社内ハッカソンとは|効果的に行うための5つのステップを解説

「社内ハッカソンを開催したいが方法がわからない」「社内ハッカソンの開催目的はなんだろう」「社内ハッカソンを実施するので、注意点を知っておきたい」

など、経営層やリーダーの中には社内ハッカソンについて理解を深めたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

企業間競争の激化や消費者ニーズの多様化に伴い、企業は次々に新しいサービスや事業を展開することが求められています。しかし、新しいアイデアや製品を市場に投入し続けることは難しいものです。そうした状況下で注目されているのが社内ハッカソンです。

社内ハッカソンで競い合って生まれた成果物によって、新商品を開発したり新事業を創出できる可能性があります。しかし、開催方法がわからなかったり、失敗が怖くて実施に至っていないという組織もあるでしょう。

そこで本記事では社内ハッカソンの定義、目的、効果的に行う手法、注意点を紹介します。既存ビジネスに課題感を持っている経営者やリーダーはぜひ参考にしてみてください。

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社内ハッカソンとは

ハッカソンとは「hack(テクノロジーを駆使すること)+marathon(マラソン)」を合わせた造語です。社内ハッカソンは新規事業創出やプロダクトの開発を目指す多くの企業で採用されている社内イベントのことです。ここでは言葉の定義やアイデアソンとの違いなどを解説していきましょう。

  • ハッカソンとはエンジニアやデザイナーが参加する開発イベントのこと
  • ハッカソンとアイデアソンの違い
  • 社内ハッカソンは社内だけでイベントを行うこと

ハッカソンとはエンジニアやデザイナーが参加する開発イベントのこと

ハッカソンはエンジニアやデザイナーなどの人材が参加する開発イベントのことです。1日〜数日の短期間で集中してプロダクトを作り、チームごとに競い合います。社内の人材のみで実施することもあれば、社外の専門家や技術者などを招くケースもあります。

もともとハッカソンはIT企業が積極的に実施しています。しかし近年はその他の業種や教育業界、地方自治体でも行われるようになっています。

ハッカソンを開催することで、アイデア出しや議論にとどまらず、実際にビジネスに直結するプロダクトの開発が期待されてます。

ハッカソンとアイデアソンの違い

ハッカソンがプロダクトや新事業の創出をゴールに据えているのに対して、アイデアソン(idea+marathon)はアイデアを出すのが主目的です。そのため、アイデアソンの成果物は必ずしも、ビジネスに直結するわけではありません。

ハッカソンとアイデアソンはともに、「短期間」「チームごと」「成果を比べる」といった共通点があります。ハッカソンは1日〜数日の期間で実施されますが、アイデアソンは基本的には数時間から1日以内で行われます。

また参加者については、ハッカソンがエンジニアやデザイナーなどの専門職が参加する一方で、アイデアソンはその他の職種の人材も参加し、多様な意見を交換し合います。

社内ハッカソンは社内だけでイベントを行うこと

社内ハッカソンは社内の人材が参加するイベントです。一方で、外部の有識者や技術者などを取り込んで行うハッカソンもあります。

外部向けの場合には、より大規模に行われるため新しい視点やアイデアを広く募集できるメリットがあります。企業だけでなく、大学や教育機関と連携する取り組みも注目を集めています。

他方、社内ハッカソンは社内イベントのためより手軽に開催できるのが利点です。社内でチームを作って競い合うため、他部署や他チームの人材とのコラボレーション促進にも繋げられます。

社内ハッカソンを行う3つの目的

社内ハッカソンは、企業が抱えているビジネス課題を解決できる可能性があります。特に次の3つの開催目的は重要です。うまく実施することでより多くの効果が期待できるでしょう。

