1on1を実施する目的とは?4つのメリットと注意点を解説

「1on1を導入すべきかどうか迷っている」「1on1の目的やメリットを詳しく知りたい」「1on1を成功させるポイントはあるのだろうか」

など、リーダーや経営者の多くは1on1について興味を持っているのではないでしょうか?

特にリモートワークが普及する中ではコミュニケーションの強化が不可欠です。上司と部下の関係性が希薄だと、パフォーマンスが低下したり離職率が高まるおそれがあります。

こうした課題を解決するために、1on1を導入する企業が増えているのです。そこで今回はこれから導入を考えている人に向けて実施目的や導入メリット、実施する際の注意点やポイントなどを解説していきます。

部下の育成や組織力向上に課題を感じているビジネスパーソンはぜひ参考にしてみてください。

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1on1の実施目的とは

近年多くの企業が1on1を取り入れています。1on1を導入することで、人材および組織に好影響を与えると考えられているのです。特に、次の2つの目的を達成するために1on1が実施されています。

  • 部下の成長を促進するため
  • 企業全体の組織力を強化するため

部下の成長を促進するため

1on1の実施によって、部下の成長を促進できます。上司と部下が定期的にミーティングを実施し、対話をすることで心理的安全性が高まります。部下は上司を信頼し、仕事やプライベートについて抵抗なく相談できるようになります。

業務での課題や不安を相談し、解決することで成長を促します。また将来のキャリアプランについて部下が明確なビジョンを持てるようになれば、モチベーションアップにもつながります。

プライベートの悩みや不安も同様に、信頼できる上司とともに課題を解決することで、仕事に対して前向きに取り組めるようになるのです。

企業全体の組織力を強化するため

部下の成長実感やポジティブなマインドの醸成は、チーム全体に好影響を与えます。モチベーションアップによって、全体の生産性が上がります。自己研鑽や自己解決にも注力できるようになり、さらなるパフォーマンスアップも期待できるのです。

前向きな姿勢が周りに波及することで、他のメンバーもやる気が高まります。また他のメンバーが悩んでいる時や課題に直面している時なども、協力的な姿勢で他者をサポートするようになるでしょう。

結果的に、チームおよび会社全体で成長を遂げることができます。個人と組織が成長を達成するために、同じ方向に向かって努力できる風土の醸成が期待できるのです。

1on1が注目されている背景

1on1の実施企業が増え、注目が高まっている背景には主に次の2つの理由があります。

  • 必要な労働力の確保が重要視されている
  • テレワークなど働き方が多様化している

必要な労働力の確保が重要視されている

労働力人口が減少する中で、多くの企業は人材の確保を重視しています。少子高齢化社会においては、中小企業をはじめ大手企業においても若手人材の確保が困難になっています。特に優秀な人材の確保は年々難しくなっているのです。

そうした状況下では、一度獲得した人材をいかに定着させるかが重要な課題となります。働きやすく、成長できる環境を整備することは人材の離職を防止する効果があるのです。

さらに、コミュニケーションを重視する職場は働き手にとって魅力的に映るでしょう。自由に意見を主張できたり、希望を叶えられる環境は職場選びの際にもアドバンテージとなり得るのです。

テレワークなど働き方が多様化している

コロナ禍を通じてテレワークをはじめとした新しい働き方が普及しています。働き方が多様化するなかで、上司と部下の間でいかにしてコミュニケーションを取るかが大きな課題となっています。

リモートワークでは対面で顔を合わせられないため、意思疎通が難しくなります。場合によっては部下が孤立してしまうおそれもあるでしょう。またコミュニケーション不足によって上司に対して心理的な壁を感じてしまう社員が増える懸念があります。

そうしたコミュニケーション不全を解消するためにも、1on1が有効になるのです。定期的に対話を実施し、不安や不満を取り除ければ、テレワーク環境下でもお互いの信頼を深めることができます。

1on1を行う具体的な4つのメリット

1on1を導入するメリットは次の4点です。導入に迷っているリーダーや経営者は、検討材料にしてみましょう。

  • 上司と部下の信頼関係が構築しやすい
  • 部下の主体性が上がる
  • 生産性が向上する
  • 離職率を下げることができる

上司と部下の信頼関係が構築しやすい

上司と部下の信頼関係を深めるのに最適な方法は対話です。そのため1on1の実施は良好な信頼関係を構築するのに適しているといえるでしょう。

部下が仕事の成果が出ずに一人で悩んでいたり、キャリアに不安を抱えていると、パフォーマンスの低下だけでなく離職のリスクも高まります。

1on1で定期的に顔を合わせて、時にはプライベートの話題で盛り上がったりすると心理的安全性が高まり、「いつでも相談できる」「何を言っても馬鹿にされない」など、良い関係性が作れます。不安を取り除いてポジティブな感情で仕事にのぞむことで、部下は仕事に注力できるようになるのです。

