株式会社NTTビジネスソリューションズさまには、2022年4月から本格的にQiita Teamをご利用いただいております。今回は実際にどういった目的でQiita Teamを導入し、どのような効果があったのか。また独自の投稿企画や、Qiita Teamと連動した部門内イベントについてお話をお伺いしました。
おすすめの情報共有ツール「Qiita Team」

Qiita Team(キータチーム) は、誰でも「かんたん」に読みやすい記事が書ける、社内向け情報共有サービス。チームのコミュニケーションを活性化し、ともに成長し合える場をご提供します。登録実績6,278社!!
今回インタビューに答えていただいた皆さま

- バリューデザイン部 システム開発部門
アプリケーション開発担当(大阪拠点)
- バリューデザイン部システム開発部門
アプリケーション開発担当(大阪拠点)
- バリューデザイン部 システム開発部門
アプリケーション開発担当(名古屋拠点)

――はじめに、NTTビジネスソリューションズのバリューデザイン部がどのような仕事をされているか教えてください
筒井 薫平(以下、筒井):NTT西日本グループは「Smart10x」という、地域のスマート化に向けた多様なICTソリューションを提供していますが、バリューデザイン部はその「Smart10x」にかかわる新サービスを幅広く開発する部署です。
我々はその中でもシステム開発部門というところに所属しており、主に新サービスのシステム開発を担当しています。現在の規模はだいたい240名くらいです。
ーーありがとうございます。幅広いサービスを開発されているそうですが、拠点は複数あるのでしょうか?
筒井:はい。複数の拠点があります。私は大阪の京橋にいますが、他にも大阪の本町、東京、名古屋、広島にも拠点があります。
薮内 剛志(以下、薮内):私は普段、名古屋の拠点で仕事をしています。
平田 賀一(以下、平田):私は大阪の京橋の拠点に所属していますが、普段はほとんどリモートワークです。今日はこの取材のために1ヶ月半ぶりに出社しました。
ーー今日はわざわざありがとうございます。
ーー普段はどういう方法でコミュニケーションをとっているのでしょうか?
平田:プロジェクトにもよりますが、現在はMicrosoft Teamsと、私たちがサービスの開発・運営をしている『elgana(エルガナ)』というビジネスチャットツールを主に利用しています。あとは電子メールでやりとりをすることもあります。それぞれのツールの特徴を活かし、使い分けながらコミュニケーションをとっていて、反面、電話でのやりとりはだいぶ少なくなりましたね。
筒井:電話からITツールに移行するにあたり、例えば、チャットだと、困ったことがある時は特定の人にピンポイントで連絡するしかなかったり、そもそも誰が何の技術に詳しいのかわからなかったりといった課題がありました。
平田:かといって、チャットやメールを使って、全員宛てに質問するのはハードルが高いということもありました。
ーーコロナ前とコロナ後でコミュニケーションの取り方が大きく変わりましたか?
筒井:大きく変わりましたね。
平田:コロナ前までは出社での勤務が中心だったので、みんなそれぞれの拠点に出社して、顔を合わせてコミュニケーションをとっていました。
ですが、コロナがはじまって一斉にリモートワークになり、初めは社内コミュニケーションのツールも整備されていなかったので、同じ拠点の社員同士でも連絡がなかなか取りづらい状況でした。
ーーまず、リモートワークへの切り替えがあって、その後でいろいろ整備していった感じだったのですね。なかなかベンチャー感がありますね。
平田:はい。開発用端末は、もともとVPNを繋いでリモート環境でも操作できるようにはしていたのですが、コロナ環境下になってすぐはライセンス数の関係で同時に繋げる人数が社員数と比べてぐっと少なかったので、朝早い人と夜遅い人のように作業の時間帯を分け、ズラして繋ぐ、なんてこともしていました。
薮内:当時はだいぶ混乱していましたね。(笑)
ーー現在もリモートワークは続いているのでしょうか。
薮内:そうですね。現在も7割程度はリモートワークで働いています。
筒井:会社としては「Work from Anywhere」を掲げていて、事務所で働くことが好きなら出社してもいいし、家で働くのが好きなならリモートで働いてもいいし、シェアオフィスで働いたりする人もいるので働き方についてはかなり自由な環境になっています。
複数の拠点を横断した情報共有のために導入

