「リーダーになってはじめてプロジェクト管理をするが方法が分からない」「業務効率化のためにテンプレートを使用したい」
など、プロジェクト管理に関する悩みを抱えている管理職は多いでしょう。
プロジェクト管理を怠ると、納期の遅れや品質の低下につながるおそれがあります。そのため担当者はヒト・モノ・カネ・スケジュールなどを適切に管理することが求められているのです。
そこで今回は管理職やリーダーに向けて、プロジェクト管理の概要、代表的な5つの手法、13種のテンプレートを紹介していきます。
プロジェクト管理とは
プロジェクト管理とは、ヒト・モノ・カネなどのリソースを適切に管理してプロジェクトを成功に導くための業務です。主にプロジェクトリーダーが担う重要な仕事です。
プロジェクト管理では各メンバーのタスク管理も行い、フェーズごと、タスクごとの進捗管理も行います。
プロジェクト管理はエクセルやスプレッドシートなどを使うケースや専用のITツールを使用するケースなどがあります。
以下に、プロジェクト管理の必要性についても紹介していきましょう。
プロジェクト管理の必要性
プロジェクト管理は利益を最大化するためにも必要不可欠です。
プロジェクト管理を徹底することで、人材配置の最適化が可能になり、ITシステムやツールなどの資産の有効活用も可能になります。ムダな人員、ムダなモノ、ムダな工程などを管理・改善することでコスト削減が可能になるので、予算内でプロジェクトを完了できるというわけです。
また利益だけでなく品質にも影響を与えます。マイルストーンごとに進捗やクオリティを管理することで、期日内の納品が可能になり、品質の維持にもつながるのです。管理が徹底していれば、問題が発生してもすぐに対応できるので、プロジェクト管理の遅延や失敗を回避しやすくなるのです。
プロジェクト管理をしない場合に陥りやすいこと
プロジェクト管理を怠ると、プロジェクトが赤字に陥ったり、顧客からの信用が低下するリスクがあります。
プロジェクト管理に失敗すると、当初予定よりもスケジュールが延び、納期が遅れます。そうなると、人件費が増えて全体のコストが増加して利益が減少します。また、別のプロジェクトのスタートが遅れることになるので、機会損失の原因にもなり得ます。
さらに、納期が遅れるとクライアントの心証が悪くなるため、今後の取引にも悪影響を与えるでしょう。納期に間に合わせるためにムリをしてプロジェクトを進行すると、品質に問題が出る可能性があります。低品質な商品・サービスを納品すると、顧客の満足度が低下します。
プロジェクト管理に有効な5つの手法
プロジェクト管理に有効な手法は次の5つです。
- ガントチャート
- WBS
- マイルストーン
- カンバン
- マインドマップ
ガントチャート
ガントチャートは、プロジェクトの進捗を時系列で可視化する手法です。
縦軸にタスク名・担当者・開始日・完了日などを記載し、横軸には日にちを入れます。各タスクから横方向に棒グラフが延びており、進捗や完了状況などが一目瞭然で分かります。
各メンバーの作業状況や各タスクの進捗を俯瞰的に確認できるので、遅れが発生している場合にはすぐに発見できます。担当者の変更やタスク開始日・完了日の変更などが柔軟にできる点などもメリットです。
ただし、タスクごとの優先順位をつけられない点やプロジェクト全体に大幅な修正が入った場合に対応しづらいという点はデメリットといえます。
WBS
WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)は、カテゴリーごとにタスクを分解・細分化し、ツリー構造にまとめる手法です。
タスクを細かく洗い出していく作業のため、作業の抜け漏れ防止に効果的です。また、カテゴリごとにピックアップするので、作業同士の関連性を把握するのにも役立ちます。
一方で、ツリー構造にまとめるまでに時間がかかるのが難点といえるでしょう。また細分化しすぎると管理に手間がかかり、大雑把すぎると適切に管理できないというデメリットもあります。洗い出しの粒度が管理者の能力に依存しすぎる点も注意点といえます。
マイルストーン
マイルストーンとはプロジェクトにおける重要な目標や厳守すべき期日などの中間点や節目を意味します。マイルストーンを打つことで、進捗評価の基準にできます。
通常、マイルストーンはプロジェクト全体のポイントになる日にちや、重要なタスクの完了日などを設定します。マイルストーンとなる日にちに遅延が出ている場合、プロジェクト全体に大きなインパクトを与えるリスクがあるということです。
そのため管理者やメンバーは特にマイルストーンを意識して、日々の業務やマネジメントに臨む必要があるでしょう。
カンバン
カンバンとはタスクをボード上で視覚化して管理する手法です。例えば、「未着手」「作業中」「完了」の3つのカテゴリをつくり、ステータスごとに「未着手」→「作業中」→「完了」にタスクを移動させれば進捗管理が簡単にできます。
他の人の作業状況も一目瞭然なので、手の空いている人が多忙な人をサポートしやすくなるメリットがあります。一方で、各タスクにかかる時間や優先順位付けがしづらいデメリットがある点には注意しましょう。
マインドマップ
マインドマップとは中心にテーマを置き、そこからアイデアを分岐させる思考ツールです。頭の中にある考えを整理するときに使われるものです。
プロジェクト管理にマインドマップを使う際には、まずタスクを洗い出し、それぞれに担当者を振ります。関連するタスクを分岐させることで、作業の抜け漏れも防げます。
各タスクは簡単に移動できるので、プロジェクトの微修正を加えるときにも使い勝手が良い手法といえるでしょう。全体を俯瞰で見る際にも使いやすい手法なので、チームでの情報共有にも効果的です。
ただし、工数や優先順位は把握しづらいでしょう。また思考を深めたり可視化するのには役立ちますが、タスクを細分化しすぎると管理が手間になるリスクがあります。この点はWBSと似ているともいえるでしょう。
プロジェクト管理のテンプレート13選
ここでは「ガントチャート」「WBS」「マイルストーン」「カンバン」「マインドマップ」の5つの手法別に、プロジェクト管理のテンプレートを13個紹介します。
- Microsoft365
- bizroute
- ビズ研
- smartsheet
- bizroute
- 業務効率化ガイド
- Microsoft365
- 業務効率化ガイド
- miro
- Lucid
- wondershare
- Lucidchart
- MindMeister
ガントチャートのテンプレート
ガントチャートのテンプレートは次の3つを紹介します。
- Microsoft365
- bizroute
- ビズ研
Microsoft365