部下の主体性が上がる

1on1では仕事の進め方や目標達成状況などについても話し合います。その中で現状把握や課題を見出すことで、部下の主体性が高められます。自分に何が足りないのか、成果を出すためには何を努力すべきかなど、上司との対話を通して自分で考える癖がつくのです。

一人でやみくもに努力しても、成果が出ないおそれがあります。上司は客観的にアドバイスしたり、自分の経験に基づいた指導が可能です。そのため、部下は上司から得たアドバイスやヒントを元にして、効率的かつ正しい努力が可能になります。

結果的に自分で取り組む積極性や向学心が芽生えるので成長スピードも加速していくのです。

生産性が向上する

1on1の実施は個人と組織の生産性向上にも寄与します。面談を通して、上司が部下に正しいフィードバックを与えることで、部下は自分の仕事のやり方を改めたり、必要なスキルの習得にチャレンジしようと努力するでしょう。

また目標実現までの進捗で遅れをとっている場合は、上司の適切な指導でモチベーションを上げたり、軌道修正することで目標達成に近づけることもできます。

個人が適切な仕事の進め方を実行することは、一緒に働いている同僚にも影響を与えます。例えばお互いに協力しあったり、ノウハウを積極的に共有しようというマインドが生まれます。その結果、チーム全体で業務効率化が図れたり、属人化の解消によって有給休暇の取得率が向上することもあるでしょう。

心身共に充実した状態で仕事にのぞむことで、さらなる生産性向上にもつなげられます。

離職率を下げることができる

上司と部下やチーム全体で心理的安全性を高めることで、離職率を下げる効果も期待できます。相談できる関係性や協力し合える風土を醸成することで、働きやすい職場の構築が可能になるのです。

特に若手社員は一人で抱え込んでしまい、誰にも相談できずに休職・離職してしまうケースも多いでしょう。「相談しても意味がない」「相談できる相手がいない」など、部下が塞ぎ込んでしまう環境は改善する必要があります。

「いつでも相談できる」「上司に相談すれば適切なアドバイスがもらえる」といった環境作りには、日頃からのコミュニケーションの強化が不可欠です。1on1で定期的に対話することは、その時の不安を解消するだけでなく、将来的な悩みや離職への迷いを取り除く効果も期待できるのです。

1on1を行う際の4つの注意点

人材育成や人材の定着などさまざま効果が期待できる1on1ですが、導入に際しては次の4点には注意を払いましょう。

  • 時間的に負担となる場合もある
  • 1on1を行うことが目的になってしまう
  • 導入してすぐには効果が出にくい
  • 上司のスキルが1on1の質を左右する

時間的に負担となる場合もある

1on1の実施は上司と部下の双方にとって時間的な負担を及ぼすリスクがあります。

1on1は通常1週間に1回または毎月など、定期的に開催します。また1回あたりの所要時間は30分程度です。業務が立て込んでいる時には、短時間の面談でも負担に感じるものです。集中が途切れたり、急ぎの案件に対応しないといけないのに時間がもったいないと感じてしまう人もいるでしょう。

上司にとってはテーマを考えたり、前回のフィードバックを考えるための準備時間も必要です。対面で実施する場合はミーティングルームの確保なども手間になるでしょう。

1on1を行うことが目的になってしまう

1on1の開催自体が目的化してしまう懸念もあります。1on1を導入する際には目的を明確化する必要がありますが、単に流行だから導入したり、会社に言われたから実施している場合には効果を期待できません。

上司も部下も嫌々時間を割いたり、何も話すことがなくて世間話に終始するとお互いが1on1の必要性を見出せなくなります。そうなると貴重な時間を浪費するだけなので実施する意味がなくなってしまいます。

導入してすぐには効果が出にくい

1on1はすぐには効果が出ません。導入直後に生産性が上がったり、上司と部下の関係性が良好になったり、チーム全体のマインドが激変することはないでしょう。

1on1は長期的かつ定期的に取り組んで、徐々に効果を感じる施策です。やり方を工夫したり、社員ごとに話す話題を変えたりしながら試行錯誤する期間が必要になるでしょう。関係性を構築するのにも時間がかかります。お互いが仕事やプライベートのことを忌憚なく話せる間柄になるまで、諦めずに継続していくことが大事です。

