エンジニアの情報共有文化を支える。クラウド・ファーストな事業を進める「うるる」の事例

クラウドワーカーを活用したCGS(Crowd Generated Service)を複数展開。

今回は、クラウドソーシングサービス「シュフティ」を始め、様々な事業を展開する「うるる」に、Qiita Team活用のポイントを伺いました。

    ▼Qiita Team製品資料

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    サマリー

    ポイント

    • 主にエンジニアの情報共有ツールとして、社内の各事業部に所属するエンジニアが活用。
    • 技術的なメモや運用手順書、勉強会のレポートなど、事業部によって様々な情報が投稿される。

    目次

    • クラウドワーカーを活用する「Crowd Generated Service」事業
    • 社内を横断する形で、エンジニアがQiita Teamを活用
    • 他の部署のナレッジがわかるのが良い
    • 新人には、新人特有の悩みや学んだことなどを書いてもらう
    • まずは、みんなが自然と書き始める文化を作るべし

    今回インタビューに答えていただいた皆さま

    高橋 雅哉(たかはし まさや)Masaya Takahashi

    株式会社うるる
    技術戦略室 室長

    筒井 智也(つつい ともや)Tomoya Tsutsui

    株式会社うるる
    技術戦略室 エンジニア

    栗原 史明(くりはら ふみあき)Fumiaki Kurihara

    株式会社うるる
    NJSS事業本部 プロダクト開発課 エンジニア

    堂上 和那(どううえ かずな)Kazuna Doue

    株式会社うるる
    えんフォト事業部 開発課 リーダー

    クラウドワーカーを活用する「Crowd Generated Service」事業

    まずは「CGS」という言葉ですが、初めて聞きました。

    もちろんそうだと思います。これは私たち うるるが作った造語ですから。

    クラウドワーカーという新しい労働力を活用して、今までにない価値を提供していく事業のことを、私たちは「Crowd Generated Service」、通称CGSと呼んでいます。

    直訳すると「クラウド前提のサービス」ということですね。御社の事業内容について教えてください。

    今お伝えしたCGS事業として4つのインターネットサービスを提供している他、クラウドワーカーと企業のお仕事をマッチングするクラウドソーシング事業、そして弊社の創業事業であるBPO事業を主軸としています。

    • CGS事業
      • 入札情報速報サービス(NJSS):全国の官公庁・自治体・外郭団体の入札情報を一括検索・管理できる業務支援サービス
      • えんフォト:写真販売の手間を80%以上削減できる、幼稚園・保育園向けWeb写真販売システム
      • クラプリ:初期費用、月額費用が無料のWeb写真販売システム
      • KAMIMAGE:アンケートや会員情報などの膨大なマーケティング情報を短時間でデータ化するタブレットフォームシステム
    • BPO事業(うるるBPO):アウトソーシングサービスを通じてビジネスの合理化・効率化を支援
    • クラウドソーシング事業(シュフティ):クラウドワーカーと企業のお仕事マッチングサイト

    BPOが創業事業だったのですね。

    これまで約4,600社様からご相談いただき、トータルで25,000件を超えるプロジェクトの支援を行ってまいりました。ここが顧客ニーズや市場トレンドをつかむアンテナ役として機能し、クラウドソーシング事業でクラウドワーカーのプラットフォームを構築した上で、CGSという新しい価値を生み出す。このようなスキームで事業展開しています。

    社内を横断する形で、エンジニアがQiita Teamを活用

    様々な事業を展開している御社ですが、Qiita Teamをどのような目的で活用されているのでしょうか?

    上場前の2016年2月に導入しまして、現在は主にエンジニアの情報共有ツールとして活用されています。およそ60名強が使っています。

    どのような背景からQiita Team活用に至ったのでしょうか?

    今でこそ弊社の組織は事業部制になっているのですが、もともとは、エンジニアは一つの開発部隊でした。

    当時は別のプロジェクト管理ツールで社内wikiを管理していたのですが、それをリプレイスするタイミングで別ソリューションを探していました。その中で、多くのエンジニアにとってはQiitaで記事を書くのが一般的だったので、そのままQiita Teamもいいのではとなり、選定に至りました。

    その後2017年6月に事業部制に移行したのですが、Qiita Teamはそのままエンジニア組織を横断して使われています。

    システム刷新が一つの契機だったということですね。

    あとは、人が増えたということも大きいです。

    一つの開発部隊だった頃は全部で十数人程度でしたが、事業部制になってからは一気に増えて、今では一事業部だけでそれくらいの規模になっています。ちなみに現在はさらにスピードが加速していて、一年前と比べて倍近く増えていると思います。

    他の部署のナレッジがわかるのが良い

    エンジニアの情報共有ツールとありましたが、具体的にはどのような内容のものが多いのでしょうか?

    技術的なメモや運用手順書、勉強会のレポートなど様々ですね。私自身は、入札情報速報サービス(以下、NJSS)の開発を担当しているのですが、新入社員向けのオンボーディング資料などもあげたりしています。

    なるほど。実際に使われてみて、感想や効果などはいかがでしょうか?

