「『拝受』という言葉を使ったメールの例文を知りたい」「『拝受』を使ったメールをすばやく作成したい」
ビジネスメールなどで頻繁に用いられる「拝受」という表現は、日常会話で使う機会は少なく、馴染みのない方は多いのではないでしょうか?
「拝受」とは、受け取ることをへりくだっていう語です。ビジネスシーンで使うと、相手に丁寧で知的な印象を与えることができ、便利な言葉です。
本記事では、「拝受」という言葉を初めて知って使う事になった人に向けて、「拝受」のメールの例文や正しい使い方について解説します。併せて間違った使い方についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
おすすめの情報共有ツール「Qiita Team」

Qiita Team(キータチーム) は、誰でも「かんたん」に読みやすい記事が書ける、社内向け情報共有サービス。チームのコミュニケーションを活性化し、ともに成長し合える場をご提供します。登録実績6,278社!!
「拝受」の意味とは
「拝受(はいじゅ)」とは、謙譲語の一つであり、「受け取る」という意味を持ちます。拝受は「頭を下げる、おじぎをする」といった意味のある「拝む」と、「うけとる」という意味の「受」を組み合わせた言葉です。そのため「受け取ることをへりくだっていう語」となります。
一般的に拝受は、目上の人や取引先に対して敬意を示す意味が含まれているため、ビジネスメールや年賀状などを受け取ったときなどに使われます。またこの表現は、「受け取りました」という表現よりも、より丁寧でかしこまった印象を与えます。
「拝受」は誰にでも使える言葉?
拝受は、目下の相手にはふさわしくありません。この表現は敬意を示す際に使われるため、特にフォーマルな印象を持っています。
上司や取引先などと連絡をとる際に用いるのが適切です。また、部下や同僚に使用すると、逆に嫌味に受け取られる可能性があるため、注意しましょう。
「拝受」を使ったメールの例文
それでは実際に、ビジネスシーンで使える「拝受」を使ったメールの例文をみていきましょう。
「拝受しました」の例文
「拝受しました」は、相手に受け取ったことを丁寧に伝える表現です。これは、謙譲語の「拝受」と丁寧語の「しました」を組み合わせたもので、幅広いビジネスシーンで活用できます。例えば、直属の上司や取引先とのコミュニケーションにおいて、有用なフレーズです。
例えば以下のように使用します。
- いただいた商品を拝受しました。
- ご質問いただいた内容について、拝受しました。
- お送りいただいた書類を拝受し、確認作業に取り掛かります。
「取り急ぎ拝受のご連絡まで」の例文
「取り急ぎ、拝受のご連絡まで」は、ビジネスコミュニケーションにおいて、受け取った報告をしつつ、それと同時に丁寧な印象を与えたいときに便利なフレーズです。急いで受け取りを確認し、後日詳細な対応をする場合に適しています。
以下はその具体的な使用例です。
- ご質問いただいた件について、取り急ぎ拝受のご連絡を申し上げます。
- ご送付いただいたプロジェクト提案、お礼申し上げます。詳細は追って連絡させていただきます。取り急ぎ、拝受のご連絡まで。
- ご質問いただいた技術的な問題について、取り急ぎ拝受のご連絡を差し上げます。専門家の意見を伺い、速やかに対応させていただきます。
「拝受」の間違った使い方
この章では、「拝受」を使う際の誤った使い方について解説します。誤った表現は、意図せぬ誤解を招く可能性があるため、正しい使い方を把握することが大切です。
「ご拝受ください」
「拝受」は謙譲語であるため、「ご」を付けて「ご拝受」とするのは間違った使い方になります。「拝受」自体が謙譲語であり、二重敬語となります。
また「ください」は「くれる」の尊敬語となり、相手に物や行動を請求することを意味します。「ご拝受ください」という表現は、失礼になってしまうため誤った言い回しです。
「拝受していただけますか」
先述したように「拝受」は謙譲語であり、自分の動作を表現するための言葉です。そのため相手の行動に対して用いると、失礼になってしまうので「拝受していただけますか」という表現は誤りです。以下は正しい使い方の例です。
誤:「拝受していただけますか」
正:「お受け取りいただけますか」
正:「ご査収いただけますか」
「拝受」によく似た言葉
「拝受」には、いくつか意味が近い言葉が存在し、言い換えが可能です。この章では、その代表的な表現を4つ紹介します。
- 頂戴
- 拝領
- 拝見
- 査収
「頂戴しました」の意味
「頂戴しました」は、「もらう」の謙譲語で、相手から何かを受け取ったことを表す際に使います。「拝受」と同じように、謙譲語としての意味をもつため、同じようなシーンで使用できます。
ただし、「頂戴いたしました」という表現は二重敬語となり、間違った言い換えになるため、「頂戴しました」としましょう。
「頂戴しました」の例文
- お送りいただいた提案書を頂戴しました。社内で検討し、後ほど詳細な報告をさせていただきます。
- (〇〇をどうぞと言われて)有り難く、頂戴します。
- 質問を頂戴しました。回答は追って差し上げます。
「拝領しました」の意味
「拝領」は「頂戴」と同じように「拝受」によく似た言葉です。「拝」が「ものをもらう」という意味の謙譲語となり、社会的地位の高い人からものをもらう場合に使います。
ただし、同僚や取引先の担当者からものを受け取る際に使うと、やや堅苦しい印象を与える可能性があります。使用頻度の高い言葉ではありませんが、「拝受」の言い換え表現として、使い分けられるようになりましょう。
「拝領しました」の例文
- 表彰式において、社長より記念品を拝領しました。
- 取引先の経営陣から年賀状を拝領しました。
「拝見しました」の意味
「拝見」は「見る」という意味の謙譲語です。この表現は「拝受」と同じく謙譲語ですが、用途が異なります。「拝受」は物や情報を受け取る際に使用されますが、「拝見」は物を見る際に使用されます。言葉の微妙な違いに注意が必要です。
例えば「メールを拝受しました」とすると、単にメールを受け取ったことを伝える意味になります。一方、相手からメールを受け取ったときに「メールを拝見しました」と返信すれば、メールを読んだことが伝わります。
「拝見しました」の例文
- いただいたレポートを拝見しました。詳細については後日ご連絡いたします。
- ご提案いただいた案件について、資料を拝見しました。有益な情報をありがとうございます。
「査収しました」の意味
「査収」も「拝受」によく似た言葉の一つとされています。「査収」は提供された資料や情報の中身をよく確認し、受け取るという意味を持ちます。
一般的に、ビジネスメールや報告書など、相手に確認と感謝の意を示す際に使用されます。相手から「よろしくご査収ください」という表現が届いた場合、適切な返信として「査収しました」と返信するようにしましょう。提供された情報が適切に受け取れていることを示すことができます。また「査収」に「ご」を付け加えることで、より丁寧な言い回しになります。
「査収しました」の例文
- お忙しいところ恐縮ですが、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
- 本メールにて、お見積書を添付致しますのでご査収ください。
- 請求書を郵送にてお送りいたしましたので、お手元に届き次第、ご査収のほどよろしくお願いいたします。
まとめ
「拝受しました」というフレーズは、ビジネスメールや公式な場での依頼や指示をする際に、丁寧に伝えることができる表現です。
本記事では、「拝受」という言葉を初めて知って使う事になった人に向けて、「拝受」のメールの例文や正しい使い方について解説しました。併せて、間違った使い方についても、その特徴をご紹介しました。
本記事を通じて、拝受という言葉の意味を知り、重要な取引先や目上の人に対して自然と使えるようになりましょう。