
マインドマップとは頭の中にあるアイディアや思考を図式化したものです。専用ツールなどを使うことで考えを視覚的に表現でき、ビジネスやプロジェクトの全体像を把握するのにも役立ちます。さらに、発想力や記憶力の向上、チーム力の強化なども期待できるため、ビジネスパーソンにとってはぜひ取り入れたい手法です。
ここではマインドマップに興味があり、まずは無料版から試してみたいと考えている人に向けて、代表的な機能やツールの選び方、おすすめのツール12選を紹介していきます。
マインドマップとはアイディアや思考を図式化したもの
マインドマップとは、頭の中にあるアイディアや思考を図式化したものです。マインドマップを活用することで思考を整理でき、発想力や記憶力を高めることができます。
また、わかりやすいプレゼン資料を作成する時やブレインストーミングを行う時にも効果を発揮します。専用ツールを使えばチーム内で共同編集できるため、コラボレーションの促進にもつながります。
漠然としたイメージを視覚的に表現することで、全体像を俯瞰できるようになる点もマインドマップの特徴の一つです。組織やプロジェクトの現状と直面している課題を可視化できるため、ビジネス課題を解決する際にも効果的な手法です。
最近は、無料で使えるマインドマップツールが多数登場しているため、業務で活用するビジネスパーソンも増えています。
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マインドマップツールの代表的な機能
マインドマップツールにはさまざまな種類があります。基本的な機能はおおむね共通していますが、無料ツールの場合は機能が限定されるケースがほとんどです。ここではまず、代表的な機能として以下の4つを紹介していきます。
- 共同編集
- タスク管理
- 外部システム連携
- プレゼンテーション機能
共同編集
Web版やクラウド型などインターネットを通じて使用するマインドマップツールでは、複数人での共同編集が可能です。オフィスに集まらなくても、自宅やコワーキングスペースなど離れた場所からでもリアルタイムに同一のマップにアクセスし、アイディアを書き込めます。
共同編集機能を使うことで、チームのコラボレーションを促進し、新たな着想やビジネスプランの創出につなげられます。
無料ツールや無料プランでは、多くの場合ユーザー数や作成できるマップの数に制限が設けられていることが一般的です。
タスク管理
タスク管理機能が付いているツールを使えば、個人またはチームでの進捗確認などにも役立てられます。マインドマップ上にタスクを追加し、「担当者」「優先度」「進捗度」「開始日」「完了日」などを設定することで、タスク管理ツールなどと同様の使い方が可能です。
専用ツールを使うことで、新しいタスクが発生した場合にもすぐにタスクを追加できます。また全体のタスクが一目でわかるため、タスクの抜け漏れ防止にも役立てられるでしょう。
チームで使う場合にはすべてのタスクの可視化と進捗状況の共有が可能になります。遅れや作業忘れが発生している場合には、別のメンバーが指摘できるのでミス防止にも効果的です。またマネージャーがタスクの振り分けを行う際にも、簡単な操作でできるので管理効率の向上にもつながるでしょう。
外部システム連携
多くのマインドマップツールでは、外部システムや外部のアプリとの連携機能があります。例えば、WordやExcelなどのOfficeソフトをはじめチャットツールやメモアプリ、カレンダーツール、ストレージサービスなど、自社で普段使っているシステムやツールと連携できれば作業効率のアップも期待できるでしょう。
ただし、連携機能を使えるのは有料ツールや有料プランのみという場合がほとんどです。
プレゼンテーション機能
豊富なテンプレートやデザインテーマの利用など、プレゼンテーション資料の作成時に役立つ機能をもつツールもあります。
色やデザイン、罫線やイラストなど、さまざまなスタイルを適用することで、よりわかりやすく伝わりやすい資料を作成できます。プレゼン内容や業種・業界にあったイラストやクリップアートが使えるツールもあります。
プレゼンテーションソフトと同様にメディアやスライドの追加も可能なので、操作手順などに迷うことなくストレスフリーで使いこなせるでしょう。
マインドマップツールの選び方のポイント
マインドマップツールを選ぶ際のポイントは次の4点です。
- マインドマップのタイプを確認する
- エクスポートのファイル形式を確認する
- 使用目的に機能があっているか確認する
- 無料で使える範囲を確認する
マインドマップのタイプを確認する
ツールの用途や働き方に合わせて、「インストール型」「クラウド型」「アプリ型」の3タイプから選択しましょう。
インストール型はパソコンにソフトをインストールして使うタイプです。多くの場合、料金は購入費用のみで、使用デバイスはパソコンがメインとなります。
クラウド型はインターネット環境があれば、パソコン・スマートフォン・タブレットなどから簡単に利用可能なタイプです。通常はサブスクリプションモデルで、初期費用とランニングコストがかかります。ユーザー数や利用できる機能によって料金が変動します。機能が限定されるものの、無料で使えるツールもあります。
アプリ型はスマートフォンやタブレットにアプリをインストールして使うタイプです。パソコンで使用するタイプよりは機能が限定されるケースが多いものの、モバイル端末で素早く利用できるので出先や移動中などの利用に最適です。無料アプリもありますが、機能を最大限に使いたい場合には課金が必要になります。