  • 新規事業やプロダクトの創出をねらう
  • コミュニケーションを活性化する
  • IT人勢の育成に繋がる

新規事業やプロダクトの創出をねらう

社内ハッカソンの開催によって、新規事業やプロダクトの創出がねらえます。

社内ハッカソンではエンジニアやデザイナーなどの専門職が短期集中で議論を交わし、実際に成果物を発表します。その過程で、今までになかったアイデアが生まれることもあるでしょう。これまで社内でコラボレーションしてこなかった人材たちの交流で新しい発見が生まれる期待もあります。

既存事業で頭打ちになっている場合には新事業の創出で新たな市場を開拓する必要があります。新サービスを生み出すことで、顧客の満足度を高めたり新しいニーズを掘り起こすこともできるでしょう。いずれのゴールも企業の成長に不可欠です。

硬直的な組織の改善や人材のポテンシャルを最大限に引き出すためにも、社内ハッカソンは重要な施策といえるのです。

コミュニケーションを活性化する

社内ハッカソンによる人材交流は、社員間のコミュニケーションを活性化させます。普段社内でコミュニケーションを取っていない人とも、積極的に関わることができる貴重な場となるのです。

同じ企業に属していても部署が異なっていたり担当サービスが違うと、話す機会はほとんどないでしょう。エンジニア同士やデザイナー同士の横の繋がりが希薄だと、意見交換ができず、スキルや知識の共有も進みません。

社内ハッカソンの実施でチームを組むことで、アイデアやナレッジの共有が可能になるだけでなく、会話を通して他メンバーの人となりを知ることもできるのです。

コミュニケーションが促進されれば通常業務においても、意見交換やコラボレーションがしやすくなります。人材の横の繋がりは部署間連携の糸口にもなるため、組織全体のパフォーマンス向上も期待できるのです。

IT人材の育成に繋がる

社内ハッカソンを勉強会という位置づけで実施することで、IT人材の育成にも繋げられます。例えば、社歴の浅い人や新入社員とベテラン社員を同じチームに入れることで、スキルの共有が可能になります。また自社サービスへの理解を深めたり、ビジネス全般に対する勘所を学ぶ良い機会にもなるでしょう。

多くの企業でIT人材が不足し、将来的にさらに人材難に陥るといわれている中、社内ハッカソンによって効率的な人材育成が可能になります。

社内ハッカソンを行う5つのステップ

社内ハッカソンの一般的な進め方は次の5ステップです。

  1. 社内ハッカソンのテーマを決める
  2. ハッカソン実施前のセミナーを行う
  3. 参加者をチーム分けする
  4. 社内ハッカソンを実施する
  5. 成果の発表・評価を行う

社内ハッカソンのテーマを決める

最初にテーマを決めます。テーマは、新規事業創出やプロダクト・サービスの開発以外にも、特定の技術やツールの活用方法など、多岐にわたります。

組織がどのような課題を解決したいかによって、最適なテーマを選ぶ必要があります。

ハッカソン実施前のセミナーを行う

次に参加者に向けて、事前セミナーを行います。セミナーでは、目的・意図・背景・テーマなどを共有します。

事前のセミナーを開催しないと、会社側と参加者の間で最終的なアウトプットに齟齬が生まれるリスクがあります。また参加者同士での意思疎通も難しくなります。結果的に、会社が考えていた成果が得られない可能性が高まるのです。

主催者、参加者の目線を合わせ、効果的・効率的な社内ハッカソンが開催できるように詳細な情報共有が必要になります。

参加者をチーム分けする

社内ハッカソンでは異なるバックグラウンドを持つ人材でチームを組みます。エンジニアやデザイナーなどの人材をバランス良く振り分けることが重要です。

チーム編成は通常、5名程度で行います。得意な言語や分野が重複しないように注意しましょう。またビジネス分野に強い人材を効果的に配置することで、ビジネス展開しやすい成果物を作れるようになるでしょう。

社内ハッカソンを実施する

実際に社内ハッカソンを実施する際には、まずはアイデア出しをします(アイデアソン)。ブレインストーミングなどで意見を出し合うのが基本です。設定されたテーマへの解決策や実装する機能などを決定し、工数も計算しましょう。

