一万円からはじめられる、「世界に貢献する投資」を目指すプラットフォーム。
今回は、海外投資案件に特化したソーシャルレンディングサービスを扱うクラウドクレジットに、Qiita Team活用のポイントを伺いました。

サマリー
ポイント
- 全社員およそ70名が、マニュアルや議事録など、社内ポータルプラットフォームとして活用。現在に至るまで1600以上の記事が投稿
- マークダウンを使えないメンバーを考慮して、議事録テンプレートなどを作成して普及を後押し
目次
- 会社設立の4年後にQiita Teamを導入
- シンプルで、非エンジニアでも使いやすい
- 自分の思いを吐き出すために「えいや!」って書くことも
- グループ作成機能は、社内普及を後押しする要因になった
- まずはシンプルな記事から始めると良い
今回インタビューに答えていただいた皆さま

宮田 修宏(みやた のぶひろ)Nobuhiro Miyata
クラウドクレジット株式会社 執行役員
Chief Information Officer
システム管理部長

佐藤 慎(さとう しん)Shin Sato
クラウドクレジット株式会社
VP of Engineering
UXデザイン事業部

鶴田 治奈(つるた はるな)Haruna Tsuruta
クラウドクレジット株式会社
システム管理部 統合リスク管理部
会社設立の4年後にQiita Teamを導入

まずは御社の事業内容について教えてください。
弊社は、「世界を繋ぐ金融」をミッションに事業展開する金融ベンチャーです。2013年1月の設立以来、資金余剰の国と資金不足の国を繋ぐ貸付型クラウドファンディング事業を行っています。
皆さまはそれぞれ、どのようなお仕事をなさっているのでしょうか。
私はCIOおよびシステム管理部長として、20名以上になるシステムエンジニア組織のチームビルディングやルール作り、IT計画などを担当しています。プラットフォーム事業の他にも、社内外のあらゆるIT関連の話が全てシステム管理部に入ってくるので、それらの対応を行なっています。
佐藤は、主にエンジニア組織のマネジメントが担当です。WEBサイト制作がUXデザイン事業部の業務の1つとして挙げられますが、表に見えるフロントエンドの改善をするためには、システムの裏側のバックエンドの改善も必要です。システム全般的なマネジメントに加えて、弊社にはエンジニアの他に金融領域のメンバーも多いので、そこのブリッジング役も担っています。
鶴田は、事業運営に関わるリスク全般の管理部署と兼務する形で、システム管理部で社員のPC設定やヘルプデスク業務を行っています。
ありがとうございます。全員、Qiita Teamをお使いいただいているのでしょうか?
現在社員がおよそ70名いるのですが、私たちだけでなく全社員が使っています。主にマニュアルや議事録など、社内ポータルプラットフォームとして2017年秋に導入し、現在までに1600以上の記事が投稿されています。
シンプルで、非エンジニアでも使いやすい

どのようなきっかけでQiita Teamを導入されたのでしょうか?
もともとファイルは「Box」で管理しており、ExcelやWordで作成したものをみんなで共有して、各自がそこから参照するという運用をしていたのですが、ドキュメントにたどり着くまでに時間がかかるようなことも多くなってきました。
情報共有のために何か良いソリューションがないものかと探していた中でQiita Teamのことを知り、最初はIT部門の一部、6〜7名だけで運用していました。
その後、何がきっかけで全社展開に至ったのでしょうか?
IT部門で数ヶ月間運用する中で、社員数が大幅に増え始める時期に差し掛かりまして、社内の情報共有がスムーズにいかなくなったんです。ナレッジの共有や議事録の作成・共有に対する課題認識を抱えていたことから、マニュアルだけでなくこういったものも含めてQiita Teamで管理しようとなって、全社員にQiita Teamを使ってもらうことにしました。
なるほど。社内ポータルプラットフォームとして、他に検討されたシステムはありましたか?
全社導入のタイミングで、esaやKibela、DocBase、Crowi あたりを比較検討していました。
何がQiita Team選定のポイントだったのでしょう?
シンプルで、非エンジニアでも使いやすいという点ですね。あと、IT部門で利用実績があるのも大きかったです。
自分の思いを吐き出すために「えいや!」って書くことも

全社導入後、まずは何から始められましたか?
課題はシンプルに、ナレッジの共有や議事録の作成だったので、マニュアルでも議事録でもナレッジ共有記事でも、書くところからスタートしました。まずはIT部門のメンバーが積極的に記事を書いて馴染んでもらい、だんだんと全社に浸透していった形になります。
Markdown(以下、マークダウン)方式って、非エンジニアの方にとっては慣れないところもあると思うのですが、そのあたりの議論はあったのでしょうか?
確かに慣れないと言えばそうなのですが、フルに使いこなせなくても情報共有という形で十分機能するツールだと感じていたので、特に問題視していませんでした。
書く人は100以上の記事を書いているのですが、もしかしたらそういう人は、細かいことはあまり気にしていないかも知れません。