エクスポートのファイル形式を確認する
画像ファイルやOfficeソフトなど、エクスポート可能なファイル形式を確認しましょう。
無料版の場合、テキストなど最低限の書き出し機能しかありません。多くのツールでは複数の料金体系があり、料金が高いほど対応するファイル形式も多くなります。ファイル形式の一例は次のとおりです。
- Word、Excel、PowerPoint
- JPEG/PNG
使用目的に機能があっているか確認する
ツールの使用目的にあった機能があるか確認しましょう。
アイディアや考えを整理するためには、簡単にツリーを追加できたり、色やデザインなどビジュアル面での機能性も考慮した方がいいでしょう。チームでのコラボレーションを促進させたい場合には、マップの共有機能や作成マップ数の上限数をチェックしましょう。
また画像や動画データなどを追加する場合には、ストレージの容量も確認する必要があります。
先述したように、プレゼン機能、マルチデバイス機能、エクスポート機能、タスク管理機能、外部連携機能など、ツールによって機能はさまざまです。どのような用途で使うのか、まずはチーム内で議論して、解決したい課題や達成したい目標などを明確化しましょう。
無料で使える範囲を確認する
ほとんどのマインドマップツールは無料で使えますが、機能が制限されています。そのため、まずは無料で使える範囲を確認した上で試しに使ってみましょう。
無料ツールでは機能が足りない場合には、有料ツールの導入も検討する必要があります。その際には、利用できるマップ数やストレージ容量、使える機能、サポート体制など、多角的な視点からツールを比較検討しましょう。
おすすめの無料マインドマップツール12選
ここでは、無料のマインドマップツールの中からおすすめのサービスを12個厳選して紹介します。各ツールの特徴と無料版で何ができるのかについても解説していきます。
Xmind
Xmindは、マインドマップの中でもっとも人気のあるツールの一つです。Windows、Mac、Android、iOSの各デバイスに対応しているためデバイスを問わず利用可能です。
魚骨図、タイムライン、ツリーテーブル、組織図、ガントチャートなど、さまざまなテンプレートに対応しているため、ディスカッションやブレインストーミング、提案資料など、あらゆるビジネスシーンに活用できます。
無料版の場合、画像の貼り付け、添付ファイル、ブランチの自由配置、パスワード設定、出力機能など一部の機能が制限されます。
サイトURL:https://jp.xmind.net/
MindMeister
MindMeisterはWebベースのマインドマップツールで、世界2,700万人のユーザーに愛用されています(2022年12月時点)。シンプルなUIで直感的に使えるのが特徴です。また、リアルタイムの共同編集も可能なのでコラボレーションもはかどります。
生産性を高めるための機能として、アウトラインモードやフォーカスモードなどもあり、MeisterTaskと連携すればタスク管理ツールとしても活用可能です。
無料プランではマップの作成は3枚までですが、チームでのマップ共有やリンク共有はできます。
サイトURL:https://www.mindmeister.com/ja
Coggle
CoggleはWebベースのマインドマップサービスで、変更履歴の管理が直感的にできるので共同作業にも適しています。
ブランチの追加や結合、イメージの挿入なども簡単にできるので、アイディアの整理や業務フローの作成にも役立ちます。
無料版の場合に作成できるマップは3枚までに制限されています。
サイトURL:https://coggle.it/
EdrawMind
EdrawMindはマルチデバイス対応のマインドマップツールです。通常のマインドマップはもちろん、「ツリーマップ」「タイムライン」「サンバーストマップ」「魚骨図」「バブルチャート」など、各種テンプレートに対応しています。
他に、ブレインストーミングモード、議事録作成に役立つアウトラインモード、プレゼンテーションモード、ガントチャートモードなど、利用シーンに応じて簡単に切り替え可能です。複数人同時編集や多彩なインポート/エクスポート機能を搭載している点も魅力です。
Android/iOSでは、無料版でも追加可能なトピック数が無制限となっています(デスクトップ/オンラインの場合のトピック数は100まで)。ただし、透かしなしのエクスポート機能、ファイルの暗号化など多彩な機能を使いたい場合には有料版に移行する必要があります。
サイトURL:https://www.edrawsoft.com/jp/edrawmind/
Cacoo
Cacooはクラウド型のビジュアルコラボレーションツールです。「いつでも・どこでも・誰とでも」作図が可能なため、チームでのイメージの共有やプロジェクトの可視化などに効果を発揮します。
フローチャート、ワイヤーフレーム、AWS構成図、マインドマップ、組織図などのテンプレートが用意されており、直感的な操作も可能なのでITツールが苦手な人でも簡単に使いこなせるでしょう。
Googleドライブ、Microsoft OneDrive、Box、Slack、Microsoft Teamなどの各種ツールとの連携によって業務効率化が図れます。
