最終更新 2023年5月21日

電話対応マニュアルの基礎!受ける時と掛ける時にやるべきことを解説

「電話対応が苦手なので克服したい」

「電話対応をうまくこなすコツやポイント、注意点が知りたい」

という課題を抱えている新入社員は多いのではないでしょうか?

特に若手社員のうちは、会社に掛かってきた電話に率先して出る必要があります。また入社後すぐにアポや営業電話で電話を掛けたり、コールセンターなどで電話を取る機会が増える人もいるでしょう。

そこで今回は、電話対応の基礎を説明し、電話を受けるときと掛けるときのコツや注意点を解説します。より良い電話対応ができるためのポイントも取り上げるので、ぜひ一読して日常業務に役立ててください。

電話対応マニュアルの基礎

電話対応は会社員にとって必須のビジネスマナーです。電話対応の良し悪しによって会社の印象ががらりと変わったり、アポ取りや営業電話の成果にも大きく関わってきます。新入社員はもちろん、中堅やベテラン社員にとっても重要なスキルといえるでしょう。

ここでは、電話対応について、基礎やポイントなどを整理していきましょう。最低限押さえておきたい項目は次の4つです。

  • 会社の代表であるという自覚を持って対応する
  • 「もしもし」という言葉は使わない
  • 電話は静かに切る
  • 自分の名前や部署は明確に伝える

会社の代表であるという自覚を持って対応する

電話を受ける人は会社の代表であるという自覚を持ちましょう。ビジネスマナーに反していたり、非常識な対応をすると、会社の評判を落とします。元気にはっきりと話し、明るい態度で受け答えするのが基本です。

「もしもし」という言葉は使わない

ビジネスの場で電話を受ける時・掛ける時には、「もしもし」という言葉は使いません。「もしもし」はプライベートの場では一般的ですが、ビジネスシーンではフランクすぎたり、稚拙な印象を与えたりするので、相応しくありません。

電話を受ける時には、「はい、株式会社〇〇でございます」や「株式会社〇〇 〇〇部の〇〇でございます」と名乗るのが普通です。また最初に「お電話ありがとうございます」とひと言添えると印象が良くなるでしょう。

電話を掛ける際には、「お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇と申します」とするのが一般的です。

電話は静かに切る

電話を切る際に受話器を雑に置くと、相手に不快感を与えてしまいます。ガチャッと大きな音が鳴ったり、ガチャガチャと耳障りな音を立てることがないように配慮しましょう。

指でフックスイッチを押しながら受話器を戻すと、静かに電話が切れるので取り入れてみましょう。

自分の名前や部署は明確に伝える

電話を受ける時も掛ける時も、自分の名前や社名・部署は明確に伝えましょう。ビジネスマナーであると同時に、常識ともいえるでしょう。

電話を受ける時には、「株式会社〇〇でございます」と社名だけ言うケースもあります。一方、部署と名前を必ず言うように社内でルール化しているケースもあるでしょう。もし前者であれば、電話を切る際に「株式会社〇〇の〇〇部、〇〇が承りました」と伝えましょう。

一方、電話を掛ける時には最初に社名・部署・名前を伝えるのが一般的なビジネスマナーです。相手にとって聞き慣れない社名や部署などの場合、先方がメモを取り損なう可能性も考えられます。そうした場合には、最後に再度自分の所属と名前を繰り返すと良いでしょう。

電話を受ける時の電話対応マニュアル

電話を受ける時には、相手を不快な気持ちにさせないように、以下のマナーを守りましょう。

  • 電話は3コール以内に取る
  • 相手の名や要件を復唱する
  • 保留にしてから取り次ぐ
  • 担当者が不在の場合は要件を聞く
  • 伝言メモを残す
  • 受けた電話は相手が切ってから切る

電話は3コール以内に取る

会社に掛かってきた電話は、3コール以内に出るのが基本です。できる限り早く出て、相手を待たせないようにしましょう。業種・職種によっては、1コールで出ることを推奨している会社もあるかもしれません。その場合は、社内の電話対応ルールを遵守しましょう。

対応が遅れ、4コール以上待たせてしまった場合にはお詫びのひと言を添えるのが良いでしょう。

(例)

「大変お待たせしました。株式会社〇〇でございます」

相手の名や要件を復唱する

電話を取り次ぐ場合やメモを書き残す場合には、必ず相手の所属・名前、要件を復唱しましょう。初めて聞く社名や名前は、聞き間違える可能性があります。また要件が込み入っている場合には、うまく聞き取れない可能性もあるでしょう。

そうしたケースでは、復唱することで相手に確認してもらうという狙いもあります。もし名前や要件が間違っていたら、相手から修正してもらえます。曖昧なままにして、取り次ぎをしたり、メモを書くと後でトラブルに発展するリスクもあります。取り次ぐ相手に正確に情報を伝えることを、まずは重視しましょう。