【特徴】
MicrosoftのサイトからはガントチャートのExcel用テンプレートが入手できます。用途別にさまざまなテンプレートが用意されています。一例を挙げると次の通りです。
- 日付管理ガントチャート
- アジャイルガントチャート
- シンプルガントチャート
- プロジェクト計画シート
Microsoft365を利用していれば無料で利用でき、それぞれのExcelファイルをもとに自社の仕様に自在にカスタマイズ可能です。
bizroute

【特徴】
bizrouteでは「Excelガントチャート テンプレート11種 | 登録なし・無料ダウンロード」で11のテンプレートを紹介しています。
- シンプル
- 時間単位
- 24時間表示
- 年間(月単位)
- 1週間
- 3ヵ月間
- A5タイプ
など、利用しやすい仕様を選んでダウンロード可能です。同サイトでは11種以外にもさまざまなテンプレートを提供しています。ダウンロードしたファイルを自分の使いやすいように編集して使うのが良いでしょう。
ビズ研

【特徴】
ビジネステンプレートサイト「ビズ研」では、以下2つのテンプレートを紹介しています。
- 半自動型(自動バーチャート・休日祝日計算)
- シンプル型
タスク内容と担当者欄のほかには、工数・開始日・完了日があります。このうち、工数と開始日を入力すると、完了日が自動的に反映されます。また休日・祝日の色分けも自動で処理されるので、管理表の作成時間を短縮できるでしょう。
シンプル型は、タスク・担当者・工数・開始日・完了日・進捗・状況などの欄があります。必要に応じて、カスタマイズするタイプのテンプレートです。
WBSのテンプレート
次にWBSのテンプレートを3つ紹介します。取り上げるサイトは次の3サイトです。
- smartsheet
- bizroute
- 業務効率化ガイド
smartsheet

【特徴】
ワークマネジメントのアプリを提供するsmartsheetのサイトでは次の2つのテンプレートを提供しています。
- ガントチャートと WBS テンプレート
- WBS ダイアグラム テンプレート
2つともExcel形式です。前者はガントチャートとWBSを併用することで、タスクの洗い出しと進捗を視覚的に管理できます。後者のテンプレートはボックスと行で構成されており、タスクを階層化することでやるべき作業が直感的に理解できる仕様となっています。
bizroute

【特徴】
bizrouteの「WBSテンプレート無料ダウンロード | サンプルあり」では、シンプルなWBSテンプレートとガントチャートとの併用型のテンプレート(ともにExcel)を紹介しています。
シンプル型のテンプレートでは、「工程」「作業名」「予定」「実績」「工数」「進捗」などの項目があります。
併用型のほうは、左側にWBSが配置され右側にガントチャートがあります。2ヵ月分のスケジュールに対応しているタイプです。開始日を入力することで、自動的に完了日や曜日が入る仕様となっています。
業務効率化ガイド

