仕事を効率的に進めるためには、プロジェクト管理が欠かせません。
小規模のプロジェクト管理であれば、エクセルで比較的容易に管理することができます。しかし、複雑なプロジェクト管理であったり、複数のプロジェクトを同時に進行している場合はリアルタイムでの情報共有ができないなど、機能に限界があるので注意が必要です。
エクセルでプロジェクト管理を行うメリットやデメリットを知らないまま導入すると「こんなはずじゃなかった…」ということになりかねません。
エクセルでプロジェクト管理を行う方法とメリット・デメリットなどを十分に理解し、自社にあったサービスの導入を検討しましょう。
そこで、本記事では以下のことについて解説します。
【この記事で分かること】
- エクセルでプロジェクト管理を行う3つの方法
- エクセルでプロジェクト管理を行う2つのメリット
- エクセルでプロジェクト管理を行う5つのデメリット
- エクセルでのプロジェクト管理がおすすめな人
この記事を参考にすると、エクセルでプロジェクト管理をする知識を深めることができ、自社には何が最適なのか理解することができます。
ぜひこの記事を参考に、エクセルでのプロジェクト管理について検討していただければ幸いです。
エクセルでプロジェクト管理を行う3つの方法
プロジェクトを管理する場合に誰もが知っていて馴染みやすい代表的なツールの一つとして、エクセルがあります。この章では、エクセルでプロジェクト管理を行う方法について解説します。
この章ではエクセルでプロジェクト管理を行う方法として主に以下の3つを解説します。
- WBSを作成する
- ガントチャートを作成する
- テンプレートを使う
ちなみに、今回紹介する3つの方法ですが、いずれの方法を選択しても下記の5つの項目がわかるようにすると良いでしょう。
- タスク名
- タスクの開始日・終了日、期限
- 対応の優先度
- 進捗状況(未着手・作業中・完了 など)
- タスクの担当者
上記5項目を押さえておくと、どのタスクに取り組むべきか可視化することができるので、スムーズにプロジェクトを進めることができます。
WBSを作成する
エクセルでプロジェクト管理を行う3つの手法のうちのひとつに、WBS(Work Breakdown Structure)作業分割構成図を作成する方法があります。
WBSとは、「プロジェクトの作業を分割して構成化する手法」のことを指します。
実際にプロジェクト管理を行う際には、下記3つのSTEPで進めていきましょう。
- STEP1 :タスクを洗い出す
- STEP2 :タスクの順序設定する
- STEP3 :タスクの構造化をする
STEP1 :タスクを洗い出す
まずはプロジェクト達成に必要なタスクに抜け漏れがないか、タスクを洗い出しをしましょう。タスクの洗い出しができたら、各要素をさらに細分化していきます。
STEP2 :タスクの順序設定する
タスク内容の洗い出しが終わったら、次に構造化に向け粒度や順序を設定します。複数のタスクを作成すると煩雑化する可能性があるため、工数や所要時間を軸にグループ化すると管理しやすいです。
STEP3:タスクの構造化をする
タスクの順序が設定できたら、タスクの依存関係を考慮しながら構造化していきましょう。このときの注意点は、子レベルの作業を足し合わせると親レベルのタスクになるように捉えることを意識してください。
ガントチャートを作成する
次に、ガントチャートを作成する方法について解説します。
ガントチャートとは、プロジェクト管理などあらゆる管理工程を視覚的に項目別でまとめた表を指します。ガントチャートを作成するとプロジェクトの全体像を可視化することができるため、進捗状況も把握しやすくなります。
エクセルでガントチャートを作成する方法は主に以下4つです。
- 手書きで図形を使って作成する方法
- 手書きでセルに色を付けて作成していく方法
- タスクテーブルを作成して横棒グラフを活用する方法
- 条件付き書式を活用する方法
WBSとガントチャートとの違いは、WBSがプロジェクトを達成するために必要な作業を洗い出し、抜け漏れの防止をするリストに対し、ガントチャートは進捗状況などを視覚的に表現したグラフを指す点です。
【WBSとガントチャートの違い】
WBS | ガントチャート |
必要な作業を洗い出して抜け漏れを防止するためのリスト | 進捗状況を視覚的に表現するグラフ |
WBSでタスクを明確にした後にガントチャートで各タスクの関係性を整理するとプロジェクト管理が効率的に進みます。
テンプレートを使う
