「アジャイル組織やアジャイル思考を導入して、業務の効率化や業務改善を進めたい」「アジャイルを導入する時のポイントは何だろう?」「なぜ今ビジネスシーンでアジャイルが注目されているのだろう」
など、疑問や不明点を持っているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか?
特に経営者やリーダーにとって、組織運営や業務効率化は競争に勝つために不可欠といえます。一つの解決策としてアジャイル組織の導入やアジャイル思考の活用を検討する価値はあるでしょう。
そこで今回は組織運営に課題を感じているリーダーや経営者などに向けて、ビジネスにおけるアジャイルの意味や導入メリットなどを解説します。他に、アジャイルが注目されている背景や導入のデメリット・ポイントなども説明していきます。これからアジャイルの導入を検討している方にとって、役立つ情報をお届けします。
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ビジネスにおけるアジャイルとはなにか
まずはアジャイルの基本的な意味や特徴を解説していきましょう。
- 「アジャイル」の言葉の意味
- アジャイル組織の4つの特徴
「アジャイル」の言葉の意味
アジャイルとは「素早い」「機敏な」という意味があります。従来はソフトウェア開発の分野で広く知られていた用語であり、近年はビジネス全般で使用されるようになりました。変化する市場環境やビジネスシーンに迅速かつ柔軟に対応するマネジメントスタイルや思考を指します。
ソフトウェア開発では従来、「ウォーターフォール型開発」が主流でした。これは「要件定義」「設計」「実装」「テスト」「リリース」という工程を上から順に不可逆的に進めていく開発手法です。原則的には一つの工程が終わってから次の工程に進むという性質を持っています。一方でアジャイル開発は「要件定義」から「リリース」までを短期間で進める手法です。リリースした後に市場からのフィードバックを得て、改善・改良を行うというプロセスを連続的に繰り返します。
このような開発現場での「アジャイル」が近年、組織運営にも活用されているのです。つまり、短期間かつ小さな組織で実行と改善を繰りかえすことでビジネスを洗練させていくという手法です。アジャイル組織(思考)の実践によって、素早さと柔軟性の向上が期待できるため、市場や顧客の要望に即応できるというわけです。
アジャイル組織の4つの特徴
ビジネスシーンで広く知られるようになったアジャイル組織には、次の特徴があります。
- 権限がフラットに与えられている
- ビジョンを明確に共有する
- 意思決定やPDCAサイクルが迅速である
- メンバー同士の信頼性が高い
権限がフラットに与えられている
アジャイル組織ではメンバー全員に一定の権限が与えられています。これにより、自律的な判断と行動が可能になるため、顧客ニーズや市場環境などに迅速に対応したサービス開発ができるようになります。
また権限がフラットに与えられるということは、責任も付随します。小さなチームで行動するアジャイル組織では旧来型のトップダウン型組織とは異なり、各メンバーが自分で判断することが求められます。こうした自立的な組織で得た経験によって、個人の成長を加速させることができるので、イノベーションの促進にもつながるのです。
ビジョンを明確に共有する
アジャイルが根付いている組織では、明確なビジョンが共有されています。小さなチームで迅速に判断するためには、ビジョンや価値観、方向性を浸透させておく必要があります。自律的な判断を下すためには、基準となる軸が必要となるのです。その軸が、ビジョンであり価値観になるのです。
言い換えると、ビジョンなどを事前に共有していないと、個人が組織の方向性とズレた判断を下すリスクがあるということです。顧客対応や製品開発において、会社が目指す方向性と異なる判断を下すと、企業のイメージが失墜したり、組織とメンバーの意思疎通が難しくなります。
アジャイル組織で組織力を強化したい場合には、ビジョンの共有が大前提となるのです。
意思決定やPDCAサイクルが迅速である
アジャイル組織の特徴は素早さと柔軟性です。これにより、迅速な意思決定やPDCAサイクルの実行が可能になります。
アジャイル組織では小さなチームや個人が自律的に判断できるので、上長からの指示や許可を待つ必要がありません。そのため、スピーディーな意思決定が可能になるので、変化する市場ニーズに対応できたり、顧客の要望に素早く応えることができるのです。
またアジャイルの特性によって、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)のサイクルを高速に回すことも可能です。リリース後に市場や顧客のフィードバックを収集し、すぐに改善策を打てるのがアジャイル組織の強みです。
メンバー同士の信頼性が高い
アジャイル組織ではメンバー同士の信頼性が高いという特徴もあります。自律的な判断を下すためには、チーム内で常にコミュニケーションを図っておく必要があります。普段からの密なコミュニケーションの強化によって、良好な信頼関係の構築が可能になるのです。
