最終更新 2023年5月21日

始末書の書き方3つのポイントとは?作成する際の3つの注意点も解説

「始末書の提出を求められたが、書き方が分からない」
「完璧な始末書を書いて上司からの信頼を取り戻したい」
仕事でミスをしてしまった社会人の中には、このような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか?

仕事をする中で、ミスやトラブルに直面することはあります。始末書の提出を求められたら、簡潔に事実のみを記載し、謝罪の気持ちを表すことが大事です。

ただし、始末書を書き慣れているという人は少ないはずです。そのため、どのような項目を記載すれば良いのか分からない人も多いでしょう。

そこで今回は、始末書の概要を解説し、記載すべき項目や書く際のポイント・注意点なども紹介していきます。

始末書とは

仕事でミスをして始末書を書かなければならなくなった、という社会人もいるかもしれません。そのようなシチュエーションはできる限り避けたいところですが、もし始末書を書く場合には正しい書き方を知っておきたいものです。まずは、始末書の基本的な知識や、顛末書・反省文などとの違いを学んでいきましょう。

始末書とは不祥事やミスをした社員が提出する報告書

始末書とは、不祥事を起こしたり仕事でミスをした社員が会社に提出する報告書です。

始末書には、不祥事やミス・トラブルが起こった「経緯」と「原因」、「解決策(再発防止策)」に加えて、「謝罪・反省」の言葉を記載します。

始末書は、社内に向けて報告するものであるため、取引先や顧客の目には原則触れません。

会社が始末書を書かせる目的は、再発防止を防ぐとともに、社員の反省を促して将来同様の行為を繰り返さないと誓約させるためです。

始末書が必要な場面の例

始末書の提出を求められるケースは、次の通りです。

  • 業務上でのミス・トラブル……誤発注、クライアントと揉めたり顧客に迷惑をかけた時など
  • 備品や資産の紛失・破損・消失……貸与されているPCや社員証、社用車の鍵などを紛失したり不注意で壊してしまった時、重要なデータを削除してしまい損害を出した時など
  • 就業規則違反……出退勤時間の記録改ざん、禁止されている副業を行った、副業の届出を怠った時など
  • 遅刻・欠勤……本人の怠慢で遅刻を繰り返したり、無断欠勤が続いた時など
  • 交通違反……業務中に駐車違反、交通事故を起こした時など
  • ハラスメント行為……部下や同僚に対して、パワハラ、モラハラ、マタハラなどを行った時

始末書・顛末書・反省文の違い

ミスやトラブルを起こした際に会社に提出する書類には、始末書のほかに、顛末書(てんまつしょ)や反省文があります。

始末書は、ことの経緯や原因、再発防止策の記載に加えて、反省や謝罪を促す目的があります。一方で顛末書は、反省や謝罪よりも経緯や背景に主眼を置いた書類です。また反省文は、反省や謝罪を記載し、迷惑をかけた関係者に対して詫びを入れるという目的があります。

始末書、顛末書、反省文の特徴をまとめると下表のようになります。

種類内容
始末書経緯・原因+再発防止策+反省・謝罪
顛末書経緯・原因+(再発防止策)
反省文反省・謝罪

始末書の書き方

ここでは、始末書の書き方について、「入れるべき項目」と「書き方のポイント」を解説していきます。

始末書に入れるべき項目

始末書はほとんどの場合、社内で統一されている様式があるでしょう。基本的にはそのテンプレートを使って必要な項目を埋めて、記載していきます。通常は、下記4項目で構成されています。

  • 年月日
  • 始末書の提出先
  • 表題
  • 本題

年月日

年月日は、始末書の作成日を報告書の右上に記載します。また、トラブルや不祥事を起こした日時は本文内に書きます。

トラブルが長期間にわたって続いた場合には、時系列で項目を記載します。その場合、項目ごとに発生日時や対応日時を掲載するようにしましょう。

始末書の提出先

始末書の提出先を左上に記載します。提出先は、直属の上司や部署長になるケースがほとんどでしょう。ただし、大きなトラブルの場合には、所属会社宛もしくは担当役員や代表取締役宛などになるケースもあります。

表題

表題は、「始末書」です。報告書の上部中央に大文字で記載します。当該書類が始末書であることが明瞭に分かるように書きましょう。

本題

本題は、分かりやすく端的に書きます。記載する内容は、次の通りです。

  • 経緯……どのようなトラブルやミスがいつ発生したのか
  • 原因……なぜそのミスなどが発生したのか
  • 解決策……具体的にどのように解決したのか、また再発防止策をどのように講じるのか
  • 謝罪……謝罪や反省などを記載し、今後同様の事案を繰り返さないと誓約する

