「手が空いているので上司に仕事を振ってもらいたい」「新規の案件を獲得したいので、メールで提案営業をしたい」
など、会社員やフリーランスにとって、仕事をもらうための依頼メールを送る機会は多いものです。しかし、適切な文面の作成方法が分からない、マナーやルールが分からないという人は多いのではないでしょうか?
社会人がビジネスマナーを守らないと、上司や先輩からの評価が下がります。フリーランスであれば、案件の獲得に失敗し、売上が低迷するおそれがあります。
そこで今回の記事では、フリーランスや会社員がクライアントや上司に仕事(案件)を振ってもらいたい時に送る依頼メールについて解説します。適切な文面を作るためのポイントや具体的な例文を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「仕事くださいメール」が有効な2つのシチュエーション
「仕事をください」というメールは、会社員が上司や先輩に送ったり、フリーランスの人がクライアントに送るケースが考えられます。最初に、どのようなシチュエーションで「仕事をください」といったメールを送るのか、整理しておきましょう。
フリーランスが営業を行う時
まずは、フリーランスの人が営業目的で送るケースです。フリーランスは自分のペースで自由に働けるのがメリットですが、仕事量が不安定になることもあります。忙しい時もあれば暇な時もあるため、収入が安定しないというフリーランスも多いでしょう。
仕事を切らさないためには、クライアントに営業メールを送るのが効果的です。また、しばらく発注がないクライアントと関係性を保つために営業メールを送ることもあります。
さらに、新規のクライアントを開拓するために、はじめてメールを送る場合もあるでしょう。例えば、企業のホームページに業務委託の求人が掲載されているケースなどが該当します。また特に募集がない場合でも、フリーランスから積極的に提案営業の依頼メールを送ることがあります。
会社員で手が空いている時
会社員の場合は手が空いている時に、上司や先輩に仕事を振ってもらうようにお願いすることがあります。
特に、新入社員や若手社員、新しく配属された社員などは、自分で仕事を探すということが難しいものです。手持ち無沙汰で何もしていないと、同僚に咎められたり、眉をひそめられることもあります。また、周りが忙しいのにサポートしないと、部内での評価が下がるおそれもあるでしょう。
チームワークを乱さないためにも、手が空いている時には積極的に声をかけることが大事です。また、メールでのコミュニケーションがメインとなっている職場では、上司に「何かやる仕事はありませんか」とメールで問い合わせることもあるでしょう。
「仕事くださいメール」を適切に作成するための3つのポイント
会社員とフリーランスはそれぞれメールの送信先(社内または社外)が異なるため文面も違いますが、押さえるポイントは重なります。ここでは特に重要な下記3点を解説します。
- 件名だけ読んで内容が分かるように書く
- 結論から分かりやすく書く
- 適切な敬語を使う
件名だけ読んで内容が分かるように書く
メールの件名は、分かりやすく簡潔に記載しましょう。開封しなくても件名で文面が分かるようなものがベストです。
フリーランスであれば、「〜へのご提案(名前)」や「〜への応募について(名前)」など、メールの具体的な目的と、自分の素性(名前)が分かるようにしましょう。
会社員であれば、「〜のお願い(部署名・名前)」「〜について(部署名・名前)」など、要件と自分の所属・名前を明記しましょう。上司であれば、名前を見ただけで必ず開封するでしょう。
結論から分かりやすく書く
本文は結論ファーストが大事です。
フリーランスの場合は、「振ってもらえる案件がないか」「〇〇という実績があるため、貴社の〇〇という課題を解決できる。ついては商談の時間を割いてくれないか」などを記載しましょう。結論を後回しにしたり、冗長な文面だと相手は読み飛ばしてしまうので注意しましょう。
会社員の場合は、「〇〇の案件が終わり、手が空いているので仕事を振ってもらえないか」「いつも仕事をみてもらっている〇〇さんが不在なので、何か指示してもらえないか」などを明記しましょう。基本的に管理職は忙しいため、特に社内メールの場合は短文で簡潔に記載しましょう。
フリーランスは新規開拓の場合は自分の実績などにも触れる必要があるため、長文になりがちです。それを回避するために経歴書は別途ファイルを添付し、メールの文面は要点だけシンプルに記載しましょう。