ーーどのような目的でQiita Teamを導入したのでしょうか?
筒井:色々な場所に拠点がある中で、拠点ごとにエンジニアの持つ情報が閉じてしまっていたり、そもそも拠点間で情報交換をする機会自体が少ないという課題を感じていたことが導入を検討したきっかけです。
例えば、私の所属するチームでは、エンジニア達が使う開発環境を構築していますが、構築するにはNTTグループのセキュリティ基準に準拠する必要があります。NTTグループ独自の制限がある場合もあるので、その環境下で何かを検証しようと思っても、思わぬトラブルが発生します。思わぬトラブルといってもみんなが同じ問題にぶつかるので、各拠点から似たような問い合わせが何度も来るようなことがありました。
そういった課題を解決するために、拠点を横断して、情報が共有されるようになるといいなと考えていました。
――Qiita Teamを選ばれる際、他のツールと比較検討しましたか?
筒井:はい。Qiita Team以外にも情報共有ツールのOSSのクラウド版など、いくつか検討しました。
ただエンジニアの方が利用することを想定していたので、すでに世の中のエンジニアのコミュニティとして使われているQiitaであれば、シンプルなUIで使いやすく、弊社のエンジニアの方々とも親和性が高いのではないかと思いました。
薮内:私はプライベートでもQiitaのアカウントを持っているので、最初にQiita Teamを導入すると聞いた時、特に違和感を感じませんでした。
平田:私もプライベートでQiitaを使っていて、記事を書いていたりもするので、それを導入してもらえるのはとっつきやすくていいなというのが最初の所感でした。
導入初期フェーズの記事投稿促進のための旗振り

ーー最初はどのようにQiita Teamを使い始めたのでしょうか?
筒井:最初は私の所属している事業推進グループで無料トライアルを実施しましたが、事業推進グループは開発業務に携わってはいないので、総務的な情報を提供する一方通行なものになってしまい、個人の持っている情報の交換にはならないことに気が付きました。
そこで、エンジニア含めアカウントが欲しい人に手を挙げてもらい、Qiita Teamの利用者を事業推進グループ以外に広げていきました。
現在は利用者が200名ほどになっていて、エンジニアのほぼほぼ全員がQiita Teamを使っている感じですね。
平田:私と薮内はこういうお試し的なプロジェクトがあるとよく声をかけてもらうので、初期から参加し、利用方法や感想について、フィードバックをしていました。
ーーいきなりQiita Teamに入れられて最初は何を書けばいいのか迷ったりしましたか?
平田:そこは筒井が「まずは自己紹介の記事を投稿してください」と周知していたので、迷うことはありませんでした。
筒井:一度でも自己紹介や何らかの記事を書いてもらえば、その後はすんなりと記事を書いてもらえるようになると考えたんです。
また、過去に他のツールを導入した際に「お好きにどうぞ」とメールだけで案内をしたら、1年間で1件も投稿されなかったことがあったため、Qiita Teamについては導入説明会を実施しました。
薮内:それに、最初の方で筒井さんが記事投稿する人を指名したり、色々な人に声をかけたりして、Qiita Teamに記事を投稿する流れを作ってくれていったのが投稿のきっかけになって良かったし、皆で投稿する空気が生まれるのに非常に効果があったと感じています。

ーーマネジメント層の方々は今回のQiita Teamの導入に対してどのような考えを持っていたのでしょうか?
筒井:うちの部門では年に二回、部門長、担当部長と各拠点のメンバーが直接意見交換をする機会を設けているのですが、どの拠点でも技術スキルやノウハウ共有の課題は議題にあがっていました。
そのため、部門長、担当部長ともすでに課題を共有できており、Qiita Teamの導入には前向きに検討してもらえました。さらに「Qiita Teamでのノウハウ共有を活発化させるために」と部門長、担当部長にもQiita Teamへの投稿の参加もお願いしたところ、二つ返事でOKしてもらえました。
今では部門長をはじめ、管理者の方々もQiita Teamで積極的に記事を書いてくれています。
ある課長は日記や名言の紹介記事みたいな、一見技術とは関係なさそうな投稿をされていますが、僕はそういう記事投稿も楽しみにしています(笑)
薮内:役職のある方々が記事を書いてくれるおかげで、こちらとしても記事を投稿するハードルが下がりました。
ーーすごいですね。役職者の方が記事を書いてくれると、記事を書きやすくなりますよね。
Qiita Team連動型のハッカソンが利用促進に繋がった