エクセルでプロジェクト管理を行う場合には、テンプレートを活用する方法も効率的です。
エクセルの場合、タスク管理表が作成できればすぐにタスク管理ができますが、自分で作成するには時間も手間もかかってしまいます。プロジェクト管理をエクセルで行う際は、業務効率化を図るためにテンプレートを活用するのも有効です。
例えば、エクセルでプロジェクト管理ができるテンプレートでは以下のようなタスク管理表が作成できます。
- 利用者がカスタマイズしやすいシンプルなタイプのタスク管理表
- 複雑なVBAマクロなどが組み込まれたタスク管理表
などです。
エクセルに使えるテンプレートは企業がWeb上で無料で配布しているものや有料のものなど様々です。企業やプロジェクトに適したテンプレートがあれば活用してみてはいかがでしょうか。
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エクセルでプロジェクト管理を行う2つのメリット
エクセルでプロジェクト管理を行う方法を押さえたところで、次にエクセルでプロジェクト管理を行う2つのメリットを確認しておきましょう。
カスタマイズがしやすい
エクセルのタスク管理は自由度が高く、業務の内容や性質に合わせて簡単にカスタマイズできる点がメリットです。エクセルに慣れている人であれば、管理がしやすいようにシートを応用してカスタマイズできるはずです。
また関数を挿入しておけば、日々のタスク管理の工数が減るので、タスク管理表を維持する負担も大きく軽減します。
共有フォルダーやクラウドサーバーなどを活用することで、エクセルで作った管理シートの共有も可能になります。
導入のハードルが低い
エクセルは利用者が多く特別な知識も不要なため、導入のハードルが低いこともメリットです。
企業が提供している専用のプロジェクト管理ツールを導入する場合、導入時にコストが発生するうえに、操作に慣れるまである程度時間を要することが多いです。
その一方、エクセルは日々の業務で使い慣れている人も多く、大規模な研修等も不要で手軽に導入できるでしょう。
エクセルでプロジェクト管理を行う5つのデメリット
エクセルは多くの人にとって身近なツールであり、追加のコストも発生せず、タスク管理・プロジェクト管理ができます。しかし、エクセルでタスク管理を行う際は以下のようなデメリットもあるので注意しましょう。
ここでは、エクセルでプロジェクト管理を行うデメリットを5つ説明します。
ガントチャートのクオリティが低い
エクセルの場合、ガントチャートのクオリティが低いのがデメリットです。
ガンチャートをエクセルで作成することは確かに可能ですが、エクセルはあくまで表計算ソフトです。そのため、プロジェクト管理ツールソフトなどでガントチャートを作るのに比べてそのクオリティは低くなってしまいます。
例えば、管理したいプロジェクトのロードマップやファイル、依存関係や達成までにかかるリソース要素を加えると、情報量が多くなり非常に見づらい表になってしまうでしょう。
やはり複雑なプロジェクト管理を行いたい場合は、専用ツールを使うことをおすすめします。
計画の変更に対応しにくい
プロジェクト管理でエクセルを使う場合の大きなデメリットは、プロジェクトの計画変更に対応しにくいことです。
例えば、初期計画通りにプロジェクトが進むということは非常に稀なので、往々にして途中で変更を余儀なくされるケースがあります。その場合、変更点をエクセルに反映させる必要性が生じるでしょう。
数値の変更程度ならば簡単にできますが、変更が頻発するとこの作業自体がタスクとなってしまい、かなりの手間がかかるため、大きなデメリットといえます。
リアルタイムで情報共有しにくい
エクセルはリアルタイムで情報共有することが難しいツールです。
メンバーがファイルを開いている状態で、別のメンバーが同じファイルを開くと、後からファイルを開いたメンバーは「読み取り専用」となってしまい、ファイル内容の変更や保存ができません。
そのためエクセルで変更の多い情報を扱う場合は、リアルタイムで情報共有しにくく、チームメンバーの大きな負担となるでしょう。
ファイルが重くなる可能性がある
エクセルでのタスク管理は、ファイルが重くなる可能性があります。
エクセルの更新では「ファイル名に日付を挿入して、日ごとにファイルを作る」という手法がありますが、これによって大量のファイルが生まれます。ファイルのデータ容量が増えると、エクセルの動作も重くなるため、スムーズに作業ができなかったりパソコンによってはフリーズするリスクも増加します。
