
仕事を進めるうえでは、各人が適切にタスクを管理する必要があります。またチームで進めるプロジェクトにおいても、マネージャーがメンバーのタスクや進捗をしっかりと管理することが求められます。
しかし、実際にはタスクを期日通りに完了できないメンバーがいたり、非効率な進め方によってプロジェクト全体の進行に支障が出るケースもあるでしょう。
そこで今回は、タスク管理のメリットを整理したうえで、おすすめの管理方法を4ステップで紹介します。また、タスク管理を実践する際に注意すべき点も4つ取り上げます。タスク管理にITツールをおすすめする理由についても解説するので、作業効率を向上させたい方はぜひご覧ください。
目次
タスク管理とは作業内容を細分化して実行する手法のこと
タスクとは「やるべき作業」や「課題」を意味します。ビジネスシーンでは、仕事で行うべき作業を最小単位に分解したものを指します。
タスク管理とは、作業内容を細分化(タスク化)して実行する手法のことです。適切なタスク管理を行うことで、「今やるべき作業」が明確化するので業務効率化につながります。
タスクと似た用語に「TODO」がありますが、両者の違いは期日の有無です。タスクには期日が設けられており、TODOは明確な期限が設定されていない作業を指すのです。
タスク管理の3つのメリット
ビジネスパーソンが仕事を効率的に進めるためには、タスク管理を取り入れることが有効です。ここでは、なぜタスク管理を活用すべきなのかを理解するために、3つのメリットを解説していきます。
- 仕事内容を可視化できる
- 仕事の進捗状況を把握できる
- 仕事の優先順位が明確化する
仕事内容を可視化できる
タスク管理を実践することで、仕事内容を可視化できるようになります。
通常、多くのビジネスパーソンは複数のタスクを抱えているものです。すぐに終わる作業から重めの作業まで、短時日で処理できるものから比較的猶予があるタスクまでさまざまです。
こうしたタスクを頭の中だけで管理していると、作業の抜け漏れが発生したり、期日をオーバーしてしまったりするミスが起こりえます。
タスク管理によって、一度タスクをすべて洗い出すことで全体像を把握できます。それにより、やるべきことを忘れるリスクを軽減できるのです。
仕事の進捗状況を把握できる
タスク管理を実行することで、各タスクの進捗状況がひと目でわかります。
やるべきことを書き出し、「未着手」「着手中」「対応済」などとステータスを記入すれば、残っている作業がわかります。また、作業途中のタスクに関しては、到達度や達成度をパーセント表示することで、完了までの目安を把握できるようになるのです。
タスク管理は個人で活用する方法もありますが、チームで一括管理する時にも使えます。自分のタスク状況だけでなく、プロジェクトに関わるメンバーの進捗状況も確認できるようになります。そうすることで、マネージャーは管理業務を適切に行え、能率もアップできるでしょう。また、チーム内で業務量の調整ができるのも利点の一つといえます。
仕事の優先順位が明確化する
複数のタスクを抱えていると、何から手を付けて良いのかわからなくなるということも起こりがちです。タスク管理をすることで仕事の優先順位が明確化できるので、効率的に仕事を進めていけます。
マトリクス表を使って各タスクの緊急度と重要度を可視化すれば、今すべきことが明瞭になるでしょう。簡単なタスクから処理しているうちに重めの仕事が残ってしまい、結局期日に間に合わなくなったといったミスも防止できるはずです。
タスク管理のやり方4つのステップ
ここでは、タスク管理のやり方を次の4ステップで解説していきます。
- すべてのタスクをリストアップする
- それぞれのタスクを分類する
- タスクに優先順位を付
- 分類したタスクをスケジューリングする
すべてのタスクをリストアップする
最初にすべきことは、タスクのリスト化です。タスク管理を記憶に頼ると、処理漏れなどが発生し、あとでチーム全体に迷惑をかけるリスクがあります。必ず、すべてのタスクを抜け漏れなく書き出しましょう。
その際にはできるだけ具体的に書き出すことを心がけましょう。また、「やること」だけでなく、「やらないこと」や「以前はやっていたけれど、無駄だったこと」などもリスト化すると、作業効率をさらにアップできます。
それぞれのタスクを分類する
ここでは、洗い出したすべてのタスクをそれぞれの基準に沿って分類します。