何よりも、最初に「案件を探してるので振ってほしい」「営業したいので時間を割いてほしい」など、こちらの要望を明確に伝えましょう。
適切な敬語を使う
メールを作成する際には、ビジネスマナーを守り、適切な敬語を使いましょう。フリーランスの場合、文章が不適切であれば、信用を勝ち取るのが難しく仕事も受注できない可能性が高くなります。また「仕事をください」と端的に書くのはマナー違反なので注意しましょう。
社内メールであっても、送る相手が上司や先輩であれば、適切な敬語を使います。また年の近い同僚であっても、最低限の丁寧語で文面を作成しましょう。
フリーランスでも会社員でも、「恐れ入りますが、〜でしょうか」「お手すきの時で構いませんので」「恐縮ですが〜お願いします」「お手伝いできれば幸いです」など、多忙な相手を気遣うフレーズを入れることが大事です。
適切な敬語を使い、相手を気遣う文面を作成することで、相手との良好な関係が築けるでしょう。
「仕事くださいメール」の例文
ではここで、「仕事くださいメール」の例文を2つ紹介しましょう。
- フリーランスの営業メールの例文
- 会社員で仕事を振ってほしい時の例文
なお、フリーランスの場合、案件の募集に対して応募する場合と、募集していない企業に提案営業する場合があります。ここでは後者の提案営業の文面を紹介します。
フリーランスの営業メールの例文
宛先 | qiita.team12345@gmai1.co.jp |
件名 | 〇〇〇〇についてのご提案|〇〇〇〇(自分の名前) |
〇〇〇〇株式会社 ご担当者様 突然のメール失礼いたします。フリーランスの〇〇〇〇(職種)として活動している、〇〇〇〇(自分の名前)と申します。貴社製品の営業ツールとして、ホワイトペーパーの制作を提案させていただきたくご連絡させていただきました。 現在、貴社では次のような課題に直面していないでしょうか? 課題1:ホームページからの問い合わせが少ない 課題2:問い合わせから実際の受注につながらない 私はこれまで会社員として〇年、フリーランスとして〇年、主にBtoB向けのホワイトペーパーを制作してきました。そこで得た経験とノウハウを生かすことで、貴社の顧客獲得にも貢献できると考えております。 過去には次のような実績を挙げてきました。 【実績】 ・A社のホワイトペーパーダウンロード率〇%アップ、問い合わせ数〇%アップ、成約率〇%アップ ・これまでのホワイトペーパー制作実績は、〇社 ・主な業界は、IT業界、製造業界、飲食業界など 貴社への具体的な提案内容を添付ファイルにまとめました。 ご多用の中大変恐れ入りますが、ご確認いただけますと幸いです。 また、別途、過去の制作実績などもお見せできますので、ぜひ一度ご商談の機会をいただければ幸いです。ご興味をお持ちいただけましたら、下記までご連絡くださいませ。 どうぞよろしくお願い申し上げます。 〇〇〇〇(自分の名前) TEL:×××-××××-×××× Mail:××××××××@××××.com HP:http://××××××××.com |
会社員で仕事を振ってほしい時の例文
宛先 | qiita.team12345@gmai1.co.jp |
件名 | 今週の予定について|〇〇〇〇(自分の名前) |
〇〇さん お疲れ様です。〇〇〇〇です。 先週末A社の案件を無事納品しました。 今週1週間は特に急ぎの仕事もなく、手が空きそうです。 もしお手伝いできる仕事があれば、ぜひ私に振っていただけないでしょうか。 Web制作全般の仕事に対応できますので、何なりとお申し付けください。 お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いします。 〇〇部 〇〇〇〇(自分の名前) TEL:××-××××-××××(内線:××××) 携帯:×××-××××-×××× Mail:××××××××@××××.com |
フリーランスが「仕事くださいメール」を作成する際の5つのポイント
実際にメールを作成する際のポイントを解説します。フリーランスの営業メールでは、次の5点を押さえておくことが大事です。
- 相手にとってのメリットも具体的に伝える
- これまでの実績やスキルを伝える
- 読んだ後のアクションを伝える
- 一括送信を使わない
- 営業時間内に送信する
相手にとってのメリットも具体的に伝える
