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業務の属人化とは?5つの問題点と解消する対策5選についても解説

「業務の属人化を解消する方法を知りたい」

「業務の属人化を解消して業務効率化を図りたい」

特定の人しか把握していない業務で苦労をしたことはあるのではないでしょうか?

業務の属人化は、多くの組織が直面している深刻な課題です。特定の個人に業務が依存し、その人が不在の場合や退職した場合には業務の停滞や品質の低下が起こります。このような問題を解消するために、業務の属人化を取り除き、効率化を図る方法が求められています。

本記事では、業務の属人化とは何か、属人化が引き起こす問題点について詳しく解説し、さらに解消するための対策もご紹介します。

この記事を読めば、社内の業務の属人化を解消する方法を網羅して、自社に取り入れられるようになるので、ぜひご覧ください。

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業務の属人化とは?

業務の属人化とは、特定の社員や個人しか業務の進捗や進め方について把握できていない状態を指します。

業務が一部の人に依存してしまうと、その人が退職や休暇を取った場合に業務の停滞や遅延が生じ、生産性や効率性が低下する恐れがあります。また、知識やスキルが特定の個人に集中すると、その個人の意見や判断に頼ることになります。その結果、組織全体の創造性やイノベーションが制限される可能性もあるのです。

しかし業務の属人化は、否定的なイメージを持たれる一方で、実はいくつかの利点も存在します。具体例としては、個人で業務に対応できることは、その人に「信頼性」や「属人化の解消ができない分野に強い」という側面です。

とはいえ、業務の属人化は、企業が大きな損失を受ける可能性があるのも事実です。そのため、業務の分散化と共有化を目指し、個人に依存せずに組織全体で管理できるよう、業務の属人化の対策を行うことが重要です。

次の章では、属人化が起こる原因について探っていきましょう。

属人化が起こる4つの原因

属人化が起こる原因はいくつかあります。

ここでは、属人化が起こる原因を4つに絞って解説します。

  • 個人の専門知識やスキルに依存する
  • 教育をする時間がない
  • 専門性を守りたい
  • 経験を作るのに時間が必要

個人の専門知識やスキルに依存する

​​属人化が起こる原因は、個人の専門知識やスキルに依存することにあります。なぜなら、マニュアル化が困難な業務では、一部の人にその能力が依存する傾向にあるからです。

具体例として、一つの仕事で特定の個人が長年にわたって培った知識や技術を持っている場合を考えてみましょう。その仕事が個人に依存していると、退職や予期せぬ事態で不在になった場合、業務の属人化が発生します。しかし、個人の専門知識やスキルに依存しない場合は、複数人が同じ業務を実行できるため、属人化のリスクを軽減することができます。

特に、芸術家のようなクリエイティブな仕事や研究者のような専門的な分野において、属人化が起こりやすいです。属人化が起こる原因は、マニュアル化が難しい業務に起こることを理解しましょう。

教育をする時間がない

属人化が進む原因には、教育をする時間が不足していることも挙げられます。多忙な状況では、業務の効率化やタスクをこなすことが優先されるため、他の社員への教育やスキル共有に割ける時間が限られてしまいます。

例えば、プロジェクトの締め切りが迫っていたり、急な業務増加があったりする際は、自身の業務のみに追われる恐れがあります。その結果、他の社員にスキルや専門知識を伝える時間を確保することが難しくなります。教育をする時間が確保できない場合、属人化する原因となるため、注意しましょう。

専門性を守りたい

属人化が起こる原因は、専門性を守りたいためにスキルや知識を共有しようとしない、といった場合もあります。特定のスキルや専門知識を持っている人にとって、その専門性は競争力や利益をもたらすことが多く、周囲にその知識を共有しようとしなくなってしまう傾向があるのです。

特別なスキルや知識は、他の人に教えることで、その知識が広まり、他の人も同様の業務を遂行できるようになります。しかし、限られた人だけができる業務は、特権的な立場になることもあります。業務の属人化は、専門性を守る一方で、チーム全体の成長や効率性を犠牲にしてしまう原因になるため、バランスを取ることが重要です。

経験を作るのに時間が必要

経験を作るのに時間が必要な点も、属人化が起こる原因となります。一部の業務や職種は、熟練度を高めるために多くの時間と努力が必要です。

例えば、職人の技や芸術的な表現などは、長期間の修行や実践を経て初めて習得できるものです。高い品質や専門性には、長い経験や知識が必要とされるため、属人化が進む要因になります。