上司のスキルが1on1の質を左右する

上司によって対話やコーチングのスキルはさまざまです。そのため1on1も上司の資質に左右される部分があります。対話が上手な上司がいる一方、自分の話ばかりの人もいるでしょう。課題解決能力が高い人もいれば、自分の意見を一方的に押しつけてしまう人もいます。

部下にしてみれば、気の合わない上司がいたり、話を聞いてくれない上司がいることで不満を覚える可能性もあります。このような問題に対しては、会社が介入することも時には必要でしょう。具体的には上司のスキルアップやコミュニケーション能力の改善を促すなどの方策が考えられます。

1on1を効果的に行うための4つのポイント

1on1の導入効果を最大化したい場合には、次の4つのポイントを意識しましょう。

  • 事前に話す内容を決めておく
  • 上司のコミュニケーションスキルを強化する
  • 上司からのアドバイスは最小限にする
  • 長い目で見て効果を判断する

事前に話す内容を決めておく

準備をせずに1on1を実施すると話すことがなくなり、時間を無駄にするリスクが高まります。効果的な面談にするためにも、事前に話す内容を決めておきましょう。

テーマは仕事やキャリアに関することから、働き方や社内の人間関係、プライベートの話題など多岐にわたります。部下と接する中で気になっていることや、部下が特に興味を引きそうな話題を選ぶと良いでしょう。

また前回の1on1で課題として挙がっていた内容を深掘りしたり、ネクストアクションとして部下に依頼していたことがらについてフィードバックを送るなども効果的です。

※関連記事「1on1で話すこと11選!意識すべき6つのポイントも解説」

上司のコミュニケーションスキルを強化する

1on1の質は上司のコミュニケーションスキルに依存する部分もあるので、上司のレベルを上げることも大事です。コーチングスキルアップや効果的なコミュニケーション術を学べるように、会社側がプログラムを用意したり、外部のセミナーに参加させるのも良い取り組みです。

上司の中にも会話が不得手な人はたくさんいるでしょう。またプレイングマネジャーの中にはマネジメント経験が少ない人材もいるはずです。1on1は組織力強化のための施策なので、部下の成長だけにフォーカスするのではなく、上司の成長も目指せる取り組みとして組織全体で向き合うことが重要になります。

上司からのアドバイスは最小限にする

1on1は評価面談ではないので、仕事のやり方や価値観を押しつけるようなスタンスは避けるべきです。上司からのアドバイスは最小限にして、部下の意見を傾聴するほうが良いでしょう。テーマにそって自由に話してもらって、悩みや不安、業務上の課題や人間関係の問題などを解消できるように対話を深めましょう。

1on1は上司と部下の関係性を良好なものにして、心理的安全性を高めるのが狙いです。上司が一方的に話すと、部下は1on1の意味や目的が見出せなくなるおそれがあります。部下の自発性やモチベーションを向上させることを主眼において、部下がリラックスした時間を過ごせるような雰囲気を作りましょう。

長い目で見て効果を判断する

1on1を導入したからといって部下のパフォーマンスが飛躍的に向上するわけではありません。施策導入後、長い目で見て効果を判断することが大事です。

導入効果が出ないからといってすぐに施策を中止したり、フォーマットを頻繁にいじるようなことは避けましょう。週一で開催しているのならば、できる限り同じ頻度で開催し、習慣化することが重要です。効果が出ないからといって不定期開催にしたり、四半期ごとや半期ごとなどに変更しても思うように効果は上げられないでしょう。

少なくとも3ヵ月または半年など、中長期のスパンで判断し、開催頻度も固定しながらゆっくりと上司・部下の関係性を構築していきましょう。習慣化することで、部下は心を開いていくものです。また、チーム全体でコミュニケーションが促進され、風通しの良い組織ができあがっていきます。

まとめ

今回は人材育成や組織力の強化に効果がある、1on1について解説しました。労働力人口の減少や働き方の多様化にともなって、人材を定着させることやより良い職場環境の構築が重要性を増しています。

1on1を導入することで、上司と部下の関係性強化につながり、生産性向上も期待できます。また一人ひとりのマインドがポジティブになることで、チーム全体も変わり風通しの良い社風や風土が醸成できるのです。

今回紹介したように1on1の成功のためには、目的意識を持つことや上司のコミュニケーションスキルを高めることも重要です。導入しただけで満足してしまうと、開催意図がわからずに時間を浪費するだけになるリスクがあります。実施する時には注意点やポイントをしっかりと理解して、長期的なスパンで施策を継続することが大事です。

これからさらに人手不足や働き手の流動化が進む中、企業にとっては人材育成や人材開発の重要性が増していきます。1on1の導入によって多くのビジネス課題が解決できる可能性があります。本記事を参考にぜひ導入を検討してみてください。