
いかなるビジネスシーンにおいても、社内での情報共有の活性化が進んでいるほど、出せる成果も大きくなります。
- 個人が困っていることを共有して、チーム全体で助け合う文化が根付き、成果が出やすい環境作りに成功した。(詳しくはこちら)
- 情報共有ツールの導入が上手く進み、無駄な会議の回数を減らせた。さらに、そのツールは部門間の壁を取り除く役割も果たした。(詳しくはこちら)
など、情報共有が円滑に進むことで、ポジティブな効果を実感しているチームが多々ある中、いまだに情報の伝え忘れによるミスが減らないと頭を抱えるチームもあるでしょう。 良かれと思って情報共有を実践するものの、その結果に差が出てしまう原因は、どこにあるのでしょうか。 今回は、情報共有が上手いチームと情報共有が滞ってしまうチームの違いについて比較してみました! まず、情報共有が上手いチームの特徴を挙げます。
- 情報共有の目的とメリットについてチーム全体が認識している。
- 1日の業務の中に情報共有のための時間が設けられており、そこで情報共有することが習慣化している。
- チーム内の情報共有が上手く進んでいることが、チームの自信につながるような文化が形成されている。
次は情報共有がうまくいかないチームの特徴を挙げます。
- :コミュニケーションにかけるコストを無駄だと捉えているメンバーがいる。
- :自分しか知り得ない情報があることが、他のメンバーとの差異化につながると思っている。
- :共有すべき情報・ノウハウが何か分からない。
他にも、情報共有の活性化を阻害する要因はありますが、今回はこの3つに焦点をあて、比較していきます。
目次
1、情報共有にかけるコストを無駄だと思っている
情報共有が上手くないチームでは、情報共有のために割く時間や情報共有ツールを導入する際にかかる費用などを、無駄なコストだと捉えている傾向があります。確かに、情報共有によってもたらされる成果は長期的で、即座に目に見えるものではありませんから、情報共有に時間を使うことを疑問に思うメンバーが出てきてしまうのも無理はありません。 こういったメンバーは、情報共有に自分の業務時間を削がれるのが嫌で、必要最低限の情報伝達しかしなくなってしまうことが懸念されます。 上手いチームはここに関して、情報共有をスケジュールに組み込むことで、解消しています。 例えば「毎日、終業前の15分間は情報共有にあてる」といった業務の一環としてスケジュール化すれば、情報共有を無駄なコストと捉えているメンバーも「情報共有が自分の業務の邪魔になっている」とは考えなくなるでしょう。また、情報共有をスケジュールに組み込むことには大別して2つのメリットがあります。 1つは、話しかけてよいタイミングを見計らうなど、情報共有をする際における配慮の必要がなくなり、情報共有が習慣化しますので、「情報共有をするのが当たり前」という文化が生まれます。2つめは、情報の伝え忘れから起こる信頼関係の悪化を防げることです。情報の伝え忘れは、「言った、聞いていない」とった状況を生み、メンバー同士の信頼関係に傷をつけますから、ゼロにしていきたいところです。
2、自分しか知り得ない情報や知識があることが、他のメンバーとの差異化につながると思っている
情報共有が上手くないチームでは、自分だけが知り得る情報を持っていることで、他のメンバーより優位に立ちたいと考えるメンバーがいるため、情報共有が円滑に進みません。 上手いチームはここに関してどうアプローチするのでしょうか。
- 情報共有することには、デメリットよりメリットが大きいとメンバー全員が認識している
- チーム内の情報共有が上手く進んでいることが、チームの自信につながる文化がある
例えば、社内の大きな報告会などで成果発表をする際、結果の報告と一緒に、チームで実践してみて効果があった情報共有のハウツーを提供したり、「こんなコンテンツを情報共有の際に、テンプレートにプラスして伝えるようにしています」など、チーム独自の情報共有の工夫を発表したりするのです。そこで、他のチームから「うちのチームでも実践したい」といった賞賛を得ることで、”チームで情報共有を円滑に進めることは誇りなのだ”という文化を作り出せます。
3、情報共有の際に共有すべき情報・ノウハウが何なのか分からない
上手くないチームでは、人によって伝える内容がバラバラで情報共有ができていません。情報共有で伝えなければならない内容を明確に定めていないチームでは、メンバー個人が独断で伝えるべき内容を選択してしまいます。そのような状況下では、タスクの経過状況の報告を省略して結果だけを伝えたり、自分に落ち度のあるミスを伏せた内容を伝えたりすることもあり得ます。 上手いチームはここに関してどうアプローチするのでしょう。 伝える項目をチーム全体で統一しています。例えば、日報なら必須情報として以下の4項目はベースとして毎回伝達すると定めます。
- 業務の経過状況
- 完了タスク
- 不明点・困りごと
- 成果を増大させたティップス
こうして伝える項目を決めておくことで、伝え漏れや情報共有における個人差を防げます。 また情報共有で伝える内容を各自で考える手間が省けるため、情報共有が気楽に行えるようになります。
まとめ
以上が、情報共有が上手いチームとそうでないチームを比較したときに見られた差と、課題に対するアプローチ方法です。 情報共有を円滑にするためには、各自にまかせっぱなしにしておくことはせずに、情報共有を促す会社の雰囲気作りや仕組み作りが大切です。