業務の属人化が起こる5つの問題点

この章では属人化が引き起こす問題について解説します。

業務の属人化は、主に以下5つの問題点が挙げられます。

  • 特定の個人への依存度が高くなってしまう
  • ナレッジが蓄積されない
  • 生産性が低下する
  • 業務の品質が不安定になる
  • 特定の個人の長時間労働の原因になる

特定の個人への依存度が高くなってしまう

業務の属人化が進むと、特定の個人への依存度が高まります。個人の急病や退職などの予期せぬ出来事は、業務が立ち行かなくなる可能性があります。

例えば、プロジェクトに関する重要な知識やネットワークを保持している人物が、急病にかかった場合、同じレベルの知識やスキルを持っていないために円滑な業務遂行が難しくなる可能性があります。

業務の属人化は特定の個人への依存度を高め、組織やチームにとって大きな問題になる恐れがあることを理解しておきましょう。

ナレッジが蓄積されない

業務の属人化が起こると、ナレッジ(知識や経験)の蓄積が困難になります。特定の個人が業務の主導権を握り、その個人にしか知識やスキルがない場合、その業務に関するナレッジは個人に限定されます。

他の社員がその業務を理解し、同じ品質や効率で遂行するためには、経験やノウハウを共有する必要があります。しかし属人化された業務は、特定の個人が情報やノウハウを保持しているため、他のメンバーがその業務に関する理解を深めることが困難です。結果として、組織全体の成長やナレッジの蓄積が失われる問題となります。

生産性が低下する

業務の属人化が進むと、生産性が低下します。属人化は、その業務に精通している社員一人に全ての責任が集中し、他の社員はその業務に関与することができなくなります。

また、新たなメンバーが参加したり、従業員の状況が変わったりした場合も同様です。業務が属人化されてしまうと、「○○のタスクは誰が担当か分からない」と、他のメンバーがその業務に適応するまでの時間や労力が増えます。その結果、生産性の低下を招く可能性があるのです。

業務の品質が不安定になる

業務の属人化は、業務の品質が不安定になるという問題があります。特定の人物によって行われる業務は、他の人が同じ品質を再現することが難しい場合があります。このような状況では、サービスや製品の供給や提供が不安定になるだけでなく、顧客満足度や信頼性の低下につながる恐れもあります。

特定の個人の長時間労働の原因になる

業務の属人化が起こる問題点の中には、特定の個人の長時間労働の原因になる点が挙げられます。

例えば、日本経済団体連合会の2017 年労働時間等実態調査「(1)長時間労働につながりやすい職場慣行」によると、「業務の属人化」が最多で1位となり、もっとも多い結果となりました。

出典:2017年労働時間等実態調査|日本経済団体連合会

これらの慣行がある職場では、特定の人物に業務が集中し、業務の属人化が進んでいることが多く、一部の個人に大きな負担がかかる傾向があります。また、特定の人物に業務が集中してしまうと、その人物が休暇や病気で不在の際に問題が発生する可能性が高まります。このような状況では、他の社員がその業務を補完するために追加の労働時間を必要とします。結果として、特定の個人が長時間働かざるを得なくなるのです。

属人化には良い面もある

業務の属人化にはリスクもありますが、その一方で良い面もあります。

この章では、属人化の良い面としてあげられる「信頼感が高い」点と、「属人化解消ができない分野に強い」点について解説します。

信頼感が高い

​業務の属人化には、特定の人物への信頼感が高まるという利点があります。特定の個人が業務に精通していることで、その人物に対する信頼が生まれます。

また、特定の人物に業務が集中していることで、意思決定が迅速に行われることもあります。その人物が経験と知識を持っているため、状況に応じた迅速な判断が可能となります。結果として、組織の効率性や成果が高まるのです。

属人化解消ができない分野に強い

属人化の良い面の中には、属人化解消ができない分野に強いことも挙げられます。なぜなら、一部の分野では、業務の属人化が避けられない場合があるからです。

例えば、接客や営業、クリエイティブなどについては、ナレッジや情報を共有しても、個人の能力やスキルによる要素が大きく影響します。これらの業務では、人間らしい対応や創造性が求められ、単純なマニュアル化やルール化だけでは完全に置き換えることができないのです。

