「ビジネスにおけるスクラムとは何かを知りたい」「アジャイル開発を検討しており、スクラムについても理解したい」「システム開発をする上で有効なフレームワークを調べている」
など、エンジニアや非エンジニアを問わず、プロジェクト管理を任されている人の中には効率的な開発手法を学びたいビジネスパーソンも多いでしょう。
システム開発のフレームワークとしてはアジャイルが有名ですが、具体的な手法であるスクラムについても理解を深めておくとビジネス戦略の幅が広がります。
今回は、スクラムの基本的な理解から、具体的な導入メリット、注意点などを解説していきます。
無駄を削ぎ落とした情報共有ツール【Qiita Team】
シンプルな機能だから、記事が投稿されやすい!
⇒【公式】https://teams.qiita.com にアクセスしてPDFを無料ダウンロード
スクラムはアジャイル開発の手法のひとつ
スクラムはアジャイル開発の手法のひとつであり、プロジェクト管理における有効なフレームワークとして知られています。
通常のウォーターフォール型の開発手法では、最初に詳細な要件定義を行い、長期にわたる開発フェーズを経てリリースします。しかしこのような従来の手法では、プロジェクトの途中で要件が変更された場合などに、柔軟に対応することが困難である、という課題がありました。
そこでスクラム開発では2〜4週間程度の短い「スプリント」と呼ばれる期間で開発を進めます。スプリントの最後には顧客にデモンストレーションをみせ、フィードバックを得ながら開発を進めていきます。スプリントの繰り返しにより、迅速な製品開発が可能になり、顧客満足度の向上も図れるのです。
またスクラム開発にはプロダクトオーナー(PO)、スクラムマスター(SM)、ステークホルダー、開発エンジニアといった役割が定義されており、これらの人々が密に連携しながら開発を進めていきます。日々のミーティングや振り返りを通じて、チームとしての結束力を高めることでパフォーマンスの最大化を実現させるのです。
なお、システム開発ではアジャイル開発というキーワードも良く見聞きします。厳密にいうと、アジャイル開発とは、ソフトウェア開発における「考え方」や「価値観」を示したものです。一方でスクラムは具体的な「手法」です。アジャイル開発にはスクラム以外にもさまざまな手法があります。
スクラムの3本柱
スクラムの核となるのは「透明性」「検査」「適応」の3つの柱です。
「透明性」はすべてのプロセスが明確で理解しやすい状態に保たれていることです。作業をする人と確認する人など関係者にとっては、誤解のない・ムダのない透明性が重要になります。この透明性によって、次の検査が可能になります。
「検査」は定期的に成果物やプロセスを評価することです。検査を行うことで課題や変化を即座に検知することができます。
「適応」は必要に応じてプロジェクトを調整することを指します。微調整を加えることで、顧客ニーズからのズレを防げるため、クオリティの維持・向上が可能になるのです。
これらの柱はチームが一貫して高いパフォーマンスを維持するための指針となります。
スクラムの成否を決める5つの基準
スクラムの成否を決めるのは次の5つの価値基準です。
- 確約(Commitment)
- 集中(Focus)
- 公開(Openness)
- 尊敬(Respect)
- 勇気(Courage)
スクラムを成功させるには、チームが協力し合ってお互いを支えあうことを「確約」することから始まります。スクラムチームはゴールに向けてスプリントの作業に「集中」し、作業の過程はチームとステークホルダーに「公開」することが求められます。
また、メンバー同士、専門集団としてお互いを「尊敬」し合い、開発過程では直面する課題に対して「勇気」をもって取り組むことが成功への鍵を握っているのです。
無駄を削ぎ落とした情報共有ツール「Qiita Team」
シンプル設計で、情報共有の文化を根付かせたい方に最適です!!