その後アプリやプロジェクトを開発する場合にはコーディングを行います。モデレーターが各チームを回り実況することで、イベントの雰囲気を伝えます。

社内ハッカソンの期間が数日間になる場合には、進捗報告の時間を設けることも効果的です。各チームがどのように進めているかを発表することで、イベントの盛り上がりを継続できるでしょう。

成果の発表・評価を行う

ハッカソンの締めくくりとして、成果の発表・評価を行います。実際の成果物の評価に加えて、プロセスやチームワークなども評価できると良いでしょう。

評価はゲスト審査員が行ったり、参加者同士で投票したりします。優秀な成果物を発表したチームを表彰することで、やる気アップにも繋げられるでしょう。

社内ハッカソンを行う3つの注意点

社内ハッカソンを開催する際にはデメリットや注意点も把握しておきましょう。特に次の3点が重要です。

  • 次に繋がらない場合がある
  • 参加者が限られる
  • 実際に製品化につながるとは限らない

次に繋がらない場合がある

社内ハッカソンの成果が当日限りのものになり、次に繋がらないケースがあります。イベントとして楽しむのみで、ビジネス展開できないことが起こりうるのです。

また新しいコミュニケーションやコラボレーションの芽が生まれたとしても、イベント後にはまた疎遠になってしまう場合もあります。

そのため主催者がイベント後に参加者にフィードバックを送ったり、運用方法についてのアドバイスをするなどフォローアップも必要になります。

また会社が社内ハッカソンの活動をSNSや自社サイトでPRすることも大事です。そうすることでイベント後にも再度盛り上がりを見せたり、次の製品開発や新事業の展開にも繋げられる可能性が高まります。

参加者が限られる

社内ハッカソンに参加するのは、エンジニアやデザイナーです。専門職や技術職のみが参加対象なので、他の職種の社員は基本的には参加しません。

組織内にエンジニアやデザイナーが豊富にいる場合には、複数回開催してもマンネリ化はしづらいでしょう。しかし人材が限られている場合は、いつも同じメンバーが参加することになります。そうなると、新たな視点やアイデアが生まれづらくなります。参加者も刺激を受けづらくなり、モチベーション低下も懸念されます。

限界を感じた場合には、社外の人材を招聘したり、他組織との連携も検討すると良いでしょう。

実際に製品化につながるとは限らない

社内ハッカソンで発表された成果物が実際に製品化されるとは限りません。社内ハッカソンでは成果物まで作るのが基本ですが、実用化されないケースもあり得ます。

本来は製品化したり、新事業として立ち上げるべきですが、短期間のイベントでは限界があるのも事実です。また成果物に対してビジネス視点が足りなかったり、実際に市場へ投入するにはコストや人材が不足しているケースなどが考えられます。

製品化をマストとするのであれば、開催段階で目的やゴールを明確化することが重要になります。

まとめ

本記事では、社内ハッカソンについて、定義や目的、具体的な進め方や注意点などを解説しました。社内ハッカソンを開催することで、商品開発や新事業創出に繋げられます。また社員のコミュニケーションを促進する効果も期待でき、人材育成にも貢献するのです。

しかし、開催自体が目的化して次に繋げられなかったり、参加メンバーの固定によってマンネリ化するリスクもあります。商品化に繋げられずに、参加者のモチベーションが下がる懸念もあるでしょう。

ここで紹介したとおり、成果を最大化するにはまずは目的やゴールを明確化することが大事です。新商品として投入する場合や新しい事業として立ち上げるのであれば、最終的なゴールを設定し参加者にも共有すべきです。主催者はまずどのような意図で社内ハッカソンを開催するのかを考えましょう。

また余裕があれば、社内ハッカソンをただのイベントとして終わらせないように、成果物やアイデアを社内で共有・活用する仕組みを作ることも検討してみましょう。