1on1とは|メリット・デメリットや4つの注意点を解説

「1on1とは何か知りたい」「1on1を実施するメリット・デメリットを知りたい」はじめて1on1を導入することになった人の中には、このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?

近年、社員を成長させたり、成長をサポートするために「1on1ミーティング」を取り入れる企業が増加しています。1on1を適切に活用すれば、数多くのメリットが見込めますが、一方で「効果がない」「時間の無駄」といった否定的な意見もあるのも事実です。

そこで本記事では、1on1の基本概念や実施する方法、また最大限の成果を得るための注意点などを詳しくご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

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1on1とは何か

1on1とは、上司と部下が定期的に一対一でミーティングを行い、部下の成長をサポートするマネジメント手法です。1on1を繰り返すことで、問題の解決策を見出し、新たな気づきや成長をサポートできます。

1on1と聞くと、多くの人が目標設定や人事評価面談を想像するかもしれません。しかし、1on1はこれらのどれとも異なります。

次で、とくに混同しやすい「1on1」と「人事評価面談」との違いを確認していきましょう。

1on1と人事評価面談の違いとは

1on1と人事評価面談は、区別がつきにくい言葉ですが、目的や進め方などに違いがあります。人事評価面談は、従業員の業績評価や目標達成度の確認に焦点を当てています。これは通常、四半期に1回実施され、給与や昇進の決定に関連しています。

一方、1on1は週に1回〜月に1回程度実施されることが多く、従業員の業務に関する悩みからプライベートな内容まで幅広く話します。1on1は役職の上下関係はあるものの、従業員が直面する日々の課題やキャリアの進展について、「対話形式」で話すことが前提となります。1on1と人事評価面談は、両方のアプローチを効果的に組み合わせることで、従業員のモチベーションを高め、組織の成功に貢献することができます。

1on1が注目されている3つの理由

1on1が注目される背景には、以下3つの理由が挙げられます。

  • 価値観の多様化に対応するため
  • 離職防止が期待できるため
  • コミュニケーションの機会が減少しているため

価値観の多様化に対応するため

現代の職場では、従業員一人ひとりの価値観やキャリアに対する期待が多様化しています。従業員はもはや、単一のキャリアパスに満足することは少なく、個々のニーズや目標に合わせたサポートを求めています。

1on1は、このような個人の価値観や目標を理解し、それに応じたフィードバックや個別の指導を行う機会を提供します。上司やマネージャーは1on1を通じて、部下一人ひとりのキャリア展望を理解し、価値観の多様化に合わせた対応ができるのです。

離職防止が期待できるため

1on1が注目されている理由の中には、離職防止が期待できる点も挙げられます。従業員の離職は、どの組織にとっても大きな課題です。従業員が直面している問題や不満を解決できないままでいると、離職につながる恐れがあります。

逆に、信頼できる同僚がいて働くことが楽しい環境では、ストレスが減少し、積極的に業務に取り組むことができます。このような環境になっているかを把握できるのが1on1の魅力です。1on1は、従業員の業務環境を最適化し、離職率の低下に寄与するのです。

コミュニケーションの機会が減少しているため

デジタル化の進展やリモートワークの普及により、上司と部下の間でコミュニケーションをとる機会が減少しています。1on1を実施しない場合、対話時間が減り、誤解や不満が蓄積される可能性があります。特にリモート環境では、部下は自分の考えや感じていることを共有する機会を失います。

しかし1on1をすることで、問題が発生しても、すぐにそれらを共有し、フィードバックやサポートをすることができます。このようなコミュニケーションの機会を減少させないためにも、1on1は注目されています。

1on1のメリット・デメリット

効果的に運用できれば、メリットが得られるはずの1on1ですが、昨今「意味がないのではないか」「無駄ではないか」という声もちらほら聞かれています。

率直に言って、1on1には確かにメリットだけでなく、デメリットもあります。

1on1を実施する方法が悪かったり、上司と部下の相性が悪かったりすると、むしろ信頼関係を損ねてしまい、逆効果になりかねません。

この章では、そうならないためにも1on1のメリットとデメリットを掘り下げて解説していきます。

1on1の3つのメリット

まず、1on1のメリットを3つ解説します。

  • 部下の成長促進につながる
  • 部下との信頼関係を築ける
  • 生産性が向上する

部下の成長促進につながる

1on1は、部下の成長促進につながります。定期的に行われるこれらのミーティングには、部下のスキル強化、キャリアパス、そして悩み相談などに触れる機会を生み出します。

1on1を行わない場合、部下はキャリアパスが不明確なまま業務にあたったり、自己の強みや改善点を客観的に理解する機会を失います。その結果、モチベーションの低下や成長の停滞が生じ、組織全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。

定期的な1on1ミーティングを通じて、部下は自分自身の能力を最大限に発揮し、職場での自信を高めることができます。部下の成長促進につながるためにも、1on1は大切です。

