
新型コロナウィルスの影響からテレワークを導入した企業が増加しています。
テレワークを導入したことで企業と社員双方に様々なメリットがあります。
たとえば、企業はテレワーク導入によって優秀な人材を確保、オフィスのラーニングコストも削減が可能になります。
一方で、社員もテレワーク導入で通勤するのにかかっていた時間をうまく活用して、ワークライフバランスを実現したりと、企業と社員の双方にとってメリットがあります。
様々なメリットがあるのがわかってきたのと同時に、テレワーク特有の課題も見えてきました。
この記事では、テレワーク導入でみえてきた課題とその課題を解決するための実践的なアイデアや事例をご紹介します。
目次
テレワーク導入でみえてきた9つの課題
以下はテレワークにおける9つの課題です。
- メンタルヘルスの不調
- コミュニケーションが不足
- 暗黙知が共有されない
- キャリアアップのための評価が難しくなる
- 社内研修やメンタリングの効率悪化
- 運動不足になる
- セルフブラックが出てくる
- テレワーク環境がない
- 信頼関係の構築が難しくなる
1. メンタルヘルスの不調
テレワークには、「在宅勤務」「サテライトオフィス勤務」「モバイルワーク」といった3つの形態があります。
その中でも在宅勤務でのテレワークはストレスを溜め込みやすい環境と言えるでしょう。
自宅というのは本来、プライベートな空間で仕事を忘れて心を休めて安心できる場所であるはずです。
ですが、そこに仕事を想起させるものが存在するとなると、勤務時間が終了しても職場での緊張感が続いてリラックスできる時間や空間が失われます。
大袈裟に言えば、24時間オフィスで仕事をしているような気分になるかもしれません。
このような緊張状態はストレスとなり、精神的な不調や自律神経の乱れなどにつながります。
期限が迫っている案件が山積みになっている机のそばでゆっくりと眠りにつけるでしょうか?
多くの方は仕事が頭から離れず、気になりつつ眠ることになるはずです。
このような環境だと睡眠の質は落ち、なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めるなどの不調感をもたらします。
睡眠の不調とうつとの関連はこれまでの研究でも示唆されています。
うつ状態を予防するためにも、睡眠は「ただ眠ればいい」ということではなく「質の良い睡眠を得る」と考えることが大事でしょう。
在宅勤務でもスイッチを切り替えるためのアイデアとして「着替え」があります。
たとえば、オンとオフを意識的に切り替えるために、勤務時間はオフィス出社時と同じようにビジネスカジュアルな服装に着替え、勤務時間が終了したら、リラックスできる部屋着に着替える方もいます。
その他にも、仕事を始める時にコーヒーを淹れるなどの自分なりのルーティンを決めておくなどのTipsがあるようです。
在宅勤務でのスイッチを意識的に切り替える方法を自分で探してみてはいかがでしょうか?
2. カジュアルなコミュニケーションの不足
テレワークを導入したことでカジュアルなコミュニケーションの機会が減ったと思います。
オフィスに出社しているときなら、社内交流イベントや、ランチ会・飲み会などのカジュアルなコミュニケーションの場がありましたが、テレワークで仕事をしているとリアルで集まるのはむずかしくなります。
社内コミュニケーションは企業文化を形成する上でも重要です。
特に最近だと社員のコミュニケーションというのは企業文化を形成する上でも重要なことがわかってきました。
カジュアルコミュニケーションは、社員のモチベーション維持や仕事の生産性向上に寄与します。
ぜひ、カジュアルなコミュニケーションが生まれる施策の導入をご検討ください。
3. 暗黙知が共有されない
多くの企業で、暗黙知は問題となっています。
「これは、こういうものだよね」という、暗黙知という名の思い込みが、ある日大きなトラブルに発展しかねません。
また、「あの人しか知らない情報がある」という情報の属人化という問題もあります。このような問題も、テレワークでは大きな障害になります。
社内wikiツールを使って、日頃からスムーズな情報共有を行うことで、こうした問題を解消できるでしょう。
4. キャリアアップのための評価が難しくなる
テレワークのもう一つの課題は、仕事の評価が難しくなる事です。