⇒【無料】https://teams-center.qiita.com/new にアクセスして試してみる
スクラム開発の4つのメリット
システム開発にスクラムを導入することで得られるメリットは次の4つです。
- 短時間で成果を上げやすい
- 仕様変更に対応しやすい
- 問題を早期発見しやすい
- 工数を見積りやすい
短時間で成果を上げやすい
スクラム開発は2〜4週間程度の短いスプリントサイクルで作業を進めることが特徴です。このようなスピード感のあるプロセスを実行することにより、顧客に迅速に製品を提供することができます。
また短期間で成果を出すことは、メンバーのモチベーション向上にもつながり、生産性を高めることにも寄与するでしょう。
仕様変更に対応しやすい
スクラム開発ではスプリントの終了時に顧客に成果物を見せ、フィードバックを得ます。このため要望に応えて、柔軟に仕様を変更できます。
ウォーターフォール型の開発手法と比べると、変更への対応が容易に行えるのです。柔軟な対応は品質アップによる顧客満足度の向上はもちろん、ムダな開発コストの削減も期待できるでしょう。
問題を早期発見しやすい
スクラム開発では毎日のミーティングで進捗状況を共有するなど、密に連携を取る機会が設けられています。これにより、今取り組むべきアクションの明確化が可能になるだけでなく、直面している課題を早期に発見できるのです。
問題が深刻化する前に対策を打てるので、開発プロセスをスムーズに進めることが可能になります。課題の早期発見と対応により、ムダな工数を削減できるため、コスト削減効果ものぞめます。
工数を見積りやすい
スクラム開発は短期間のスプリントを繰り返すため、開発工数の見積もりもしやすいのです。
長期のプロジェクトでは、要件の変更や課題の発生により、見積もりが大きくずれる可能性もあります。一方でスクラム開発では短期のスパンで開発を進めるため、より正確な工数見積もりが可能になります。これにより、ムダな工数の発生を抑え、効率的な開発を実現できます。
スクラム開発の3つの注意点
一方でスクラム開発には注意点やデメリットもあります。具体的には次の3つです。
- 十分なコミュニケーションが必要
- 高い技術力が必須になる
- 全体像を把握しにくい
十分なコミュニケーションが必要
スクラム開発では密な連携が不可欠です。デイリーミーティングやレビューなど、会話をする機会が多いのが特徴で、各メンバーのコミュニケーションスキルも求められます。リモートワークなどコミュニケーションの取りづらい環境下では、スクラム開発の導入が難しくなるケースもあります。
円滑なコミュニケーションが苦手なメンバーがいると、作業が滞ったり、ミスが発生する可能性も高まります。開発スキルや知識以外にも性格的な面も考慮してチーム編成を組む必要があるでしょう。
高い技術力が必須になる
スクラム開発では短いスプリントサイクルの中で成果を出すため、開発エンジニアには高い技術力が求められます。スキルの低いメンバーではスムーズな進行が難しくなる可能性があります。
そのため、スクラム開発の導入に際してはチームメンバーの技術力向上に向けた取り組みも重要になるでしょう。
全体像を把握しにくい
スクラム開発では短期的な開発スパンで作業を進めるため、プロジェクトの全体像が捉えづらくなります。短期的な成果を求めるあまり、長期的な開発計画や全体的な品質管理にまで注意を払えなくなるおそれもあります。
そのため、プロダクトオーナーやスクラムマスターがプロジェクト全体の管理を適切に行う必要があります。
無駄を削ぎ落とした情報共有ツール「Qiita Team」
シンプル設計で、情報共有の文化を根付かせたい方に最適です!!
⇒【無料】https://teams-center.qiita.com/new にアクセスして試してみる
スクラム開発の基本的なチーム構成
スクラム開発は基本的には5〜10名の少数精鋭メンバーで行います。またメンバーにはそれぞれ役割があります。具体的には次の4つです。
- プロダクトオーナー(PO)
- スクラムマスター(SM)
- ステークホルダー
- 開発エンジニア
プロダクトオーナー(PO)
プロダクトオーナー(PO)は、製品の目標や機能、作業の優先順位を決定し、開発チームをサポートする役割を担います。
製品のビジョンを明確にし、プロダクトバックログ(製品の機能や要件をまとめたリスト)を管理することが主な責務です。顧客の立場に立って製品の価値を最大化するために、開発チームとのコミュニケーションを密に取ります。
またフィードバックをもとに優先順位を入れ替え、顧客ニーズに対応した製品作りを行うために方向付けを行うことも重要な役割です。
スクラムマスター(SM)
スクラムマスター(SM)はチームの調整役を担います。開発過程でぶつかった課題や問題を取り除き、メンバーが快適に作業にのぞめるように環境を整える役割を担います。
目の前の障害を取り除くことでチームメンバーが自律的に機能するようにサポートします。チーム全体が効果的に業務を遂行できるよう、多方面から気を配りながら仕事にのぞめる人材が適しています。
ステークホルダー
ステークホルダーとは利害関係者のことで、主に資金を出すスポンサーを指します。プロダクトオーナーと協力して、プロダクトバックログを策定したり、製品の方向性を決定します。
開発現場には介入しないものの、発言権があるため、製品開発において重要な権限をもちます。
開発エンジニア
開発エンジニアは実際の開発作業を担うメンバーです。エンジニアのほかデザイナーも含まれます。自律的にタスクを進め、デイリーミーティングで進捗を共有するため、高い技術力とチームワークを発揮することが求められます。また意思疎通を円滑に行うためのコミュニケーションスキルも必須です。
開発エンジニアはそれぞれ高い技術力をもつ専門家集団です。エンジニアの間で上下関係はなく、それぞれのスキルや職域を尊重しながら作業を進めることがパフォーマンスの最大化に不可欠な姿勢といえるでしょう。
まとめ
本記事では、スクラム開発の基本的な仕組みや特徴、メリット・注意点を解説しました。スクラムはアジャイル開発の代表的な手法として、短期間で製品を作り出し、顧客のフィードバックを取り入れながら柔軟に開発できるといった特徴があります。
スクラムの成功にはチーム内の透明性・検査・適応の3要素が重要であり、さらに確約・集中・公開・尊敬・勇気の5つの価値基準を意識する必要があります。
ここで紹介したように、多くのメリットがある一方で導入の際には注意点もあります。スクラム開発の特徴を理解した上で自社の実情に合わせて導入を検討することが大事です。迅速な製品提供と顧客満足度の向上を両立できるように、スクラムの実践に取り組んでみてはいかがでしょうか。


