
「議事録の目的を知りたい」
「議事録を作成する目的を知って、良い議事録を作成したい」
このように良い議事録を作成するための目的が分からず、思い悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
会議を行う上で、議事録は欠かせない存在です。しかし、見にくい議事録は、会議の決定事項が読み手に伝わりにくく、思わぬトラブルを招く恐れがあります。
本記事は、初めて会議の議事録を作成する人に向けて、議事録の基本情報やその目的、また良い議事録を作成するポイントなどを解説します。この記事を読めば、議事録の効果的かつ効率的な作り方を知って、良い議事録を作成できるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
議事録とは
議事録とは、会議や打ち合わせなどの議論の内容や、決定事項をまとめた文書を指します。通常、参加者の氏名や役職、会議の日時、場所などの基本情報から始まり、議題や議論の内容、意見や提案、結論などが詳細に記載されます。
また、議事録は後から参照するための資料としても使用されます。そのため、議事録には正確で詳細な内容が記載されることが求められます。議事録は、情報共有や意思疎通を円滑にするだけでなく、会議の成果を確認し、進行や改善点を把握するための貴重な手段となるのです。
次の章で、議事録の主な目的を理解していきましょう。
議事録の5つの目的
この章では、議事録の目的を以下5つに絞って解説します。
- 会議の内容を記録するため
- 決定したことを共有するため
- タスクを明確にするため
- 責任の所在を明らかにするため
- 過去の会議の流れを把握するため
会議の内容を記録するため
議事録の主な目的は、会議の内容を記録することにあります。会議ではさまざまなテーマや議題が議論されますが、それらを後で復習し、関係者に共有するためには明確な文書化が必要です。
議事録は会議の進行や意見の交換、意思決定プロセスなど、話し合った内容を記録することができます。また、欠席者や後から参加する人にとっても、会議の内容を把握するための貴重な情報源となります。
決定したことを共有するため
議事録は、決定したことを共有するためにも重要な役割を果たします。議論や意見交換を経て得た内容は、関係者や社内外に共有することがあります。このとき議事録は、決定された事項や方針、課題や改善点などをまとめた資料として役立ちます。
共有された議事録を読むことで、読み手は決定した内容について理解を深めることができ、スムーズな業務遂行につながります。また、議事録を共有することで、将来の業務改善や問題解決もできます。議事録は、会議で決定したことを共有するために欠かせない要素なのです。
タスクを明確にするため
タスクを明確にすることも議事録の目的の一つです。会議や打ち合わせでは、「誰が何を担当するか」、「いつまでに何をするか」など、多くのタスクが話し合われます。
しかし、話し合いだけで終わってしまうと、後で確認が必要になった際に、タスクがどうなったのか分からなくなる可能性があります。そこで、議事録を通じて、どのタスクが誰の担当で、いつまでにどのような状況であるべきかなどを明確に記録することが大切です。これにより、タスクの進捗状況が誰でも把握でき、業務効率が上がります。議事録の目的には、タスクを明確にすることも含まれているのです。
責任の所在を明らかにするため
議事録は、責任の所在を明らかにする目的もあります。後日何か問題が発生しても、その証拠となるものがなければ、責任を明確にすることは困難です。
しかし議事録があれば、議論の過程や意思決定に関して、正確に記録されているため、責任の所在を特定する手段となります。
議事録は後で誰がどのような提案をしたのか、どのような意見が交わされたのかを把握するために、大変有効です。
過去の会議の流れを把握するため
議事録は、過去の会議の流れを把握する目的があります。過去の会議の意思決定プロセスを把握することで、次回の会議にそれらを活かすことができるからです。
議事録で過去の会議の流れを把握することによって、読み手は何が議論され、どのような意思決定がされたのかを簡単に確認することができます。これにより、次回の会議での重要なポイントや未解決の課題に対してスムーズに取り組むことができます。議事録には、過去の会議の流れを把握し、将来に活かす目的が含まれているのです。