ただし、これらの分野においても、育成やトレーニングの効率的な実施も重要です。情報の共有に加えて、個人のスキルや特性を引き出し、発展させることが欠かせません。

属人化を解消する対策5選

最後に、この章では属人化を解消するための対策を以下5つに絞ってご紹介します。

  • 業務のマニュアルを作成する
  • 業務をできるだけ仕組化する
  • コミュニケーションを強化する
  • 教育やトレーニングに力を入れる
  • 業務内容を分散する

業務が属人化してしまって悩んでいる社員にとって、属人化の防止は重要な要素です。この章で社内業務の属人化を解消する方法を網羅し、自社に取り入れるための参考にしてください。

業務のマニュアルを作成する

業務のマニュアル作成は、属人化を解消するための重要な一手です。マニュアルには具体的な手順や作業フロー、重要なポイントなどを詳細に記載できます。マニュアルがあることで、初めて業務に携わる人や、長期休暇明けの社員であってもスムーズに業務にあたることができるのです。

またマニュアルは、新入社員や他のメンバーが業務を始める前に役立つだけでなく、誤解や混乱を防ぐ効果もあります。さらに、マニュアルは組織の知識の蓄積となり、情報共有や継承を促進します。

ただし、業務マニュアルを作成する際は、常に最新の状態を維持しましょう。定期的な更新と改訂を行うことで属人化を解消し、効率よく業務を行えるようになります。

業務をできるだけ仕組化する

業務の属人化を防ぐためには、業務をできるだけ仕組化することも含まれます。仕組化とは、業務プロセスを明確に定義し、自動化や効率化を図ることです。

業務を仕組化しない場合、特定の業務が個人の専門知識やスキルに依存し、他の人が同じ結果を出すことが難しくなります。しかし、仕組み化によりチーム全体が同じルールに基づいて作業できるようになります。また仕組化は、一つ一つの業務の依存度が低下し、メンバーの負荷軽減や柔軟な人員配置も可能です。属人化を解消するためには、業務をできるだけ仕組化するよう心がけましょう。

コミュニケーションを強化する

コミュニケーションの強化は、属人化を解消するための重要なステップです。社内で情報や知識を共有することで、業務の依存度を下げ、全体の生産性を向上させることができます。

例えば、定期的なミーティングを開催したり、チャットツールなどを活用してコミュニケーションを強化すると良いでしょう。これにより、メンバー間のコミュニケーションが促進され、情報共有の機会が増えます。コミュニケーションの強化は、業務の透明性を高めることにつながり、属人化を解消するための対策になるのです。

教育やトレーニングに力を入れる

属人化を解消する対策には、教育やトレーニングに力を入れることも重要です。従業員が必要なスキルや知識を持っていることは、チーム全体のスキルを均衡させることにつながります。

例えば、教育やトレーニングを怠ると、従業員間のスキルの差が広がり、仕事の効率や品質に影響を及ぼす可能性があります。しかし、力を入れることで、全ての従業員が必要なスキルを身につけることができ、業務品質のばらつきを押さえることができます。

また定期的なトレーニングや学習の機会を提供することで、従業員のモチベーションや成長意欲も高まります。結果として、組織全体でのスキルの均一化や生産性の向上につながるのです。属人化を解消するために、教育やトレーニングの対策は欠かさないようにしましょう。

業務内容を分散する

業務の属人化の対策として、業務内容を分散することも重要です。一部の社員が特定の業務に依存しすぎると、その社員が不在の場合や離職した場合に業務の停滞や情報の断絶が起こります。

しかし、一人の社員に集中させるのではなく、複数の人が関わるようにすることで、リスクを分散し、業務の継続性を確保します。また複数の人が関与することで、新しいアイデアや視点の多様化も生まれ、業務の質の向上にもつながります。業務の属人化だけでなく、社員の過度な負荷を防ぐためにも、業務内容を分散しましょう。

まとめ

この記事では、業務の属人化の基本的な知識について解説しました。また、属人化によって引き起こされる問題点や解消するための対策なども網羅的に紹介しました。

業務の属人化は特定の個人への依存度を高め、ナレッジの蓄積や生産性の低下、業務品質の不安定化、特定の個人の長時間労働の原因になります。しかし、属人化には信頼感の向上や特定の分野での強みも存在します。

社内の業務が属人化していることに悩んでいる人は、この記事を参考にして、社内の業務の属人化を解消し、自社に取り入れられるように社内環境を整えていきましょう。