始末書の書き方のポイント

始末書の書き方のポイントは次の3点です。

  • 内容は簡潔に書く
  • 事実のみを記載する
  • 謝罪の気持ちを表す

内容は簡潔に書く

始末書には、内容を簡潔に書きましょう。関係のない事柄や言い訳などは不要です。読み手が内容を誤読することなく正確に把握できるように、過不足のない情報を盛り込みます。

ビジネス文書の基本である、5W1H(When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)」)を意識すると、伝わりやすい文書が書けるでしょう。

事実のみを記載する

始末書には事実のみを書きます。憶測や想像、希望的な観測などの記載は避けましょう。事実に反する内容を書くと、責任逃れや責任転嫁をしていると思われる可能性があります。

事実のみを包み隠さず端的に記載することで、反省の態度を示すことができ、印象も良くなるでしょう。

謝罪の気持ちを表す

始末書は、事実関係と再発防止策に加え、謝罪や反省の気持ちを込めることが重要です。上記のように、簡潔に事実を述べることも重要ですが、最後に今後二度と同じミスやトラブルを起こさないと誓うことも大事です。

始末書で謝罪の気持ちを表し、態度に示すことで、失った信頼を取り戻せるように努力しましょう。

始末書の例文

以下に、始末書の例文を紹介します。内容は、「誤入力による発注ミス」です。

始末書

令和◯年◯月◯日、A社に対する発注書の入力でミスをしてしまい、会社に多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

A社への〇〇の発注数を誤って500と入力してしまいましたが、正しくは50でした。確認を怠り、間違いに気づかぬまま発注してしまい過剰な在庫を抱えることとなりました。

誤発注によって、倉庫の大部分を在庫品で占有してしまい、関係者の皆様に大変なご迷惑をおかけしてしまいました。改めて、お詫び申し上げます。

今回のミスは、毎週行う定型業務ということで気の緩みがあり、入念な確認作業を行わずに発注したために起きたものです。発注担当者としてあるまじきミスをしてしまい、申し開きのしようもありません。

これからは注文書の入力時と送信前にダブルチェックを行うことで、再発防止に取り組みたいと思います。

今後は襟を正し、これまで以上に最新の注意を払って発注業務にのぞみ、二度と同様のミスを犯さないことを誓います。

以上

始末書を作成する際の3つの注意点

ここでは、はじめて始末書を書く人に向けて、作成する際の注意点を3つ解説します。

  • 正当化しようとしない
  • なるべく早く提出する
  • 提出の形式を確認する

正当化しようとしない

始末書には、事実関係と再発防止策(解決策)、謝罪・反省を記載します。ここまで説明してきたように、簡潔に事実のみを伝えることが重要なので、だらだらと弁解がましく書いて自分を正当化しないようにしましょう。

例えば、トラブルやミスの発生原因が取引先相手のミスコミュニケーションや部下の不注意だったとしても、外部環境や他人のせいにしないように注意しましょう。

始末書を書いている自分が責任者であり、反省していることと、再発防止のために具体策に取り組むという姿勢を見せることが大事です。

なるべく早く提出する

始末書の提出を求められたら、できる限り素早く作成して提出しましょう。スピーディに対応することで反省の態度を示すことができます。逆に言えば、業務が忙しいからといって後回しにすると、事態の重大さを自覚していないと判断されるおそれがあります。

ただし、トラブルの内容によっては、事態が収束してから始末書を提出した方がよいケースもあります。提出のタイミングが自身では判断できない場合には、上司や上役に確認しましょう。

提出の形式を確認する

始末書のフォーマットは企業ごとに異なります。まずは、手書きかパソコンのどちらで作成すべきか確認することが大事です。

また、テンプレートの有無もあわせて確認する必要があります。企業や部署で始末書のテンプレートが用意されている場合は、それを活用しましょう。

まとめ

本記事では、はじめて始末書を書かなければならなくなった人や、正しい始末書を書いて上司の評価を取り戻したい人などに向けて、書き方や例文、注意点・ポイントなどを解説してきました。

仕事でミスをしたり、トラブルに巻き込まれることは往々にして起こります。始末書の提出を求められたら、必要な項目を簡潔に記載し、謝罪の気持ちを表すことが重要です。自己を正当化せずスピーディに対応することで、印象を良くすることもできます。

ミスをした場合でも元通りに信頼を取り戻せるように、正しい始末書の書き方を理解しておきましょう。

Qiita Teamで情報共有をはじめよう