多くの会社における評価で、重視されるのは仕事の成果だけではありません。勤務態度や、周りとのコミュニケーションの取り方、上司との関わり方など評価軸はさまざまです。
しかし、こうした「オフィス前提の評価」はもう通用しません。
明確で公平な評価軸を社内で決定しておくことをお勧めします。
5. 社内研修やメンタリングの効率悪化
2020年は、どの企業も新型コロナウイルスの影響で新人研修をテレワークで行うことを余儀なくされました。
しかし、画面越しでは社員研修の内容がしっかりと伝わっているのかわかりにくかったり、誰がメンタリングを必要としているのかが分からず、メンタリングが効率的にできなくなるという問題も起きていました。
このような問題の解決には、
- 同期とコミュニケーションをとりながら作業できる環境を整備する
- いろいろな社員と話す機会を与える
- すぐにフィードバックをもらえる環境を作る
- テストや発表などのアウトプットの機会を与える
といった施策を行うことが求められます。
6. 運動不足になる
テレワークの潜在的な課題が運動不足です。
実際に、人々の身体活動量が減少していることを示したデータも発表されています。
筑波大学大学院が健康機器メーカーのタニタが東京都内にオフィスがある大手企業の社員およそ100 人(平均年齢 48 歳)を対象に行った調査を分析したところ、新型コロナウイルスの影響が現れる前は、1 日の歩数は平均約1万 1,500 歩だったものが、テレワークに切り替えた社員は、その歩数が29%減り、座っている時間も長くなっていたことがわかりました。
中には1日の歩数が 70%減少し、1日2,700 歩程度と、厚生労働省が推奨している1日 8,000 歩を大幅に下回るケースもあったとしています。
運動不足によって肉体が健康を損なうことで、精神の健康も損なわれ、仕事の生産性にも支障をきたします。
ジムに通ったり、ランニングを習慣づけるなど、運動不足を解消する施策を行いましょう。
企業側が、社員の健康促進のために補助金制度などを作るのもいいかもしれませんね。
7. セルフブラックが出てくる
クリエイターなどの手を動かす職種の人からよく聞くのが、テレワークでの働きすぎてしまう通称「セルフブラック化」問題です。
テレワークではどうしてもプライベートと仕事の境界がぼやけてきます。
まず通勤時間が労働時間になり、だんだんと退勤時間が後ろ倒しに増えていき、最終的にはプライベートの時間がまったくないという話はよく耳にします。
生産性を向上させるためのテレワークなのに、セルフブラックになっては本末転倒です。
自分の人生を生き、生産性向上させるためのにも、ワークライフバランスを意識した仕事を心がけましょう。
8. テレワークの設備がない
オフィスに出社して仕事をする場合に、懸念する必要の無かったこともテレワークになると出てきます。
例えば、オフィスでは安全なインターネット環境があるが、カフェなどで仕事をするとなると悪質なフリーWi-Fiを使ってしまって、パソコンがウイルスに感染して社内のデータが漏洩なんてことになったらとんでもないことになりますよね。
また、そうした危険を避けて在宅勤務したとしても、デスクやイスなどが長時間座るには不向きな物で仕事に集中できない、集中力が続かないという話もよく耳にします。
設備・環境を整えて、生産性の高いテレワークを行いましょう。
9. 信頼関係の構築が難しくなる
また、テレワークで仕事をする場合、同僚との信頼関係を構築し、維持するのは非常に難しい場合があります。
テレワークでは、同じ空間を共有し、直接触れることがないため、モニターの奥にいる人の感情などに気が回らなくなってしまいがちです。
しかし、仕事はどこまで行っても人と人であり、信頼関係がなければいい仕事はできません。そして信頼はコミュニケーションから生まれます。Qiita Teamのようなコミュニケーションツールを導入して、コミュニケーションの活性化を図りましょう。
テレワークの課題を解決して、快適なテレワークを実施しよう!
今回はテレワークの9つの課題とその解決策を紹介してきました。
テレワークは上手く導入すれば生産性を向上させることができ、新型コロナウイルス感染症が蔓延する現状では従業員の命を守ることにも繋がります。
ツールなどを上手く活用して、テレワーク導入を成功させましょう!