「重要度」「緊急度」で分類するのが最優先です。その際には、縦軸が重要度、横軸が緊急度のマトリクス表を使って、4分類するのがもっともオーソドックスな手法だといえます。
他に、「依頼されたタスク」と「個人タスク」に分類する方法もわかりやすいのでおすすめです。上司や同僚にお願いされたタスクは、優先度が高い一方で、他のタスクに埋もれて忘れてしまったり後回しにしてしまう可能性があります。
処理が漏れると、チーム全体や上司からの評価にも影響がでてくるかもしれないので注意しましょう。
タスクに優先順位を付ける
次に、分類したタスクに優先順位を付けていきます。
重要度・緊急度ともに高いタスクを最優先に片付け、両者が低いタスクはあとに回すことで、効率的に処理できるようになるでしょう。
また、上司から突発的な指示があった場合には、すぐに処理しなければならないタスクも出てきます。その際に、優先順位を上げるなどの対応が必要になります。
新しいタスクが追加された際にもしっかりと管理できれば、イレギュラーな依頼にも柔軟に対応できるでしょう。
分類したタスクをスケジューリングする
最後にタスクのスケジューリングを行います。
期日から逆算して、開始日や終了日を設定します。上司に確認が必要なタスクは、先方の確認時間も加味して予定を組み立てましょう。
最初にスケジューリングしてから、途中で新しいタスクが発生することもよく起きることです。そのため、スケジュールを決める際にはある程度の余裕を設けておきましょう。
タスク管理には、ノートや手帳、Excel・Wordなどのソフト、パソコンやスマートフォンの専用ツールを活用するなどさまざまな手法があります。
アナログな方法は導入しやすいかもしれませんが、タスクの追加や修正、他のメンバーとの共有を考えるとデータで管理した方が効率化を図れます。使い慣れているExcelを活用したり、タスク管理ツールを新たに導入することを検討しても良いでしょう。
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タスク管理をやるうえで注意すべき4つのポイント
適切なタスク管理によって業務のパフォーマンスを向上させたい場合には、次の4つの注意点を把握しておく必要があります。
- マルチタスクはなるべく避ける
- メールボックスでのタスク管理を行わない
- 効率性を重要視する
- タスクを詰め込み過ぎない
マルチタスクはなるべく避ける
仕事をする際には、マルチタスクは避けて一つずつ着実に処理する方が効率的です。
複数のタスクを同時に進めた方が多くの仕事を早く完了できるような気になりますが、実際には集中力が途切れるので逆効果です。
例えば、一つの仕事に注力している時にメールの返事を書いたりチャットを確認したりする行為は、集中力をそぐ原因になります。まずは、取り掛かっているタスクを完了させてから、次のタスクをこなしていくというスタイルを習慣化することを心がけましょう。
メールボックスでのタスク管理を行わない
主要な連絡手段にメールを使っている職場では、メールボックスでタスク管理を行ってる人もいるかもしれません。しかし、作業効率などの観点から、メールボックスでの管理はおすすめできません。
メールボックスでのタスク管理は通常、未処理のタスクを受信ボックスに残し、完了するごとに処理済みのフォルダに移していきます。そもそもメールボックスにはタスクと関係ないメールもたくさん受信するので、重要なメールが埋没してしまうリスクがあります。
また、メーラーを開いてメールの文面を確認するという行為そのものが非効率的なので、タスク管理には向いていません。
効率性を重要視する
タスク管理はあくまで仕事の効率を上げるための手段なので、それ自体が目的化しないように注意しましょう。タスク管理自体にはなるべく時間を割かずに、業務全体の効率性を重視することが大事です。
複雑なソフトやアプリを導入して、ストレスを抱えたままタスク管理をすることも避けるべきです。ソフトやアプリを使う際には直感的に使えるものを選定しましょう。
タスク管理の手法にこだわるのではなく、どのような仕組みを作れば仕事に集中できるようになるのかを考えて実践することが重要です。
タスクを詰め込み過ぎない
タスク管理を行う時には、タスクを詰め込みすぎず、バッファ(余白、予備)を設けるようにしましょう。