(例)

「株式会社△△の△△部長様ですね。いつも大変お世話になっております」

「□□の件でございますね。担当の〇〇に代わりますので、少々お待ちください」

保留にしてから取り次ぐ

電話を別の人に取り次ぐ際には、必ず保留ボタンを押しましょう。隣に座っている人に代わる場合でも、保留が基本です。

送話口を手で押さえて、隣の人に受話器を渡すのはNGです。また、取り次ぐ人の内線番号を確認したり、その他パソコン操作などをするために相手を待たせる場合でも、必ずいったん保留にしましょう。

(例)

「〇〇部の〇〇ですね。ただいまおつなぎいたしますので、そのままお待ちください」

担当者が不在の場合は要件を聞く

担当者が不在の場合には要件を聞いておきましょう。もし所属や名前が聞き取れなかった場合には、再度確認することが大事です。

急ぎの要件の場合には、相手が折り返しの電話を希望するケースもあります。こちらから折り返しの電話が必要かどうかを聞いてあげると親切です。

(例)

「△△様、大変申し訳ございません。〇〇はただいま離席しております。こちらからかけ直させますので、お電話番号とご用件をお教えいただけますでしょうか?」

伝言メモを残す

担当者が不在のケースでは、伝言メモを残すのが基本です。「電話を受けた日時」「相手の所属・名前」「要件」「折り返しが必要か不要か」など、ポイントを書いて担当者の机の上に置きましょう。

近年は社内の連絡をチャットツールやグループウェアで行っている会社が増えています。そのため、こうした連絡は通常コミュニケーションツールに投稿するのが普通でしょう。組織によって連絡方法は異なるので、社内ルールを確認することが大事です。チャットやメールを使う場合も、伝える内容は紙のメモと同様です。

(例)

5月8日(月)14時50分に株式会社△△の△△部長様からお電話がありました。来週の商談の件で調整したいことがあるとのことなので、本日中に折り返しの電話をお願いします。連絡先は次の通りです。

電話:×××-××××-××××(△△部長様携帯電話)

※関連記事「電話 伝言メモ」

受けた電話は相手が切ってから切る

受話器は、相手が切ってから置きましょう。原則、電話は発信者が先に切るものです。電話を受けた人が先に切ると、相手に不快感を与えたり、冷たい印象を持たれる可能性があるので注意しましょう。

電話を切る時には、前述したように、フックスイッチを押してから受話器を置きましょう。

(例)

「お電話ありがとうございました。株式会社〇〇の〇〇が承りました。失礼いたします」

電話を掛ける時の電話対応マニュアル

次に、こちらから相手先に電話を掛ける時のマナーやポイントをみていきましょう。ビジネスパーソンとして、押さえておきたい点は次の3つです。

  • 事前に伝えることを整理する
  • 時間帯に気を遣う
  • 担当者が不在の場合は伝言を伝えてもらう

事前に伝えることを整理する

電話を掛ける前に、相手に伝えたいことを整理しておきましょう。内容を整理していないと、電話中に支離滅裂になって焦ってしまうことも考えられます。何を言いたいのか分からないと、相手に困惑されることもあります。

事前に伝えることを整理しておけば、焦ることもなく、伝え忘れなども防止できます。慣れないうちは、メモをもとに簡単なスクリプト(台本)を作り、イメージトレーニングしてから電話をするのも効果的でしょう。

時間帯に気を遣う

取引先や顧客に電話を掛ける際には、時間帯にも気をつけましょう。下記の時間帯は特に注意が必要です。

  • 始業前
  • 終業後
  • 昼休み中
  • 休み明けの午前中

多くの場合、相手の会社の営業時間や昼休みの時間は把握していないかもしれません。通常は、朝の9時前や夕方の18時以降は営業時間外のケースが多いので、注意しましょう。もしこの時間に掛ける場合には、「朝早くおそれいります」「夜分に失礼します」などひと言添えましょう。

昼休みは通常は12時〜13時が多いので、その時間に電話を掛ける場合にも「お昼時に失礼します」などとひと言添えて、相手に気を遣いましょう。

週明けの午前中は、定例会議が入っていたり、メールチェックなどに忙殺されている時間帯です。忙しい時間に電話を掛けると、不快に思う人もいるでしょう。営業電話を掛けても、あしらわれる可能性が高まります。よほど急ぎの要件でなければ、午後以降に電話を掛けるのが無難です。

担当者が不在の場合は伝言を伝えてもらう

担当者が不在の場合には、伝言を残しましょう。その際、所属と名前、要件をきっちりと伝えましょう。また折り返しの電話が欲しい時には、自分の電話番号を教えて掛け直してもらいます。