とは言え、ほとんどのメンバーがマークダウンを使えない状態が長く続いたのも事実で、議事録テンプレートを作成して使うことで、徐々に慣れていってもらいました。
例えば会議のアジェンダをテンプレートに沿ってみんなに共有する形でつけていくことで、マークダウン記事の作り方も並行して学んでいく。そんなシーンもあったと記憶しています。
他の人が書いてるところを見て、自分もいつの間にかかけるようになってるということですね。ここまでは記録や共有の意味合いでの活用ケースをお話いただきましたが、それ以外はいかがでしょうか?
私なんかは、自分の思いを吐き出すために「えいや!」って書くこともあります。ちょっとしたブレストの内容や、設計のイメージなどですね。
私も自分しか読めない記事を書いてますよ(笑)
例えば全社公開が早すぎるような内容だったりすると、まずは自分だけが見えるようにしてまとめておいて、タイミングが来たら公開にするといったことをしています。
Qiita Teamは、とにかく簡単に綺麗にまとまってくれるので、考えができたらとりあえず書き残しておく、という運用です。
個人的には、「最新のセキュリティ動向」をまとめてくれていた人が社内にいて、気になって記事を読んでみたのですが興味深かったです。
グループ作成機能は、社内普及を後押しする要因になった

Qiita Teamを導入して、想定していなかった効果などはありますか?
グループを簡単に作成できる機能は、社内普及を後押しする要因になっていると感じます。
公開グループかプライベートグループかの設定ができ、全体に公開するべきでないような情報や、閲覧するのがグループ内だからこそ気軽に書けるような情報の記事がプライベートグループに作成されていることで、全体としての記事数が多くなっている印象です。
ナレッジの共有などはいかがでしょうか?
数値として可視化はしていませんが、ナレッジ共有も確実に促進されていると思います。業務ナレッジはもちろん、新入社員向けのパソコン便利機能のまとめなど、社内ポータルとしてのリンク集として機能している側面もありますから。
あと、先ほど「議事録フォーマット」のお話をしましたが、この他にIT部門では週報として「先週やったこと、今週やること」を共有するフォーマットもあります。
数年前からやっていることになるのですが、私が入社したときにはすっかり文化として根付いていました。
なるほど。御社のような金融業だと、ドキュメントの保管なども内容によっては必要かと思うのですが、そのあたりの運用はどうされていますか?
おっしゃる通りで、マニュアルについては内外複数の監査用に、編集され得ない最終版を残す必要があるので、記事をPDF化したものをBoxに残すようにしています。
また議事録についても、Qiita Teamで残す以上はどうしても「編集できてしまう」ことになるので、一週間ほどの関係者への確認期間を経てPDF化し、ワークフローシステムでメンバーに回覧する運用としています。
まずはシンプルな記事から始めると良い

今後に向けて、Qiita Teamの役割をどのようにお考えでしょうか?
「世界を繋ぐ金融」の実現のために事業を拡張していく一方で、記録に残しておく、明文化しておくというような「守り」の部分も重要になってくるので、Qiita Teamに記事を記載する機会も自ずと増えていくと思います。
ありがとうございます。最後に、同じような課題を抱えている方や同じ業界の方に向けて、導入や活用のコツなどのメッセージをお願いします。
金融系の会社って、社内での情報発信の文化があんまり無い気がします。
一方で、今の世の中はコミュニケーション不足が課題になっているのも事実です。だからこそ、コミュニケーションツールとして活用し、自分の考えていることを発信することの大切さに目を向けることで、Qiita Teamの真価が発揮されると思います。
金融機関でファイルサーバーしかなくて、情報共有に時間がかかっているのであれば、導入したら有用なツールだと思います。
Qiita Teamでは見出しだけマークダウンで記載している記事でも読みやすく、見出しの記載を理解することのハードルもあまり高くないので、まずはシンプルな記事から始めると良いと思います。
今はQiita Teamの利用が定着していて、IT部門ではない新入社員からも、「Qiita Teamが使いづらい」とか「使い方が分からない」といったことはあまり聞きません。導入後、軌道に乗ればその後はうまくいくのではないでしょうか。
まとめ
シンプルなUIだからこそ、自ずと習慣化の醸成、ひいては文化の定着につながる。今回のお話は、まさにQiita Teamが目指す機能性を“引き出して”いただけたケースと言えるでしょう。
また、全てをQiita Teamで完結させようとするのではなく、マニュアル保管オペレーションからも伺える通り、部分最適な形でツールを活用することが保守性の高い運用につながると、改めて感じた次第です。
今後の事業成長に向けた守り部分のツールとして、引き続きQiita Teamをご活用いただければと思います。
