安倍内閣のスローガンのひとつ『働き方改革』。よく耳にするワードではありますが、『働き方改革』の狙いはいったいどこにあるのでしょうか。 今回は、『働き方改革』がもたらす具体的なメリットと、会社として『働き方改革』を成功に導くために必要なこと。この2点を紹介します。
『働き方改革』がもたらす4つのメリット
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仕事と育児の両立が可能となる
内閣府の調査で、仕事をしている女性のうち、出産後も就業を続ける女性は53.1%、出産を機に退職する女性は46.9%という結果が発表されました(※1)。退職した女性の中には「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさでやめた」という人も約20%存在しています。(※1) 在宅勤務、短時間勤務など柔軟な働き方を提案している『働き方改革』の導入が進めば、個々の事情で働き方を選ぶことができるので、仕事を続けたくても続けられなかった女性の数は減少するでしょう。もちろん、実際に仕事と育児の両立に苦労している女性たちにとっても、仕事を続けやすい環境になることは間違いありません。 また、企業側にとっても、出産を機に優秀な女性社員が退職するのを防げるというメリットがあります。
長時間労働の是正から、生産性向上につながる
世界各国と比べて労働時間の長さが指摘されている日本。『働き方改革』は、長時間労働の是正という点でもメリットがあります。 そもそも『働き方改革』は、個人だけでなく、組織としての働き方をも見直す取り組みです。全社を挙げて無駄な残業を減らすことができれば、一人一人の自由な時間が増え、ワークライフバランスが向上します。社員のワークライフバランスが向上すれば、心身ともにストレスが解消され、仕事に対するモチベーションもアップ。 会社として生産性が向上するというプラスの循環が生まれるのです。
同一労働同一賃金が実現する
また、『働き方改革』には『同一労働同一賃金』というメリットもあります。 『同一労働同一賃金』というのは、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇の差をなくす施策のこと。個人の能力が同等ならば、雇用形態に関係なく同一賃金を支払うというものになります。 現在、日本の非正規雇用労働者は全雇用者の4割を占めています(※2)。『同一労働同一賃金』の導入が進めば、非正規雇用労働者の待遇が改善され、働き手はライフスタイルに合わせた働き方を選択できるようになります。
企業イメージの向上から、優秀な人材の獲得が可能となる
『働き方改革』は、ワークライフバランスの向上、無駄な残業の削減など、現代社会に合った働き方を目指す取り組みです。そのため『働き方改革』を積極的に推進することは、企業イメージを向上できるというメリットもあります。 企業イメージが向上すれば、優秀な人材を獲得することも可能となります。かつ、『働き方改革』が浸透した社内風土であれば、優秀な人材の定着につながり、組織力の向上も期待できるのではないでしょうか。
『働き方改革』を成功に導くためには、目的を明確に
メリットの多い『働き方改革』ですが、『働き方改革』という言葉は実に抽象的なものです。 そのため、『働き方改革』を実践していくためには、真の目的を明確にすることが何よりも先決です。経営層が現状に危機感を持ち、「働き方改革をしなければいけない理由」を真摯に考えなければ、たとえ経営層が旗振りを担ったとしても、取り組みが形骸化してしまう恐れがあります。 例えば、『XX時に全社消灯』というルールを決めている会社。長時間労働の是正のための施策としてよくありますが、仕事が終わらない社員はカフェで続きの仕事をする話や、自宅に持ち帰るという話も聞きます。サービス残業ということで残業代もつかない……これでは、社員のストレスが溜まるいっぽうです。 これは、目的を明確にせず、目先の取り組みや制度の導入のみで終わってしまった悪しき例といえるでしょう。 以前から、当たり前とされてきた働き方を変えるということは、当然ながら膨大な時間と労力がかかります。プロジェクトの立ち上げ、現状把握、仕事量や業務プロセスの見直し、体制作り、意識の改革、制度の改定……施策は多岐にわたるため、明確な目的がなければ、これらをすべて遂行するのは不可能ではないでしょうか。 しかし、逆の発想をすれば、現状に危機感を持ち、目的を明確にした上であれば、『働き方改革』を何が何でも実現しなければならないという強い共通認識を会社全体に生み出します。 『働き方改革』を成功させるためには、何よりもまず、目的を明確にすることを重要視しましょう。
まとめ
・『働き方改革』のメリットとしては、【仕事と育児の両立が可能となる】【長時間労働の是正から、生産性向上につながる】【同一労働同一賃金が実現する】【企業イメージの向上から、優秀な人材の獲得が可能となる】の4点が挙げられる ・「働き方改革」を成功に導くためには、経営層が現状に危機感を持ち、目的を明確にすることが第一歩 実際のところ、『働き方改革』の実現には多大な時間と労力を要するため、二の足を踏む会社も少なくないでしょう。 しかし、これまでの働き方では通用しない時代に突入しているのは事実です。 ぜひ、この機会に『働き方改革』について考えてみてはいかがでしょう?