
「ペーパレス化とはどんな取り組みか知りたい」
「ペーパレス化を導入して業務を効率化したい」
といった課題を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一見、紙は自由自在に書き込めるという利便性があるようにおもえます。
しかし、ペーパレス化は現代では新型コロナウイルス感染症の拡大によるリモートワークの増加や働き方改革、そしてSDGsの取り組みにより、情報の統合や可視化、そして俊敏な情報共有が業務効率の向上につながる鍵であるとされています。
本記事では、自社でペーパレス化を進めることになった担当者に向けて、そもそもペーパレスの意味とはなにか、ペーパレス化するメリット・デメリットをご紹介します。また、実際にペーパレス化を進めるためのステップも併せて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ペーパレスとは
この章では、ペーパレスの意味やペーパレス化が進む背景について解説します。
ペーパレスは書類を電子化して紙の利用を削減する取り組み
ペーパレスとは、書類や文書を紙で印刷することなく、電子化することで紙の利用を減らす取り組みを指します。紙を使用することによって発生する環境問題やコストの削減などを目的としており、ビジネスの現場でも幅広く導入されています。
また、ペーパレスの代表的な例として、書類の電子化やオンライン上での会議資料の共有などがあります。
ペーパレス化が加速している背景
近年、ペーパレス化が加速している背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大によるリモートワークの増加や働き方改革、そしてSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みが挙げられます。
コロナウイルスの感染拡大により、オフィスでの書類の共有や会議などがオンラインで行われるようになり、ペーパレス化が加速しました。また、働き方改革により、テレワークが進められた影響で、オフィスでの紙の使用を減らすことが求められるようになりました。さらに、SDGsの取り組みによって、環境問題に対する意識が高まり、ペーパレス化が注目されるようになったのです。
例えば、ペーパーロジック株式会社では、コロナ禍により加速するペーパレス化の流れに伴い、「ペーパレス化に伴う2021年度予算」に関するアンケート調査を実施しました。この中で、都内企業55.1%が2021年度に「ペーパレス化推進システム導入の予算配分を予定/検討」と回答し、昨年対比で19.1%上昇したと発表しています。

(出典:都内企業55.1%が2021年度に「ペーパーレス化推進システム導入の予算配分を予定/検討」と回答、昨年対比で19.1%上昇|PR TIMES)
ペーパレス化はコスト削減や業務効率化、そして環境保護など多くの背景から今後もより効率的かつ持続可能な社会の実現に向けて期待されているのです。
ペーパレスの4つのメリット
ペーパレス化は、現代のビジネスにおいてますます重要性を増しています。
以下はその中でも、とくに重要な4つのメリットになります。
- 業務を効率化できる
- コストを削減できる
- 環境保護になる
- 情報共有がしやすくなる
業務を効率化できる
ペーパレス化は業務を効率化することができます。
ペーパレス化されていない文書は、その書類をさがすための手間や、文書を複数の場所に配布するために時間がかかります。
ペーパレス化することで、コンピューター上で検索や配布が簡単に行えるため、従業員はより迅速に業務を処理することができます。また、電子メールやチャットなどのオンライン共有ツールを活用することで、チーム全体での情報共有が活性化し業務効率も上がります。
コストを削減できる
ペーパレスの採用は、企業のコスト削減につながります。
ペーパレス化することで、紙文書を作成するために必要なコスト(紙、インク、印刷機器など)や、文書を保管するためのスペースや保管用品(書類棚やファイルキャビネットなど)を必要としなくなります。また、文書の破棄や廃棄に伴うコストも不要になります。
環境保護になる
ペーパレス化は、紙の使用を減らすことで森林伐採やCO2排出量を抑制し、環境保護につながるとされています。例えば、文書を紙で印刷して配布することは、紙の製造、配送、印刷、処分などに大量のエネルギーが必要となります。ペーパレス化によって、これらのエネルギー消費や排出を削減することができます。
また、ペーパレス化して環境保護を行うことは、企業の社会的責任の一環としても位置づけられています。そのため環境保護の観点だけに留まらず、会社のイメージアップにもつながるでしょう。
情報共有がしやすくなる
ペーパレス化は情報共有の効率化につながります。
紙の資料は、コピーしたり手書きにしたりして配布する必要があり、情報共有に時間がかかるばかりか、誤字脱字のリスクもあり、管理が煩雑になります。
しかしデジタル化された資料はクラウドストレージやメールなどを利用して、オンライン上で共有しやすくなるため、社員間の情報共有がスムーズになります。さらに、デジタルで管理されているため、ファイルの検索や編集、更新もオンライン上で容易になり、業務効率化につながるといえます。
ペーパレスの4つのデメリット
ペーパレス化は、紙を使わないことで環境負荷を減らし、生産性向上やコスト削減につながると言われています。しかし、一方でペーパレス化には以下のようなデメリットもあります。
- ペーパレスをはじめるのにコストがかかる
- 利用者への教育が必要
- システム障害により利用できなくなる
- 資料の視認性が下がる
この章で、それぞれ詳しく確認していきましょう。
ペーパレスをはじめるのにコストがかかる