    先ほど筒井が申し上げた通り、Qiita Teamはエンジニアを横断して使われているので、他の部署のナレッジがわかるのが良いと感じています。

    例えばGoogle Workspace(旧:G Suite)の議事録だと、ディレクトリをほっていかないと必要な情報にたどり着けません。一方でQiita Teamだと、トップ画面の新着ですぐに確認できるので、思わぬ形で必要な情報に触れることができるわけです。

    この前も、NJSSでAWS CodeBuildを使おうと思っていたら、別事業であるシュフティ事業部がすでに導入を進めていて関連記事をQiita Teamにあげていたので、非常に参考になりました。

    私が所属するえんフォト事業部では、環境構築の手順やフロントエンドのコーディング方針なんかも、Qiita Teamで管理されています。

    もともとはGitHubのREADME.mdに構築していましたが、Qiitaの方がより気軽だなと率直に思っています。

    以前であれば、何か情報を見つけようとした時にはSlackの投稿やプロジェクト管理ツールを探し回らないといけませんでしたが、現在はそんなことも無くなっています。

    新人には、新人特有の悩みや学んだことなどを書いてもらう

    皆さんは、どれくらいの頻度でQiita Teamに記事を書かれているのでしょうか?

    私は多いときで月に5〜6本ですね。プロジェクトの立ち上げ期や環境構築期など、時期によって変動すると思います。

    私は、実は最近は全然書けていないですね。新卒の頃は日報的に書いていた時期もありましたが。事業部によって使い方は違うでしょうし、さらに人によって頻度はバラバラだと思います。

    新人の方だと、自分の文章を全社的に公開するのってなかなかハードルが高いと思うのですが、その辺りはどうされているのでしょうか?

    新人については、新人特有の悩みや大変なこと、それを経て学んだことなどを書いてもらうようにしています。先月も2つもらいましたね。

    プロジェクト関連のドキュメントから新人対応まで、事業部によって使われ方が様々ですね。

    導入ツールやその運用方法については事業部ごとに決めていける環境をつくる、という方針を、会社としてはこれから検討を進めようとしています。冒頭にお伝えしました通り、各事業部でカラーが全然違うので、統一化よりもそちらの方が適切なケースもあるだろうと考えています。

    なるほど。一般的には標準化するのがスタンダードな中で、ユニークな方針だと感じます。今後に向けて、Qiita Teamに求める機能などはありますか?

    Qiita Teamがよく使われるようになってきたのと並行して、より情報が雑多になっていき、古いままの情報が残っていることが課題になってきています。

    またセキュリティについても、Qiita Teamはクローズドな環境なのですが、逆にいうとそれ以上の制限はかけていないので、他事業部の記事も普通に見ることができます。先ほど栗原が申し上げた通り、これにはメリットがある反面、環境構築情報などが見れてしまうのはリスクでもあるので、ここについて何らかの仕組みが必要かなと思います。変にルールで縛ると、エンジニアにとっては自由度が減って使われなくなるリスクがありますから。

    まずは、みんなが自然と書き始める文化を作るべし

    ありがとうございます。最後に、同じような課題を抱えている方や、Qiita Teamの導入を考えている方へ運用のコツやポイントなど、アドバイスをお願いします!

    他と比べると、Markdownですぐに投稿でき、ドキュメント編集の敷居が低く、記事の検索が楽というメリットがあるツールだと感じます。まずは「ドキュメント化して残そう」という簡単な入り口で良いと思うので、限定した範囲で導入していき、残せる手段が確立したら、次のステップとしてさらなる有効活用を模索するという、段階で導入していったら良いと思います。

    私は事業部ではなく管理側をやっているのですが、Qiita Teamでは色々なことができるので、戦略を立てる上でも考えやすいツールだと思います。

    透明性がいいなと思っています。他部署が何をやっているのか、外からだとなかなか分かりにくいので、ワークスペースとして共有できるのは助かります。

    導入したばかりや触り始めたばかりのユーザーに対しては、いかに「書く」というハードルを下げるかがポイントだと思います。

    自由に書いてもいいよといっても、みんななかなか書かない。でも、記事が集まると、みんな自然と書き始める。

    そういった文化を作ることが、Qiita Teamをうまく使いこなすコツだと思います。

    まとめ

    自治体から幼稚園・保育園まで、一見バラバラに見える事業領域ですが、「クラウド・ファースト」という観点で眺めてみると、CGS・BPO・クラウドソーシングと、いい感じで循環する事業設計がなされていることがわかります。

    そして、その循環を支える情報共有ツールとしてQiita Teamを活かして頂いていることを、非常に嬉しく思います。

    働き方や価値観の多様化がますます進んでいく時代だからこそ、早い段階からクラウド人材の活用に着目してきたうるるさんから、ますます目が離せません!