営業先にしっかりとメールを読んでもらうためにも、相手にどのようなメリットがあるのかを伝えましょう。
相手はビジネスで何らかの課題があり、解決したいと考えています。その課題を自分ならば解決できることを示す必要があります。
自分ができることや実績を書いても、相手のニーズに合致してないと見向きもされません。そのためにもまずは顧客の課題を分析することが重要です。
これまでの実績やスキルを伝える
相手の信頼を得るためには、実績やスキルを伝えることも重要です。
過去に取り組んだ案件の詳細や保有している資格などを箇条書きで書くと分かりやすいでしょう。過去の実績は、具体的な数字を交えてなるべく細かく記載すると相手にも伝わります。また保有している資格は、あくまで当該案件に関わるものだけを記載しましょう。
読んだ後のアクションを伝える
メールの後半には、相手が取るべき具体的なアクションを伝えましょう。例えば、「興味がありましたら、ご返信ください」「下記、電話番号・メールまでお問い合わせください」などと添えると効果的です。
また、自分が電話連絡を受けられる時間帯なども並記すると親切でしょう。
一括送信を使わない
お願いメールを送る時には通常、一括送信は使いません。「各位」などとして一括送信すると、受信者は快く思わないでしょう。自分がそれほど重要視されていないと感じてしまいます。
「どうしても貴社と仕事がしたい」「貴社のビジネスに興味がある」「自分のスキルであれば貴社の課題を解決できる」という気持ちを伝えるためにも、TOでメールを送信するのが基本です。またできれば相手の担当者の個人名を入れて、直接メールを送ったほうが効果的です。
営業時間内に送信する
メールであっても、できる限り営業時間内に送信しましょう。メールなので深夜や早朝に送っても相手の迷惑にはなりませんが、開封率が下がるリスクがあります。
ビジネスタイムであれば、相手はパソコンやスマートフォンを使っている可能性が高いため、受信後すぐに開封してくれる確率が高まります。
また、そもそも営業時間外にメールを送ることをマナー違反と考える人もいるでしょう。その場合、悪い印象を与えることになるので、開封率や返信率にも影響がでます。
会社員が「仕事くださいメール」を作成する際の3つのポイント
会社員は上司や先輩に依頼メールを送ることになります。基本的には例文で示したように、シンプルな文面になります。押さえておきたいポイントは下記3点です。
- 現状を端的に伝える
- できる事を伝える
- 自分でも積極的に仕事を探す
現状を端的に伝える
まずは現状を端的に伝えましょう。いつまで手が空いているのか、どの程度の時間なら割けるのかなどを明確に記載します。
「時間があるので仕事をください」では、相手もどの程度のボリュームの仕事を頼んでいいのか悩んでしまいます。「今週月曜から水曜まで空いています」と文面に書けば、3日間で対応できるような仕事を振ってくれるでしょう。
また簡単な仕事のみ手元にある場合は、「急ぎの業務がないため、優先すべき業務があれば対応します」という文面を送れば、相手も仕事を頼みやすくなります。
できる事を伝える
若手社員や他部署から異動してきたばかりの社員の場合、上司はどのような仕事ができるのか分からないケースもあります。そのためメールの文面に自分ができることを記載しましょう。
「ホームページの制作ができる」「パワーポイントで資料作りができる」「データ分析ができる」など、具体的なスキルを伝えましょう。また、今までの業務経験なども伝えると、上司や先輩は仕事の依頼がしやすくなります。
自分でも積極的に仕事を探す
仕事がないか聞くメールを送ると、「仕事は自分で作るもの」と考えている上司からの評価が下がるかもしれません。そのため、手が空いている時には自分でも積極的に仕事を探しましょう。
配属されてすぐのころは難しいかもしれませんが、ある程度仕事をこなすうちに、仕事の作り方が分かってくるでしょう。自分の仕事の業務改善策や同僚のフォローなど、手が空いている時にしかできないことを見つけてみましょう。
まとめ
今回は、フリーランスや社会人が仕事を振ってもらいたい時に送るメールについて解説しました。社内外の人にメールを送る時には適切な文面を作成する必要があります。礼節を欠いていると、案件が獲得できなかったり、上司からの評価が下がるおそれがあります。
本記事で紹介したようなメールの作成ポイントや例文を参考にして、案件獲得や上司からの評価向上を目指してみてください。