ペーパレス化をするためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)を行う必要があります。
DXを行うためには、システムの構築や既存システムとの統合など、ITシステムの導入や改修が必要であり、それには大きな費用がかかることがあります。また、データのデジタル化やネットワークの構築など、インフラ整備にもコストがかかります。これらのコストを抑えるためには、ペーパレス化の計画を立てる前に、専門家に相談し、最適なシステムやツールを選定することが大切です。
利用者への教育が必要
ペーパレス化には、利用者への教育が必要です。
デジタルデータやツールの扱い方や情報セキュリティなど、利用者に対する教育が不可欠です。
利用者に対して十分な教育を行わなければ、セキュリティ上のリスクやシステムの適正利用ができない可能性があります。そのため、利用者に対して、定期的に教育を行い、ペーパレス化を進めるための環境を整える必要があります。
教育には時間と労力がかかりますが、それを怠ると、情報漏えいや誤操作などのリスクが高まるため、十分に行う必要があるのです。
システム障害により利用できなくなる
ペーパレス化することで、情報の管理や共有が効率化される反面、コンピューターシステムに依存しているため、システム障害により利用できなくなるリスクがあります。
たとえば停電やサーバーダウンなどのトラブルが発生すると、データへのアクセスが困難になるため、業務に支障が生じる恐れがあります。
また、復旧に時間がかかる場合もあるため、データのバックアップや冗長化、UPS(無停電電源装置)の導入など事前の対策が必要になります。
資料の視認性が下がる
ペーパレス化は、資料の視認性が下がる可能性があります。
とくに、スマートフォンやタブレットで閲覧する場合、文字が小さくて読みづらくなってしまったり、画面が狭いためにレイアウトが崩れたり、図表が小さく表示されたりすることがあります。
また、長時間の閲覧による目の疲れや、画面上でのメモやマーキングがしにくいという問題もあります。このような場合は、印刷して読むか、大きな画面で閲覧するなどの対策が必要です。
ペーパレス化を進める4つのステップ
この章では、ペーパレス化を進めるためのステップを4つに分けて解説します。
- ステップ1 現在の紙の使用範囲を調査する
- ステップ2 ペーパレスの範囲を決める
- ステップ3 ペーパレスのためのツールを導入する
- ステップ4 ペーパレス実行のために社員に教育する
現在の紙の使用範囲を調査する
ペーパレス化を進めるためには、まずは現状の紙の使用範囲を調査することが重要です。
具体的には、以下のような書類が対象となります。
- 契約書や注文書などの取引関係の書類
- 請求書や納品書などの請求関係の書類
- 経費精算書や出張報告書などの経費関係の書類
- 会議資料や報告書などの文書関係の書類
これらの書類は、紙で印刷して管理している場合が多く、それぞれの業務において大量の紙が使用されています。こうした書類を電子化することで、書類の保管や検索が容易になり、業務効率の向上につながります。
ペーパレスの範囲を決める
ペーパレス化は、一気に導入する方法もありますが、コストや手間がかかるため、はじめは部分的に開始し、その範囲を広げる方法が一般的です。
例えば、まずは請求書や納品書などの書類から始め、次に社内文書、業務データなどを順次対象にしていくという方法があります。また、部署ごとにペーパレス化を進める場合には、営業部署や総務部署から始め、徐々に他の部署にも導入していくと良いでしょう。
部分的に始めることで、ペーパレス化の効果を実感しながら、段階的にシステムを導入していくことができます。トライアル的な導入方法を取ることで、課題や改善点を把握しやすくなるため、ペーパレス化の進め方を最適化することができます。
ペーパレスのためのツールを導入する
ペーパレス化を進めるためには、適切なツールを導入することが必要です。
具体的には、デジタル文書管理システム、電子署名、クラウドストレージ、デジタルメモなどが挙げられます。これらのツールを導入することで、書類の電子化やデジタル化を容易にし、業務の生産性を向上させることができます。
ただし、ツールの導入にあたり、必要な予算や人員の確保、セキュリティ対策なども考慮する必要があります。
ペーパレス実行のために社員に教育する
ペーパレス化を進めるためには、社員に教育することも重要です。
ツールの使い方だけでなく、情報リテラシー教育や情報セキュリティ教育なども行う必要があります。また、ペーパレス化に関するメリットや目的を明確に伝えることで、社員の理解を深めることも重要です。
さらに、ペーパレス化に関する取り組みを評価するための標準や目標を設定し、社員からのフィードバックを受け付けるなど、ペーパレス化の推進をリーダーシップで示すことも欠かせません。社員に積極的に参加してもらうことで、社員の意識改革を促し、ペーパレス化がスムーズに進むようにすることが、成功の鍵となります。
まとめ
本記事では、自社でペーパレス化を進めることになった担当者に向けて、ペーパレスの意味とはなにか、ペーパレス化するメリット・デメリットを紹介しました。また、実際にペーパレス化を進めるためのステップも併せて解説しました。
ペーパレス化は、自社でペーパレス化を進めることになった担当者だけでなく、紙を扱うのが不便だと思いながらもなかなかデジタル化を進められなかった企業にとっても、最新IT技術を活用しペーパーレス化を簡単に実現できます。
まずは、Qiita Team(キータ チーム)の資料や無料トライアルを使って、ペーパーレス化への第一歩を踏み出しましょう。
▼Qiita Team無料トライアルはこちら
https://teams.qiita.com/