部下との信頼関係を築ける

多くの企業は1on1ミーティングを通じて部下との信頼関係を築いています。

例えば、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが行った1on1ミーティング導入の調査によれば「上司と部下の関係性が良くなった」と感じている企業が40.9%に上ることが分かりました。さらに、「部下のモチベーションが上がった」と感じる企業も36.4%にのぼります。

(出典:1on1ミーティング導入の実態調査|株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)

これらのデータは、定期的な個別の対話が相互理解を深め、強固な信頼関係を構築する効果があることを示唆しています。部下と上司が信頼し合えていることで、部下が自分の意見や懸念を自由に表現する環境を生み出します。

また1on1があることで、上司は部下一人ひとりにあったニーズ把握も可能です。結果として、効果的なコミュニケーションとサポートが可能になり、組織全体のモチベーションや信頼関係の向上に寄与するのです。

生産性が向上する

1on1は、生産性が向上します。従業員が個別にフィードバックを受けることで、仕事に対する明確な目標と方向性を持つようになるからです。個人の目標と企業の目標が一致すると、従業員はより意欲的に業務に取り組み、効率的な成果を出すことができます。

1on1ミーティングを行わない場合、従業員は自分の業務が会社の何に貢献しているのかを把握しづらくなります。これにより、モチベーションの低下や目標に対するコミットメントの欠如が生じ、生産性が低下する恐れがあります。

定期的な1on1は、従業員が自分の仕事に価値を見出し、それを最大限に発揮するためのサポートを提供します。このように、1on1ミーティングは、組織全体の生産性向上にも寄与する重要な要素なのです。

1on1の2つのデメリット

次は、デメリットについて解説します。1on1を実施する際に代表されるデメリットは、主に以下2つが挙げられます。

  • 実施に時間を要する
  • 上司にもスキルが必要

実施に時間を要する

1on1の一つ目のデメリットとして、実施にかかる時間が挙げられます。これらのミーティングは通常、週に一度か月に一度、各従業員と約30分間行われます。

また、実際はこの時間に加えて、事前準備やフォローアップにも時間が必要です。とくに従業員数が多い上司にとっては、これらのミーティングに要する時間は相応に増加し、結果として他の業務にかける時間が減少する可能性が高まります。この点についてはデメリットと言えるでしょう。

ただしこのような時間的負担を軽減するためには、育成を強化したい特定の社員を選定したり、効率的な1on1を支援するツールを活用することが有効です。これらのツールは、「議題の事前提出」、「会話の記録や共有」、「従業員の心理状態の把握」、「目標達成の進捗分析」など、1on1の効率化をサポートする多様な機能を提供します。

このように、1on1ミーティングには時間的な制約があるものの、適切な計画とツールの活用により、このデメリットを最小限に抑えつつ、その効果を最大化することが可能です。

上司にもスキルが必要

1on1のデメリットとして挙げられる大きな問題として、1on1に臨む上司のスキルもあります。上司のスキルによっては、部下の成長度合いが左右されてしまうでしょう。

上司が傾聴スキル、適切なフィードバックの提供、明確な目標設定の能力などを持つことは、1on1ミーティングの成功に不可欠です。これらのスキルを使って従業員の話を注意深く聞き、適切なアドバイスや指導を行うことができれば、従業員は価値あるフィードバックを受け取り、自己成長につなげることができます。

逆に、これらのスキルが不足している場合、1on1はその潜在的な効果を十分に発揮できない恐れがあります。部下自身が自分で考え、解決策を見出せるように対話するためにも、上司にもこれらを引き出すテクニックやスキルが必要です。

1on1の進め方4つのステップ

この章では、1on1の進め方の4つのステップを解説します。

  • 導入の目的を組織全体に共有する
  • 実施日時を設定する
  • 1on1ミーティングを実施する
  • 定期的に実施し続ける

導入の目的を組織全体に共有する

1on1の導入を成功させるための最初のステップは、その目的を組織全体で共有することです。導入の目的を共有しないと、1on1の意義を理解しないまま実施することになり、その効果は大きく減少します。

目的が明確であれば、参加者はミーティングの重要性を認識し、より積極的に取り組むようになります。従業員のモチベーションの向上や組織内のコミュニケーションの質の向上のためにも、1on1を導入する目的は必ず共有しましょう。

実施日時を設定する

1on1を進める際は、実施日時を設定しましょう。とくに1on1の日時設定は、双方のスケジュールを考慮した上で行うことが重要です。

上司の都合だけで日時を決めると、部下が十分に準備できなかったり、他の業務に影響を及ぼしたりする恐れがあります。お互いの予定に合わせて日時を設定し、30分程度の短めの時間枠を確保することが、負担を減らしつつ効果的な対話を促進します。