毎日の更新や閲覧が必要なプロジェクト管理では、作業効率にも悪影響を与えるため、大きな問題になるといえるでしょう。
タスクの作業順序の設定ができない
プロジェクトは、細分化されたタスクが絡み合い進行していくケースが多いです。しかし、エクセルでプロジェクト管理をする場合には、タスクの作業順序の設定が出来ない点がデメリットです。
一つのプロジェクトに対し無数あるタスクは、予定と実績を管理するだけでなく、作業順序も考慮する必要があります。しかしながら、エクセルではその作業順序を優先立てて設定することは難しいのが実情です。
それぞれのタスクの順序と関係性を細かく設定することができないため、大規模プロジェクトなど膨大なタスクを細かく管理することには不向きです。
同時進行しているプロジェクトを管理しにくい
エクセルでプロジェクト管理を行う場合は、同時進行で管理しているプロジェクトを管理しにくいというデメリットもあります。
一般的にエクセルはグループ内でファイルを共有、閲覧することは可能ですが、Microsoft365などの共同編集が行えるツールを導入していない場合、同時進行しているプロジェクトを管理することが難しいツールです。
エクセルは共有ブック機能を使うことで同時にファイル編集ができます。
しかしこの機能のデメリットは、他のメンバーがファイルを開いて編集している場合、編集している人がファイルを閉じなければ使うことができないことです。
またエクセルでプロジェクト管理を行う際は、ファイルをプロジェクトごとに作成したり管理する必要があります。そのため、同時進行しているプロジェクトの場合、ファイルを複数開く必要があり、結果的にエクセルによる管理は非効率となってしまいます。
スマートフォンでは利用しづらい
エクセルでプロジェクト管理をする場合、スマートフォンでは表示形式が崩れてしまうこともデメリットです。エクセルはパソコンに最適化されているので、編集したい場合は原則としてパソコンからのアクセスが必要です。もし外出時での作業が多い場合は、エクセル以外の選択肢を考える必要が出てくるでしょう。
エクセルでのプロジェクト管理がおすすめな人
最後に、エクセルでのプロジェクト管理がおすすめな人を解説します。
主に、次のような2つの要素で判断できます。
- プロジェクトの規模が小さく複雑な管理をしない人
- 個人でプロジェクト管理をしたい人
ひとつずつ確認していきましょう。
プロジェクトの規模が小さく複雑な管理をしない人
プロジェクトの規模が小さく、複雑な管理をしない人の場合、操作面やコスト面で導入ハードルが低いため、エクセルでのプロジェクト管理が最適です。
エクセルは、購入時点でインストールされているパソコンも多く、その場合は新たにソフトを購入する必要がありません。エクセルを日常的に使用しているプロジェクトの小さい企業であれば、研修やマニュアルなどを用意しなくても、すぐに日常業務の延長として抵抗なく扱うことができます。
個人でプロジェクト管理をしたい人
個人で利用する場合も、エクセルでのプロジェクト管理がおすすめです。
まず、個人でプロジェクト管理をしたい人は以下のような2つの点に集約されることが一般的です。
- 自身のタスクの抜け漏れの防止
- 自身のタスクの段取りの効率化
エクセルのプロジェクト管理は、関数の応用知識が多少あれば自由に無料でカスタマイズできます。関数を駆使すれば、ガントチャート作成や計算システムの構築なども可能なため、個人でプロジェクト管理をするのであれば十分なツールといえるでしょう。
まとめ
この記事では、エクセルでプロジェクト管理を行う3つの方法とメリット・デメリット、そしてエクセルでのプロジェクト管理がおすすめな人について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
誰でも手軽に利用でき、導入ハードルも低いエクセルですが、お伝えしたようにいくつかのデメリットがあることも事実です。
「手の込んだシートを作るのは面倒だ」「臨機応変にスケジュールを変更できるツールを使いたい」という人には、より効率的かつ確実にプロジェクト管理できる専用のプロジェクト管理ツールの導入がおすすめです。プロジェクト管理ツールであれば、エクセルで生じるさまざまな課題を解決できます。
また、プロジェクト管理ツールなら弊社の「Qiita Team」の導入をぜひご検討ください。
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