議事録に記載するべき項目
議事録は社内でフォーマットが用意されている場合には、それを使い適宜項目を埋めていくようにします。特にフォーマットが指定されていない場合には、次の項目を参考にして記載しましょう。
- 日付と場所
- 出席者・欠席者と役職
- 議長・司会者の氏名
- 議題のタイトル
- 議事の進行状況の要約
- 意見や提案事項の詳細な記録
- 決定された事項の記録
- 次回会議の日時や場所や議題
- 総括や所感などの付加情報
最初に日付と場所を記録します。次に、会議に出席した人々と欠席者の名前と職位を一覧にします。この情報により、いつどこで誰が参加した会議かを参照できます。
議長や司会者がいた場合には、その氏名を記録するようにしましょう。また、議題のタイトルを明確に記録することで、会議が何について話し合っていたかを特定できます。
議事の進行状況の要約も重要な項目です。会議がどのような流れで進行していたかを後で把握することができます。また意見や提案事項の詳細な記録を行うことで、参加者がどのような意見を出していたのかを把握することにつながります。
会議で決定された事項や次回会議の予定なども正確に記録することが重要です。これにより、決定事項を全体共有することができ、次回何を話し合うのかなどを事前に把握することができます。
議事録を作成する際は、以上の項目などを含めることで、会議の内容を正確に記録することが容易になります。議事録は、後できちんと振り返る資料にするためにも、漏れのないものを作りましょう。
良い議事録を作成する6つのポイント
議事録は会議に出席する参加者、あるいはその関係者に情報を提供するための重要な文書です。そのため、良い議事録を作成するためには特定のポイントに注意する必要があります。議事録の作成に不安な人や、初めて会議の議事録を作成することになった人は、次の6つのポイントを意識してみましょう。
- 簡潔にまとめる
- 結論ファーストで作成する
- 発信者を分かりやすく書く
- フォーマットを作っておく
- 必要に応じて図や表を活用する
- メモを活用する
簡潔にまとめる
良い議事録を作成するためには、情報を簡潔にまとめることが重要です。長くて冗長な文章では読み手が疲れてしまったり、重要なポイントが埋もれてしまったりすることがあります。そのため不要な内容は避け、要点を押さえて簡潔にまとめましょう。
例えば、議論や発言をまとめるときは、5W1Hを使うことが有効です。情報の要点を抽出して簡潔に記録することで、読み手が議事録を迅速に理解できるようになります。議事録を書く際は、長い文章や抽象的な表現は避け、簡潔にポイントを強調しましょう。
結論ファーストで作成する
良い議事録は、結論ファーストで作成することもポイントです。つまり、議事録の冒頭に議論のハイライトや決定事項などを明確に記述することが必要です。これによって、読者は議事録の目的や結論をすぐに把握することができ、時間を節約できます。また、結論ファーストで作成することで、議事録の作成者自身も、会議の成果や目的を振り返ることができ、どの情報が重要であるかを明確に把握することができます。
発信者を分かりやすく書く
良い議事録を作成するポイントの中には、発信者を分かりやすく書くことも含まれます。議事録には多くの参加者が関与することがあるので、発言者を特定することで議論や決定事項の文脈を正確に伝えることができます。
例えば、発信者の名前や所属組織を明記するだけでなく、発言の前に「Aさん:」や「Bチーム:」のようにラベルを付けることで、読み手が発言を追いやすくなります。また、議事録の中で複数の発信者がいる場合には、それぞれの発言を区別するために番号や順序を付けることも有用です。発信者を明示的に示すことで、議事録の信頼性と明瞭さが向上します。
フォーマットを作っておく
良い議事録を作成するため、事前に適切なフォーマットを作成しましょう。フォーマットは、議事録の構造を整理し、読みやすさと効率性を向上させる役割を果たします。
例えば、日付、会議のタイトル、出席者リスト、議題、議論の要点、決定事項など、先述した「議事録に記載するべき項目」の基本的なセクションを含むフォーマットを作成すると良いでしょう。フォーマットを事前に決めておくことで、議事録作成の手間を減らし、一貫性と品質を確保することができます。
必要に応じて図や表を活用する