信頼性が強い環境では、メンバーが自由に意見交換し、協力し合うことができるため、チーム全体のパフォーマンスが向上します。信頼関係が生まれることで、尊重し合える健全な風土が醸成できるのです。
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アジャイル組織が注目されている背景
アジャイル組織が求められる背景には、ビジネス環境の急速な変化があります。グローバル化やデジタル化が進む中で、顧客ニーズや市場環境は絶えず変化しています。また多様化や複雑化も進行していており、こうした変化に対応するためには、従来のような固定的な組織構造では対応が難しくなっています。トップダウン型の組織では意思決定が遅いため、対応が後手に回ってしまうのです。
アジャイル組織であれば要件定義からリリースまでを大幅に短縮できるので、市場ニーズに即応できます。改善と実行を繰り返すPDCAサイクルによって、小さな変化を見逃さずに対応できます。変化に柔軟に対応できれば顧客拡大にもつなげられるメリットがあるので、多くの企業でアジャイル組織への変革を試みているのです。
下図は、株式会社SHIFTが2017年に実施したアジャイル開発に関する実態調査です。この調査によると、約7割の企業がアジャイルの導入を進めています。

(出典:SHIFTがアジャイル開発に関する実態調査を実施 約7割の企業がアジャイルを導入 識者不足による組織全体への適応が課題題|@Press)
同調査では導入のきっかけとして、「ビジネス要求のスピードに対応するため」(72%)が最も多く、次いで「市場・技術的なリスクを削減するため」(28%)となっています。
2017年の調査でやや古いものの、多くの企業がアジャイル開発(組織)を実施中もしくは検討中であることがわかります。市場環境が複雑化する現在にあっては、アジャイル開発(組織)の注目度が一層高まっていることが推測できます。
アジャイル組織の3つのメリット
アジャイルを検討している経営者やリーダーは、導入メリットについて知りたい人も多いでしょう。期待できるメリットとしては、次の3つがあります。
- 適応力を向上できる
- パフォーマンスを向上できる
- エンゲージメントを向上できる
適応力を向上できる
アジャイルのメリットは、なんと言っても適応力の向上です。小さな組織で素早くPDCAを回せるので、変化する顧客ニーズや市場環境に対応しやすいのです。製品やサービスをリリースしたあとにフィードバックを収集・活用すれば、改善点や追加すべき機能などについて実態に即した対応が可能です。
仮に軌道修正が求められる状況に陥っても、すぐに方向性を調整できます。トライアンドエラーで改良を重ねることも可能なので、知見やノウハウを蓄積しやすい特徴もあります。
固定的な組織では判断の遅れによってビジネスチャンスを逸してしまうリスクもありますが、個人やチームが自律的に判断・実行できるアジャイルならば、素早い動きによってビジネスの拡大やイノベーションの促進も可能になるでしょう。
パフォーマンスを向上できる
アジャイル組織では権限と責任が付与されるため、自律的な行動が可能になるのでパフォーマンスアップも期待できます。
旧来型の組織では上意下達が基本となり、自分で判断できないために成長の機会も得られないというケースがありました。言われたことをやるしかない場合や意思決定を上長に任せきりという組織も多いでしょう。そうした硬直的な組織ではイノベーションも起こりづらいものです。
一方でアジャイル組織であれば各メンバーが最大限の能力を発揮し、チーム全体のパフォーマンスアップにもつなげられます。自分ごととして業務にのぞむことで、生産性の向上や効率面での改善も期待できるのです。
そうしたポジティブな変化はチームや組織全体にも波及し、ノウハウやナレッジの共有、協力的なマインドの醸成、お互いに尊敬し合う健全な組織への変化も期待できるでしょう。
エンゲージメントを向上できる
アジャイル組織では、メンバーがプロジェクトに対して高いエンゲージメントを持つことが求められます。自己組織化されたチームでは、メンバーが自分たちの仕事に対して責任を持ち、主体的に取り組むことが促されます。
これにより、メンバーのモチベーションが高まり、結果として組織全体のエンゲージメントが向上します。帰属意識や愛社精神が育まれることで、社員の定着が進むため、組織の継続的な発展にも寄与するのです。
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アジャイル組織の3つのデメリット
アジャイル組織への変革は良い点がある一方で、デメリットもあります。特に、次の3点について事前に理解しておきましょう。
- アジャイル化自体が難しい
- 十分なコミュニケーションが必要となる
- 明確なゴールがない
アジャイル化自体が難しい
アジャイル化するためには、組織の大幅な変革が必要になります。組織体制の変更や社員のマインドセットの改善は一朝一夕にいくものではありません。
