
「研修報告書をどうやって書けばいいのかわからない」
「研修報告書を効率的に書くコツが知りたい」
という悩みを抱えている社会人は多いのではないでしょうか?
特にはじめて研修報告書を書くことになった新入社員やこれまであまり研修報告書を書いてこなかった社員の中には、何を書けばいいのかわからないと考えている人もいるでしょう。
そこで今回は、研修報告書の基本的な知識や目的、記載すべき項目、4つのコツなどを解説していきます。あわせて、研修報告書の具体例も紹介するので、ぜひ活用して業務に役立ててください。
目次
研修報告書とは研修内容や学んだことをまとめる報告書
研修報告書とは、研修名や日程、内容などの基本事項に加えて、気づきや学びなどの所感をまとめた報告書です。参加者の学びを深めるとともに、研修に参加できなかった社員への情報共有の役割も担います。
研修に参加した社員が研修で得た知識やビジネスに活かせそうなヒントなどを記録し、上司や同僚と共有することで、本人はもちろんチーム全体のスキルアップにもつなげられます。
研修で得た知識やヒントは、業務効率化や新規ビジネスの創出、業務改善などにも役立てられるため、研修報告書は会社にとって重要な文書といえるのです。
研修報告書作成の目的
研修報告書を作成する目的は次の3つです。
- 学んだことを記録するため
- 研修内容を記録するため
- 研修内容を検証するため
ここから分かる通り、研修報告書は受講者にとってだけでなく、企業側にも目的やメリットがあります。
学んだことを記録するため
1つ目の目的は、研修で学んだことや得たことを記録するためです。研修を通して感じたことや仕事に活かせそうなアイデアなど、所感を整理することで、学んだことを振り返り、より理解を深めることができます。
研修内容を記録するため
2つ目の目的は、研修内容や成果などを記録するためです。実際に研修で何をしたか、どのような成果が得られたかを記録し、社内に蓄積しておけば今後の業務に活かせます。また研修に参加していないメンバーが研修報告書を読むことで、新たな学びを得ることも期待できるでしょう。
蓄積された研修報告書を活用することで、誰がどのような研修を受講すると、どういった成果が得られるかということがある程度予測できるため、社員教育や人材開発にも役立ちます。
研修内容を検証するため
3つ目の目的は、研修内容を検証するためです。これは、研修を主催する側(企業)にとって、重要な視点です。実施した研修の成果を評価し、課題があれば改善することで、研修のクオリティを向上させることができます。
研修内容が適切に伝えられているか、学んだ知識やスキルが業務に活かせそうか、受講者のレベルと研修内容にズレがないかなども確認できるでしょう。
研修報告書に記載すべき項目
研修報告書は社内でフォーマットが用意されている場合には、それを使い適宜項目を埋めていきましょう。特にフォーマットが指定されていない場合には、一般的には次の項目を記載します。
- 作成日
- 実施日(研修日程)
- 所属部署・氏名
- 研修の名称
- 講師の名前
- 研修場所
- 参加者
- 研修の目的
- 研修の内容
- 学んだこと・気付いたこと・感想
なお、研修で使用した資料を添付したり、使ったツールやシステムを記載するケースもあります。会社ごとに研修報告書の記載ルールは異なるので、上司や同僚、講師などに確認するのが良いでしょう。
研修報告書を書く際の4つのコツ
研修報告書を書く際にはいくつかのコツを押さえることが重要です。特に、研修報告書を書き慣れていない新入社員は、次の4つの点を理解して、正確な報告書を作成しましょう。
- 研修中に細かくメモを取る
- 研修で使った資料を整理する
- なるべく具体的に書く
- 読み手に分かりやすいように書く
研修中に細かくメモを取る
研修中にはたくさんの情報が入ってきます。そのため、内容を忘れないためにも細かくメモを取ることが大切です。すべての情報を書き留める必要はありません。簡潔に要点だけをまとめることで、後で報告書を書く際にも役立ちます。
また、重要なキーワードや後から調べたい項目などもメモを取りましょう。研修後に自発的に調べたり学習することでより理解が深まり、知識を習得できます。
研修で使った資料を整理する
使用した資料は、研修後にしっかりと整理しておきましょう。資料は後で報告書を書く際に参考にできます。
当日使った紙の資料はもちろん、配布されたPDFやPowerPointのデータなども保存しておきましょう。また、研修概要が記載されたメールもフォルダ分けして、後からすぐに見返せるように整理しておくと報告書の作成を効率化できます。
資料が多い場合には、カテゴリで分けたり目次を作成するなど、後から一目で分かるように工夫することも大事です。
なるべく具体的に書く
研修報告書は、上司や同僚など、読み手を意識して具体的に書くことが重要です。抽象的な内容や研修の概要だけが記載されている場合、読み手は当日の研修のイメージがわきません。
例えば、仕事の進め方についての新人研修を受けた場合、「新しい考え方を学んだ」という抽象的な表現ではなく、「 G-PDCAサイクルというフレームワークを学んだ」など、固有名詞や具体的な手法の中身まで記載することを意識しましょう。
読み手に分かりやすいように書く
上司や同僚にとって分かりやすいように書くことがポイントです。回りくどい表現や抽象的な表現は避けましょう。簡潔にポイントを絞って記載することが大事です。
また要点を箇条書きで書いたり、適宜見出しを付けたりすることで読みやすさが増します。文章の中身だけでなく、体裁まで考えて報告書を作りましょう。
研修報告書の具体例
ここでは、新人研修をテーマに研修報告書の具体例を紹介します。

まとめ
今回は、研修報告書をはじめて書くことになった新入社員や、書き慣れていない社員に向けて、報告書の書き方の基本を解説しました。
社会人になると、新入社員研修やスキルアップ研修などの各種研修を受講する機会が増えます。また、外部のセミナーを受講しにいったり、ウェビナーを視聴することもあるでしょう。そうした時にも、多くの場合には研修報告書の提出が求められます。
研修報告書は、学生時代に書いていたようなレポートや感想文とは違い、事実を客観的に記載し、ビジネスに役立つ気づきやヒントなどを盛り込む必要があります。慣れないうちは書きづらく感じるかもしれませんが、ここで紹介した記載項目や4つのコツ、具体例を参考にすれば問題なく作成できるはずです。
クオリティの高い研修報告書を作成すれば、業務効率化やチーム力のアップにつながるだけでなく、上司からの評価も上がるかもしれません。研修報告書の基本を押さえつつ、読み手にとって分かりやすい文書の作成を心がけましょう。