フリープランでは図の作成枚数が6シートまでとなっています。また、書き出し形式もPNGのみ(有料プランはPNG、SVG、PDF、PPT、PostScriptに対応)、アップロードできるファイルサイズも500KBまで(同10MBまで)など、機能が制限されます。
サイトURL: https://cacoo.com/ja/home/
Mindomo
Mindomoは、マインドマップ、コンセプトマップ、アウトライン、ガントチャートの共同作業が可能なWebツールです。
ブレインストーミングや事業計画の作成、タスク管理などに役立つ機能を搭載し、チームでの共同作業から個人でのアイディアの整理までシーンを選ばず利用できます。
フリープランでのマップの作成は3つまでですが、共同作業やマップの共有は可能です。
サイトURL:https://www.mindomo.com/ja/
Lucidchart
Lucidchartは、アイディアの可視化とチーム内での連携を促進させる作図・資料作成サービスです。業務プロセスや組織構造など、複雑化しがちな情報をわかりやすくビジュアルで表現することで、メンバー全員の理解を深めるのに役立ちます。
Google、Microsoft、Slackなどの各種グループウェアやチャットツールとの統合によってワークスペースを整理すれば、作業効率のアップにもつながるでしょう。iOSやAndroidにも対応しているのでモバイル端末からのアクセスも可能です。
フリープランで編集できる文書は3つまでですが、図形60点、テンプレート100点の利用は可能です。
サイトURL:https://www.lucidchart.com/pages/ja
MindMup
MindMupはGoogleドライブで共有可能な、オンラインマインドマップツールです。多彩なショートカット機能によって、スムーズな操作が可能となっています。作成したマップはPDFやPPTに変換でき、オンラインでの共有も素早く行えます。
無料版でも無制限にマップを作成・保存できる点が大きなメリットです。
サイトURL:https://www.mindmup.com/
Brainio
Brainioは、マークダウン方式で記述することによってマインドマップが作れるツールです。メモをとる感覚でマップも作れるため、能率的に作業を進められます。
マインドマップには色を付けたり、リストを作ったりできるのでタスク管理にも役立ちます。
無料版の場合、ドキュメントは10個まで、ストレージ容量は200MBまでとなっています。ただし、コラボレーション機能などは無料版でも利用可能です。
サイトURL:https://brainio.com/#/
miro
miroは、世界で4,500万人が導入しているマインドマップツールです。オンライン上で使えるため、リモートワーク環境下でのブレインストーミングやプロジェクトの管理、ビジネス戦略の立案などの際に効果を発揮します。
メンションやコメント機能でコミュニケーションを促したり、タイマー機能によってブレインストーミングの効率化を図ることもできるでしょう。300種類以上のテンプレートがあるため、さまざまな用途やニーズに対応可能です。
フリープランで編集できるボードは3つまでです。ただし、テンプレートやツールの連携はフリープランでも利用できます。
サイトURL:https://miro.com/
FreeMind(ダウンロード版)
FreeMindはマインドマップが作成できるフリーソフトです。WindowsおよびMacで使え、Linuxでも利用可能です。
シンプルなデザインと直感的なUIが魅力で、動作が軽いのも魅力の一つです。エクスポートできるファイル形式はPDFやPNGに対応しています。シンプルな機能を追求したいユーザーに向いているといえるでしょう。
サイトURL:https://ja.osdn.net/projects/freemind/
TinkSpace(アプリ)
TinkSpaceはiOSアプリに対応した思考整理ツールです。無限に広がるキャンバスを活用することでアイディアの整理や発想につなげられます。
マインドマップの作成はもちろん、ブレインストーミング、フローチャート、共同編集などの各種機能も搭載しています。
iPad版ではApplePencilを使った手書きにも対応しているので、より柔軟かつ自由なビジュアル化を可能にします。
基本無料で使えますが、アプリ内での課金が必要なケースがあるので注意しましょう。
サイトURL:https://apps.apple.com/us/app/thinkspace-mind-map-note/id1335574515
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まとめ
本記事では、マインドマップツールの基本機能や選び方のポイント、無料で使えるマインドマップツール12選を紹介しました。
マインドマップツールは、思考の整理やアイディア出しだけでなく、記憶の定着などにも役立ちます。ビジネスシーンで活用すれば、チームでのコラボレーション促進などにもつながるので生産性向上にも寄与するでしょう。
これまでマインドマップツールを使ってこなかったビジネスパーソンは、まずは無料ツールの導入を考えてみましょう。多くの場合有料ツールに比べて機能の制限はありますが、使い勝手やできることなどを把握するのには役立つはずです。
業務の効率化はもちろん、生産性を上げるためにもマインドマップツールの導入を検討してみましょう。