個人やチームに権限や責任を付与して自己組織化の文化を浸透させることは、大きな挑戦になるでしょう。現在の組織や既存社員の性格・資質を考えた時、アジャイル化が最適解とはいえないケースもあります。
アジャイル自体が目的化すると、現在の業務に支障が出るおそれがあります。なぜアジャイル化するのか、どのような目的があるのかなどを組織で共有し、検討することが重要です。
十分なコミュニケーションが必要となる
アジャイル組織を作り上げて成果を出すためには、顧客やチーム内でのコミュニケーションの促進が必要です。
アジャイル開発は市場ニーズや顧客の要望を吸い上げて、製品開発に生かす手法です。そのため、適切なフィードバックの収集やニーズの的確な把握が不可欠です。
またメンバーが自律的に動くためにはチーム内での情報共有が必要です。誰がどのように動いているのかを把握し、進捗共有も定期的に行うべきでしょう。自律はスタンドプレーとは異なります。個人のパフォーマンスとチームのパフォーマンスが連動するように、協力しながら業務に取り組んでいくことが求められます。
十分なコミュニケーションを維持するためには適切なツールや仕組みを導入することも検討しましょう。
明確なゴールがない
アジャイル組織で仕事を進めると、明確なゴールを定めづらくなります。アジャイル組織では、変化する顧客ニーズや市場環境に対応しながら、製品・サービスを提供します。リリースしたら終わりではなく、改善や改良を行い続けるマネジメントスタイルなのです。
そのためゴールが不明確になり、プロジェクトの方向性が曖昧になることもあります。そうなると、メンバーが混乱したり、モチベーション維持が難しくなるのです。
アジャイル組織への移行に関する4つのポイント
アジャイル組織への移行を考えている経営者は次の4つのポイントを押さえておきましょう。
- 中央集権型から脱却は必須
- 学習のサイクルを迅速にする
- 自立的に判断して実行する
- 目的を重視する
中央集権型から脱却は必須
アジャイル組織への移行においては、中央集権型のマネジメントスタイルから脱却することは必須です。権限を分散させ、チームが自己組織化することで、迅速な意思決定と柔軟な対応が可能になります。
中央集権型のマネジメントスタイルを残したまま部分的にアジャイルを取り入れた場合、意思決定が遅れたり、社員の自律性を育むことができないリスクがあります。アジャイル組織は組織体制の変更とともに、マインドセットの変更を迫るものでもあります。経営層は、変化をおそれず、メンバーやチームの独立性を促進できるような決定をくだしましょう。
学習のサイクルを迅速にする
アジャイルの成功には、学習のサイクルを迅速に回すことが不可欠です。定期的な振り返りと改善のプロセスを組み込むことで、チームは常に最適な方法を選択できるようになります。
アジャイル型では、これまでのようなトップダウン型や前例踏襲型で仕事を進めることが難しくなります。多様化するニーズを素早く捉え、柔軟に対応するためには、継続的な成長と進化が不可欠です。
そこでは自主的な学習意欲を持つことや、学習を促す仕組み作りも必要になるでしょう。成長実感が得られれば自信にもつながり、やる気やエンゲージメントアップにも寄与するので、チーム全体に好影響が生まれます。
自立的に判断して実行する
アジャイル組織ではメンバーが自立的に判断し、実行する能力が求められます。各メンバーが自分の役割と責任を理解し、自律的に行動することで、迅速な意思決定と効果的な実行が可能になります。
自律性を高めるためには、組織が必要なリソースを提供したり、サポート体制を構築することが重要です。信頼感の醸成と尊重の文化を築くことが、アジャイル組織への移行に不可欠です。
目的を重視する
アジャイル組織では、チーム全体が共通の目的に向かって努力することが大切です。明確な目的や目標を設定し、それをチーム全体で共有することで目線を揃えることができます。スタンドプレーではなく、協力体制を構築することが何より大事なのです。
目的を共有することで、各メンバーは自分の役割を理解し、成果を出すための効果的な行動を選択できるようになるでしょう。また目的の共有は一体感を作るためにも不可欠です。アジャイル型の組織では少人数で素早く行動することが求められるので、チームワークがより重要になります。
チームで継続的に成果を出すためにも、定期的に目的を確認・共有する機会を設けるといいでしょう。
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まとめ
本記事ではアジャイルの基本的な意味から、メリット・デメリット、ポイントまでを詳しく解説しました。
アジャイルは現代のビジネス環境において重要な方法論であり、多くの企業が導入を進めています。アジャイル組織への移行は簡単ではありませんが、適切に実行することで、変化に対応できる柔軟な組織を構築することが可能です。
ビジネスパーソン、経営者、リーダーの方は、アジャイルの導入を検討し、自社の競争力を高めるための一助として下さい。