ーーQiita Teamの活用を促進するために何かしている工夫はありますか?
筒井:業務の中にQiita Teamを組み込めないかと考え、部門内ハッカソンのアイデアをQiita Teamで記事として書いてもらうという、ハッカソンとQiita Teamを連動させた企画を実施しました。
このハッカソンへの参加がきっかけとなって、Qiita Teamで初めて記事を投稿した人もいたので、効果があったと感じています。
平田:その時にまだQiita Teamのアカウントを持っていなかった人から「ハッカソンに参加したいのでアカウントを発行してほしい」という声もありましたね。
この時は「M5Stack」という小さなデバイスを使って何か作ろうというハッカソンだったので、ハードウェアや制御寄りのアイデアがたくさん投稿されました。
ーーハッカソンは結構実施しているのでしょうか?
筒井:はい。3年前から年1回のペースでやっています。
部門内交流も兼ねているので、拠点関係なく、チームで実施するようにしています。チーム編成は、似たようなアイデアの人で組んでいます。まずはアイデアを募集して、共感する人たちでチームを作るイメージです。例年なら、全員が集合してアイデアを発表し、それに対する質疑応答をして、そのうえでチーム分けを行って…とかなり時間がかかるのですが、今回はQiita Teamの投稿をアイデア発表に置き換えたので、発表時間を作らなくてもアイデアを出し合えましたし、そのまま各々自由な時間にQiita上で意見交換やチーム作りができました。また、最終的に集合して発表するのは“いいね”の多かったアイデアに絞ったりと、かなり効率よく行えました。

――Qiita Teamを利用して、どのような効果を感じていますか?
筒井:部門長・担当部長や課長の投稿に若手社員がコメントしたり、その逆もあったりして、上下間の交流が活性化しているのを感じています。ある記事では、「私はこうしている」といったコメント欄でディスカッションが行われていたりして、左右の交流も広がっていると感じています。
平田:今までは他の拠点にいるのがどのような人か詳しく知るチャンスが中々なかったんですが、Qiita Teamに投稿される記事を読んで、誰がどんなことが得意なのか知る機会が増えた実感はあります。
薮内:私も、同じアプリケーション担当といっても、拠点を横断したプロジェクトが今まで頻繁にあったわけではなかったので、他拠点のメンバーと個人的にやり取りする機会はあまりありませんでした。
ですが、Qiita Teamで他拠点のメンバーの記事を読めるようになったので、こんな人がいるのかと把握できるようになりました。社内のイベントで大阪に集まった際も、「Qiita Teamで記事を書いていたあの人ね」みたいに社内の人脈を広げられたと感じています。
記事をオープンなグループに投稿してもらう理由

ーーなるべくオープンなグループに投稿してもらうようにしているとのことですが、その理由は何ですか?
筒井:プライベートグループがあると、どうしてもクローズドな方に投稿したくなるので、基本的には全員に記事をgeneral(全員が見られるオープンなグループ)に投稿するようにお願いしています。ただし、メンバー全員に見えてしまうので機微な情報については非掲載を徹底するよう、注意も呼びかけています。一方、ほぼ全ての記事がgeneralにあるので、埋もれないよう検索性を高めるために、タグ付けはたくさんしてくださいと、こちらもルールとして定めています。
平田:あくまで記事にしているのはノウハウ的な情報になりますが、設計に関する内容については機密情報が特定できないようにフワッとさせるなどの編集をしてから投稿しています。
――他に効果を感じたことはありますか?
薮内:アウトプットの習慣ができるのはいいなと感じています。
今までは仕事で使うための情報は読んで終わることが多かったのですが、Qiita Teamを使うようになって記事にするというアウトプットの意欲が出てきたことで、実際に手を動かして学ぶようになり、定着がこれまでよりも早くなった実感があります。
平田:私はこれまでいくつかの部署を異動しているのですが、部署によってファイルサーバーを使ったり、Wikiを自分たちでオンプレで構築したりと、情報共有のやり方が全然違っていたので、異動するたびに違う会社に来た感覚でした。
ですが、今回はじめてQiita Teamのような外部のサービスを使ってみて、使い慣れたプラットフォームで情報共有ができることや、特に記事内でタグやコードを埋め込めて情報を手繰れるところは非常に便利だと感じています。
――どのような企業にQiita Teamをおすすめしますか?
筒井:Webサービスに慣れ親しんだベンチャー企業だけでなく、個人として発信したい意欲があったり、後輩のために知見を残しておきたいといった人がいたりする我々のような企業でも活用方法によっていろんな恩恵があると思います。
薮内:大きい企業もしくは組織こそおすすめできると思います。やはり大きい企業だとノウハウや情報が分散されていることはよくあると思うので、そういったノウハウや情報を集約する場所として活用できると思います。
――本日は、お話をお聞かせくださいまして、ありがとうございました