網羅的に解説しました。
アジャイル開発は、「計画→設計→実装→テスト」という開発の各段階を、大きな単位でプロジェクトを区切ることなく、小さな機能単位ごとに繰り返して開発を進めていきます。そのため、不具合が発生した場合に手戻り工数を最小限に抑えることができます。 また、仕様変更や追加にも柔軟に対応できます。ぜひ、本記事でアジャイル開発の知識を身につけて、変化に強いチームを作りましょう。