相手の帰社時間を教えてもらえた場合には、伝言を残しつつ、「〇〇時に掛け直します」と伝えると、電話口の相手は担当者に連絡してくれるはずです。

頻繁にやりとりをする相手であれば、伝言を残さず、携帯電話やチャット・メールで連絡しますと伝えればスムーズに進むでしょう。

電話対応を行うときの5つの注意点

電話対応に苦手意識を持っている人は、次の5つの点に注意して対応してみましょう。ポイントを押さえておけば、いざというときにも冷静に対応できるようになるので、ぜひ実践してみてください。

  • 聞き取れなかった場合は必ず確認する
  • 相手が話している途中で保留にしない
  • 「クッション言葉」を使う
  • 対応に困ったときの対処法を事前に把握する
  • 敬称の使い方に注意する

聞き取れなかった場合は必ず確認する

耳馴染みのない社名や名前は、一度聞いただけでは聞き取れないこともあります。相手が早口であったり、社名を省略する人もいるでしょう。要件についても、専門用語や分かりづらい単語を使ってくる人もいます。

聞き取れなかったり、理解できなかった場合には、必ず再度確認しましょう。例えば、「失礼ですが、もう一度お名前をお願いできますでしょうか?」「〇〇の件でよろしいでしょうか?」など、相手に確認して正確な情報を書き留めます。

曖昧なままにしておくと担当者が困ったり、最悪の場合にはトラブルに発展する可能性もあるので、注意しましょう。

相手が話している途中で保留にしない

相手が話している途中で保留ボタンを押すのはNGです。必ず、相手が話し終わってから、保留にしましょう。

例えば相手が急いでいる場合や、クレームの場合にはこちらも焦ってしまい、相手の話が終わっていないのに、ついつい保留にしてしまうことがあります。例えばクレーム電話の場合はそのような対応をしたときに、より大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。

相手の応答を待たずに保留にすると、相手はしゃべっている途中で保留音が鳴り出して不快に感じるでしょう。そのため、たとえ急ぎの案件であっても、一拍おいた後に保留ボタンを押すのが良いでしょう。

「クッション言葉」を使う

相手に断りを入れたり、相手の希望通りに対応できない場合など、シチュエーションによって「クッション言葉」を使うようにしましょう。

例えば、下記のようなクッション言葉を使い分けると、会話がスムーズに進みます。

【お願いするとき】

  • 恐れ入りますが
  • お手数をお掛けしますが
  • 誠に恐縮ですが
  • 失礼ですが
  • よろしければ
  • 差し支えなければ
  • お忙しい中申し訳ございませんが

【あやまるとき・断るとき】

  • ご意向に添えず申し訳ございませんが
  • せっかくではございますが
  • 失礼とは存じますが
  • ご容赦下さい

対応に困ったときの対処法を事前に把握する

クレームやトラブル発生などで対応に困ったときのために、誰にエスカレーションするかを事前に確認しておきましょう。エスカレーションとは自分よりも立場が上の人(管理職やマネージャーなど)に対応を任せたり、指示を仰ぐことです。

顧客や取引先の担当者が怒っている場合には、なるべく早めに対処した方が傷口が広がりません。スムーズな対応によって、事なきを得る可能性もあります。

エスカレーション先は、トラブル内容によって変わることもあります。部署の上司なのか、案件の責任者なのか、事前に把握しておきましょう。

敬称の使い方に注意する

ビジネスマナーの基本ともいえるのが、言葉遣いです。そのため電話対応でも言葉の使い方が重要になります。

ビジネスシーンでよく使う敬称の例は次の通りです。

  • 自分:私(わたくし)
  • 相手:〇〇様
  • 自分の会社:当社または弊社
  • 相手の会社:御社(おんしゃ)

また、自社の社員には基本的に敬称は不要です。役員や上司でも、敬称はつけません。例えば、部長に電話を取り次ぐときには、「〇〇に代わりますので、少々お待ちください」などとします。

「〇〇部長に代わります」「〇〇さんに代わります」ではないので、注意しましょう。

まとめ

電話対応は社会人にとって必須のビジネスマナーです。新入社員から中堅・ベテランまで、すべての社員が身につけておく必要があります。電話対応は会社の顔ともいえるものなので、丁寧かつスムーズな対応が求められます。

本記事で解説した基礎を押さえ、受けるときと掛けるときのポイントやコツも習得しておきましょう。より良い対応ができれば、会社の評判を高めることもでき、同時に上司からの評価も上昇するでしょう。

電話対応に不慣れな新入社員は、電話対応マニュアルを活用してスキルを高め、日常業務に役立てましょう。

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