議事録は、図や表を適切に活用することも重要です。図や表を使用することで、情報を視覚的にわかりやすく伝えることができます。
例えば、会議の議論の流れやプロセスを示すために、フローチャートやタイムラインを使用します。これによって、読み手は議論の進行や決定の経緯を追いやすくなります。
また、数値データや統計情報を示す場合には、グラフや表を活用することが有効です。グラフや表を使うことで、データの傾向や関係性を直感的に理解することができます。例としては、売上の推移や調査結果などの数値に基づく情報を視覚化することで、読者は明確なイメージを持つことができます。
ただし、図や表を使用する際には、必要に応じてラベルや説明を適切に補完することが重要です。過度に使用すると議事録が複雑になりすぎる可能性があるため、バランスを考えて活用しましょう。
メモを活用する
会議の内容や重要なポイントを抑えるために、できるだけメモを活用しましょう。メモを多く取ることで、会議の主要なポイントや重要な意見を後で書き起こしやすくなります。ただし、メモを取るスピードが追いつかない場合もあるため、メモの作成のコツを抑えることも大切です。
特に、メモを効果的に活用するためには、以下のコツを覚えておくと良いでしょう。
- 単語や数字をメモして要点を抑える
- 記号や装飾を活用する
- ショートカットキーを活用する
- メモ書きでは敬語は省く
単語や数字をメモして要点を抑える
効果的なメモの取り方の一つは、単語や数字をメモして要点を抑えることです。会議中に重要なキーワードや数値を抑えることで、後で議事録を作成する際に主要なポイントを見落とすリスクを減らすことができます。要点を的確に把握し、必要な情報を正確に伝えるために、単語や数字をメモする習慣を身につけましょう。
記号や装飾を活用する
メモのコツとして、記号や装飾を活用することも有効です。特に、「〇」「×」「?」などの記号や装飾を使うことで、意見や決定の肯定・否定・疑問を素早く表現することができます。
また、簡単な図やアイコンを使っても良いでしょう。例えば、「↑」「↓」「→」などの矢印を使って、意見の流れや方向性を示すことができます。これによって、会議の議論の動きを視覚的に把握することができます。
ただし、使う記号や装飾はあらかじめ参加者との合意があるか確認し、一貫性を保つようにしましょう。適度に使うことでメモ作業をスムーズに進められますが、過剰に使いすぎるとメモの見やすさや、議事録にするためのメモとして使用できず悪影が出る恐れがあります。メモに記号や装飾を活用する際は、バランスを考慮しましょう。
ショートカットキーを活用する
メモを効率的に取るために、PCで作業する場合はショートカットキーを活用することが重要です。ショートカットキーを使うことで、迅速かつスムーズにメモを作成することができます。
例えば、Ctrl+CやCtrl+Vでコピー&ペーストを行うことができます。また、Ctrl+BやCtrl+Iでテキストの太字や斜体化を行うこともできます。これらのショートカットキーを使うことで、マウスを使わずに素早く文字を編集したり、書式を変更することができます。
さらに、さまざまなショートカットキーを覚えることで、メモの作業効率を上げることができます。Windowsでは「Windowsキー」や「Altキー」を使ったショートカットキーが多数存在します。これらを使いこなすことで、より効率的な作業を行うことができるのです。
メモ書きでは敬語は省く
メモを取る際は、敬語を省くことが推奨されます。敬語は、公式文書などでは重要ですが、メモは即時的な情報共有や個人の目的のために作成します。
敬語を使用するとメモの作成に時間がかかるだけでなく、後で議事録を作成する際にも手間が増える可能性があります。議事録とメモ書きとでは性質が異なるため、敬語は省いて記述するようにしましょう。
まとめ
本記事では、初めて会議の議事録を作成する会社員向けに、議事録の目的と良い議事録を作成するポイントなどを解説しました。議事録の目的は、会議内容の記録や決定事項の共有、タスクの明確化、責任の所在の明確化、過去の会議の把握などがあります。
議事録は、簡潔にまとめて結論ファーストで作成し、発信者を分かりやすく書くなどのポイントを押さえることが重要です。また必要に応じて図や表を活用したり、議事録用のメモを作成することも欠かせません。
本記事を通じて、効率的かつ効果的な議事録の作成方法を学び、上司に評価される良い議事録を作成しましょう。