日常のルーティン業務である日報。「個人の業務記録」というイメージを持たれている方も多いでしょう。しかし、日報は「価値ある情報」として、記録にとどまらず業務に有効活用することができます。
ただし、日報を有効活用するには、日報を価値ある情報にするためのサービスを選定することが必須です。 そこで今回の記事では、「ブログ」、「社内Wiki」、「グループウェア」、「日報活用を想定して開発されたクラウドサービス」の4つのサービスを比較してご紹介します。
目次
ブログ
メリット
ブログの良さは、なんといっても日記感覚で日報を書けることです。形式にとらわれず、自分の書きやすいスタイルで文章を書くことができるので、形式張った内容にならず思ったことを書きやすいという利点があります。
コメント機能を使えば、書き手と読み手の双方向のコミュニケーションも取れます。また、ブログは世代を問わず馴染みがあるサービスであるため、導入が簡単なのもメリットです。
デメリット
メリットである「日記感覚」は、書き手側が日報=ビジネス文書という意識を持っていなければ、必要以上の文章が盛り込まれ得てして冗長になりがちです。 また、チームや組織全員の書いた日報に対して検索しにくいというデメリットもあります。
社内Wiki
メリット
Wikipediaの社内版サービスである「社内Wiki」。 社内Wikiは、日報に限らず社内のさまざまな情報を体系立ててまとめることができます。一元管理によってさまざまな情報の点在を防ぎ、効率的に情報を探せるのが利点です。
社員が「何か分からないことがあったら、社内Wikiを見る」と意識を持ち、かつ、積極的に情報を更新していけば、社内Wikiはまさに“会社の宝”。情報が蓄積されればされるほど、活用することができるサービスでしょう。
デメリット
社内Wikiは、Wikiという特性上、汎用的な(誰が見ても活用できるような)情報が求められるため、業務を通して得た個人的なノウハウや改善案など、まだ汎用に至らない情報を書き込むことが難しい場合があります。
「活用精度の高い情報を蓄積する」という意識が高まってしまうと、書き込むハードルが上がり、あまり利用されずに放置される恐れがあります。 社内Wikiは汎用性の高い情報共有には適していますが、日報では個人的な気づきやノウハウ、進捗といった粒度の細かな情報を記載するため、日報を想定したサービスの方が書き手としては便利でしょう。

グループウェア
メリット
グループウェアは、日報だけでなく、掲示板・ファイル共有・チャット・スケジュール管理・メールなど、多彩な機能が提供されているのが特長のサービスです。 最近のビジネスシーンでは、専用のアプリやサービスを組み合わせて業務を行うケースが増えていますが、さまざまな機能をワンストップで利用したい場合は、グループウェアがおすすめと言えるでしょう。
ワンストップのサービスを導入すれば、導入から保守まで、一括で済ませることができるようになるので、個別にアプリやサービスの運用に配慮する必要がないという運用側のメリットも挙げられます。
デメリット
多機能であることはメリットですが、デメリットにもなり得ます。導入する人数やコスト、使う社員のリテラシーの観点から、必要以上の機能が提供されてしまう(オーバースペック)場合があります。 多機能さゆえに、社内で導入に至るまでのスピードや社員が活用するまでに時間がかかってしまったり、面倒くささから利用率が悪くなる恐れがあります。そうすると、教育コストや、利用・運用コストが上がってしまう可能性があるでしょう。
また、既存のサービスとの切り分けを配慮する必要もあります。例えば「メールとチャットは既存のサービスを使いたい」といった社内の声に応えて、グループウェアのメールやチャットは使わないようにするなどといった場合、アカウントの管理やルールの徹底などに手間がかかります。
日報活用を想定して開発されたクラウドサービス
メリット
日報の作成には、日報の活用を想定して開発されたクラウドサービスを使う方法もあります。日報の提出状況の確認、コメント機能、スケジュールやチャットとの連動など、日報活用を想定した細かな機能が提供されいるのが利点です。 アプリをリリースしているサービスも多く、スマホやタブレットがあれば、いつでもどこでも日報が作成できるのもクラウドサービスならでは。
また、毎日書く日報をクラウドサービスに蓄積することで、過去の日報をナレッジとして利用できるようになります。過去の事例を活用できれば、業務改善やトラブル対応などにも役立ち、生産性の向上を見込めるでしょう。 チームや組織で利用するならば、生産性の観点から、日報活用を想定したクラウドサービスがおすすめです。
デメリット
クラウドサービスのため、利用するにあたりランニングコストがかかります。また利用したい人数や使い勝手など、検討すべきポイントを洗い出して導入前にすり合わせる必要があります。費用感や使い勝手が気になる場合は、多くのサービスにおいて無料体験が可能なので、試してから検討してみるといいでしょう。
日報アプリ、クラウドサービスについては以下にも記事がありますので、興味をお持ちの方はご一読ください。
スキマ時間を有効活用!日報アプリやクラウドサービスのメリットご紹介
まとめ
いかがでしたでしょうか? 今回の記事では、「ブログ」、「社内Wiki」、「グループウェア」、「日報活用を想定して開発されたクラウドサービス」における、メリット・デメリットをご紹介しました。 日報を「価値ある情報」として活用できる環境作りの参考になれば幸いです。