また、ミーティングの場所選びも同様に重要です。上司だけでなく部下の意見を反映させ、話しやすい環境を作ることが大切です。例えば、会議室やオンライン、休憩スペースなど、状況に応じて最適な場所を選ぶことで、よりオープンで有意義な対話ができるでしょう。

1on1ミーティングを実施する

1on1ミーティングを実施する際は、部下が主体となって話す形式を取ることが肝心です。上司の役割は、部下が自由に話せるような環境を整えることにあります。これには、各従業員に対する関心の持ち方や、理解しようとする姿勢が重要です。

部下の本音を引き出すためには、次のようなポイントに注意して傾聴を心掛けましょう。

  • 積極的に質問して部下からの話を促す
  • アイコンタクトを保ち、適度に相打ちをする
  • 即座に解決策を提案せず、話をじっくり聞く
  • 肯定的なフィードバックを意識し、良いところを褒める
  • 部下の意見を尊重し、否定的な態度はしない

また、話した内容を記録し、後で振り返れるようにメモを取ることもおすすめです。メモは進捗管理に役立ち、クラウドツールや共有フォルダに保存することで、いつでもアクセス可能です。これらのアプローチにより、1on1ミーティングはより有意義で効果的なものになります。

定期的に実施し続ける

最後のステップは、1on1ミーティングを定期的に実施し続けることです。

一度きりの実施ではなく、持続的な取り組みによって、従業員の成長、信頼関係の構築、生産性の向上などの長期的なメリットが得られます。定期的な実施は、組織内のコミュニケーション文化を強化し、継続的な改善を促進します。

1on1を実施する際の4つの注意点

1on1ミーティングは、従業員とのコミュニケーションを深める貴重な機会ですが、その効果を最大限に引き出すためにはいくつかの注意点があります。以下に、効果的な1on1ミーティングを実施するための4つのポイントを紹介します。

話すテーマや質問をあらかじめ準備する

1on1ミーティングの前に話すテーマや質問を準備するように注意しましょう。とくに全員に同じ質問をするのではなく、各従業員の状況やニーズに応じてテーマや質問をカスタマイズすることが大切です。これにより、部下はより関心を持ちやすく、自分に合った具体的なフィードバックやサポートを受けることができます。

アドバイスや注意をしない

1on1では、アドバイスや注意を極力控えることが重要です。この時間は、部下が自分の考えや感じていることをオープンに話すための場です。

上司からの一方的な指導や批評をすることは適切ではありません。部下の自己表現を促し、彼らが自ら解決策を見つけるのをサポートするために、部下の話を傾聴する姿勢が望ましいです。

もちろん、部下からアドバイスを求められたときには行っても問題ありません。その場合にも、部下の意見を傾聴しながら行い、あまり長く語らないようにしましょう。

1on1では相手を評価しない

1on1ミーティングでは、相手を評価することを避けることが重要です。評価やパフォーマンスの判断を行うと、部下は自分を守るために本音を隠す可能性が高まります。その結果、オープンで信頼に満ちた対話が阻害され、1on1の真の目的が損なわれる可能性があります。

評価を伴わない環境では、部下は自分の弱点や懸念を安心して共有することができます。これにより、上司は部下のニーズや課題を理解し、適切なサポートを提供できます。1on1は、相互理解と信頼を深めるためのもので、評価や判断を下す場ではないことを念頭に置きましょう。

無理に話を聞き出そうとしない

1on1ミーティングでは、無理に話を聞き出そうとすることは避けるべきです。1on1ではプライベートな話題が出ることもありますが、それらを強制的に引き出そうとすると、逆に信頼関係を損ねる恐れがあります。部下が不快感を感じると、今後のミーティングでオープンに話すことが難しくなり、コミュニケーションの機会が失われてしまいます。

部下が自ら話題を選び、自分のペースで話すことを奨励しましょう。このように対話を促すことで、部下は自然に共有することができます。無理なく対話が行われることで、1on1はより有意義なコミュニケーションの場となり、部下の満足度とミーティングの効果を高めることができます。

まとめ

1on1ミーティングは、上司と部下間のコミュニケーションを強化し、従業員の成長とキャリアをサポートするための重要な手法です。この記事では、1on1の基本概念や、効果的な実施方法、さらにはそのメリットとデメリットについて詳しく解説しました。また、1on1ミーティングを実施する際の注意点についても触れ、より効果的な1on1の進め方について解説しました。

1on1を実施することで、部下は自分の意見や懸念を自由に表現でき、上司は部下のニーズに応じたサポートを提供できます。これにより、組織内の信頼関係が強化され、従業員のモチベーションと満足度が向上し、結果的に組織全体の生産性が高まります。1on1ミーティングを効果的に実施し、その潜在的な力を最大限に引き出すために、本記事で提供した情報を活用してください。