時間に余裕がない場合、一つのズレが全体のスケジュールの遅延につながるおそれがあります。例えば、1時間で終わるタスクが3つある場合、それぞれに10分程度のバッファをとっておく方法があります。このケースでは、一つのタスクあたり70分程度の作業時間を確保することになります。
そうすることで、想定より時間がかかったとしてもバッファで吸収できます。結果、全体のスケジュールへの影響を抑えることができるのです。
タイトなスケジュール設定は作業品質にも影響を及ぼす可能性があるので、タスクの詰め込みはやめましょう。
効率的にタスク管理するならツールの活用がおすすめな4つの理由
ツールを導入することで、効率的なタスク管理が行えます。その理由について、ここでは4つの理由を解説していきます。
- 資料とタスクを紐づけできる
- チーム内でコミュニケーションが取れる
- 進捗状況を共有できる
- タスクの優先順位が明確化できる
資料とタスクを紐づけできる
タスク管理のメリットは、やるべきことの見える化や進捗管理にとどまりません。ツールを使えば、タスクと資料(ファイルや必要な情報へのリンクなど)を紐付けられます。
作業を行う際に、必要なデータを探したり、チャットやメールの文面を掘り起こす作業は手間になります。作業効率も著しく落ちる可能性があります。
ツールにすべての情報を集約できればムダな作業を省けるので、タスク処理に集中できるようになるのです。
チーム内でコミュニケーションが取れる
タスク管理ツールを活用すれば、チーム内でのコミュニケーションも可能です。
多くのタスク管理ツールにはメッセージ機能やチャット機能が付いています。そうした機能を使うことで、タスクについて不明点がある時にリアルタイムですぐに相談できるようになります。
また、タスクの振り分け機能がある場合には、マネージャーがメンバーに簡単に作業を依頼できます。対面でのコミュニケーションでは時間がかかるやりとりも、ツール上で行えば素早く対応可能なので、チーム全体の生産性向上も期待できるでしょう。
近年はテレワークの普及を受けて、チームのメンバーが離れた場所で働くケースも増えています。そうした環境下でも、メッセージ機能やチャット機能を使えば対面の場合と同等のスムーズなコミュニケーションが可能になるでしょう。
進捗状況を共有できる
ある程度大きなプロジェクトや複数のタスクを処理する場合には、より一層タスク管理ツールの導入メリットを享受できるでしょう。特にメンバー内で進捗状況を共有できる点は、魅力の一つです。
マネージャーがプロジェクトを統括する際には、メンバーに課している複数のタスクを適切に管理する必要があります。ツールを使えば、誰のどのタスクに遅れが出ているかがすぐに把握できるので、人員を追加したり別の人員をアサインしたりといった改善策が素早く打てるようになるでしょう。
タスクの優先順位が明確化できる
タスク管理ツールの中には、優先度を設定できるものもあります。今何を優先的にやるべきかが明確になるので、マネージャーや他のメンバーに逐一指示を仰がなくても自発的に行動できるようになります。
もし優先順位の高いタスクが残っていた場合、すぐに対応することでプロジェクト全体の遅延を未然に防ぐこともできるでしょう。
まとめ
本記事では、タスク管理のメリットや実際のやり方、さらにはタスク管理を取り入れる際に注意すべき4つのポイントも紹介しました。
タスク管理を行う方法はさまざまですが、チームでの作業効率向上や情報共有を促進させるためには、専用のITツールを使う方が良いでしょう。特に最近は、働き方の多様化を受け、テレワークの導入を進めている企業も増えています。
ITツールを導入すれば、離れた場所で働いていてもリアルタイムに情報共有ができます。メンバー間での進捗共有も可能になるので、作業の抜け漏れを防止でき、チーム全体のパフォーマンス向上にも貢献するでしょう。
例えば、社内向けの情報共有ツールであるQiita Teamを使えば、スムーズな情報共有や管理が可能になります。Qiita Teamでは、投稿やコメントの本文に簡単にチェックリストを作成できます。特に難しい操作を必要とせず、誰でも簡単に使える点もメリットの一つです。
Excelで手の込んだ管理表を作成するのが面倒な場合には、Qiita Teamのように簡易的にタスク管理ができるツールの導入がおすすめです。ナレッジ共有などにも効果的なツールなので、チーム内のコミュニケーションに課題を感じている組織には最適なツールとなっています。