【特徴】
業務効率化ガイドの「【テンプレート付】WBSとは?タスク管理やガントチャートとの違いも解説」では、Excelのテンプレートを1点紹介しています。
リンクを踏むことでビズ研のサイトに遷移するので、そこからテンプレートを入手しましょう。
マイルストーンのテンプレート
マイルストーンのテンプレートは次の2サイトからダウンロードできます。
- Microsoft365
- 業務効率化ガイド
Microsoft365

【特徴】
Microsoft365からはマイルストーンのテンプレートも入手できます。
例えば、「マイルストーン付きプロジェクト タイムライン」「マイルストーンとタスク プロジェクトのタイムライン」などのExcelテンプレートは、プロジェクト管理に最適です。
Microsoft365にはほかにもたくさんのテンプレートがあるので、使いやすいものをダウンロード後にカスタマイズして使用しましょう。
業務効率化ガイド

【特徴】
業務効率化ガイド「【最新版】マイルストーンを管理できるテンプレート8選を紹介!」では8つのテンプレートを入手できます。
用途別に、「タスク管理」「プロジェクト管理」「ガントチャート」「製品ロードマップ」など多彩なテンプレートがあります。形式も、Word、Excel、PowerPointの3種に対応しています。
カンバンのテンプレート
カンバンのテンプレートは次の2つのサイトからダウンロードできます。
- miro
- Lucid
miro

【特徴】
仮想ホワイトボードのサービスを提供するmiroではカンバンのテンプレートを利用可能です。このテンプレートはmiroで使用するものです。
ToDo リストテンプレート、プロダクションワークフローテンプレート、プロダクトバックログテンプレートなど計9種が準備されています。
なお、miroはフリープランもあるので、まずは無料で体験利用して使い勝手を確認するのも良いでしょう。
Lucid

【特徴】
ビジュアルコラボレーションのアプリを提供しているLucidではテンプレートを使うことで、すぐにタスク管理が行えます。
用途に応じてコンテンツの追加も可能なので、使いやすいようにカスタマイズして利用しましょう。
マインドマップ
最後にマインドマップのテンプレートを3つ紹介します。紹介するサイトは次の3つです。
- wondershare
- Lucidchart
- MindMeister
wondershare

【特徴】
wondershareの無料ソフトEdrawMind(旧名:MindMaster)ではWord、PowerPoint、PDF形式のテンプレートを提供しています。色・テーマ・効果など、自分の好みのあうテンプレートを入手できます。
プロジェクト管理だけでなく、事業計画の骨子作成やアイデア出しなど、ビジネスのあらゆるシーンで使いやすいツールといえます。
Lucidchart

【特徴】
フローチャート作成や作図に使えるLucidchartでは、シンプルなテンプレートの他に、次のようなテンプレートを入手可能です。
- アイデンティティマインドマップテンプレート
- ブレインストーミングマインドマップテンプレート
- バブルマインドマップテンプレート
- 食品マインドマップテンプレート
- 写真マインドマップテンプレート
- 心理学マインドマップテンプレート
- 音楽マインドマップテンプレート
- 化学マインドマップテンプレート
- アートマインドマップテンプレート
マインドマップの利用に慣れていなくても、テンプレートをダウンロードすればすぐに使いこなせるでしょう。
MindMeister

【特徴】
MindMeisterのサイトからはビジネス・教育・プロジェクト管理・ブレストなど、用途に応じたテンプレートがダウンロードできます。
プロジェクト管理のテンプレートではロードマップを可視化して、時間・コスト・リソースを最適化するのに役立ちます。
他にもマーケティング戦略立案などで効果を発揮するテンプレートもあるので、活用の幅が広いツールといえるでしょう。
まとめ
今回はプロジェクト管理の概要と5つの効果的な手法の解説に加え、具体的な13種のテンプレートを紹介しました。
適切なプロジェクト管理ができれば、プロジェクトの成功につながります。逆に管理を怠ると、プロジェクト全体の利益の減少や取引先との関係性にも影響が出てきます。
大きなプロジェクトになるほどヒト・モノ・カネ・スケジュールの管理が難しくなります。そのため自社に適した管理手法と管理ツールを適切に選ぶ必要が出てくるのです。また、小さなプロジェクトでも人やスケジュールの管理に力を抜くことはできません。一つの商品・サービスの納期が遅れることで、他の部署や他の仕事にも影響範囲が及ぶ可能性があります。
プロジェクト管理を推進するリーダーは、ここで紹介した手法やテンプレートを活用して、効率的な管理手法を見つけましょう。