200名が利用中! 日報、手順書etc「使い方は限定しない」。運用4年で蓄積したQiita Team活用術

クラウド型会計ソフトfreee(フリー)を運営するfreee株式会社。同社は2014年からQiita Teamをご利用くださっています。今回の記事では、4年間にわたってQiita Teamがどのように活用されているのか、活用のコツ、実際に活用して感じているメリット、他ツールとの併用についてなどをお伺いしました。

実は、freee株式会社のインタビューは今回が2度目(初回のインタビュー時には、Qiita Teamのご利用人数が24名だったのが、今ではなんと200名に増加しています!)。

そんな急成長を遂げたfreee株式会社の記事を、初回のインタビュー記事と合わせてご覧いただけたらと思います。

インタビューいただきました

浅羽義之(あさば・よしゆき)Yoshiyuki Aasaba

freee株式会社 プロダクト基盤本部長

Qiita Teamは、いろいろな課題について議論をする場

以前の取材では、業務とは関係のないライフハック的な投稿も含め、コミュニケーションツールとして使っていただいているとお伺いしました。今でも「ゆるふわ」や「ポエム」タグは使われているんですか?

はい。昨日も「ゆるふわ」や「ポエム」タグの投稿はありましたよ。

そうなんですね。それでは早速ですが現在はQiita Teamをどのように使われているのですか?

結構いろいろな使われ方をしていますね。

例えば、新卒の社員が書いた日報に対して、ベテランが突っ込みを入れることで、学びの機会になっていたり、失敗したことと失敗から得た学びをあえて共有して、失敗を次につなげるカルチャーをつくって心理的安全性を確保するようなツールとしても利用しています。

技術面で困っていることもQiita Teamで共有していますね。「こういうデータ取れないですか?」とふわっと投げられた記事に対して、「じゃあこういう観点で、このデータを取ってみよう」と返したり。

プロダクトを考えるときには、エンジニアだけでなく経営陣も含め、たくさんの関係者を巻き込んで議論するケースもあるのですが、「こういうコンセプトでこれをつくります」とGoogleドキュメントで仕様書を書いて、その内容をQiita Teamに貼り付けて、リアルタイムでコメントをやり取りすることもあります。

直接、業務には直結しませんが、Qiita Teamでのやり取りから「みんなで勉強しますか」となって、勉強会を企画して開催することもあります。Qiita Teamは、技術面だけでなく、いろいろな課題について議論がしやすい場になっていますね。

Qiita Teamは議論がしやすい場になっていると語る浅羽氏

日報、手順書、プライベートの困りごとetc。使い方は限定しない

今のお話を伺うとQiita Teamのfreeeにおける社内的な立ち位置は明確に決めておられないのでしょうか? 日報だったり、コミュニケーションツールだったり、社内Wiki的だったり、幅広く利用されているように思いました。

そうですね。特に「こう使いなさい」といったような限定はしていません。日報としても使っていますし、コミュニケーションツールとしても使っています。手順書も載せていますね。例えば、会計freeeの開発環境でこの機能を有効にするために、こういう手順でやってくださいとか。

一方で、「洗濯機が壊れたんだけど…」みたいな記事があったりとか(笑)。前回の記事にあった「お前の洗濯は間違ってる」を書いた人が、つい最近、洗濯機の乾燥機能が壊れたときに何をすればいいかを書いていましたね(笑)。

本当に幅広く活用されていますね(笑)。手順書に関しては、一部をQiita Teamに残しているんでしょうか。

Qiita Teamに投稿されている手順書は、開発環境のものが多いですね。本番環境でのオペレーションや永続的なものはGoogleドライブに置いています。全社で見るものに関しては、Workplace by Facebookにリンクを貼って、飛べるようにしています。

ほかにはSlackで技術的なコマンドについて盛り上がったときに、Qiita Teamに記事として残すこともあります。Slackだと長くなってしまって使いづらいので。

Slackとの連携機能をリリースしましたので、そちらもぜひご利用ください。

実際にご利用されていてQiita Teamの書きやすさについてはいかがでしょうか。

やっぱりMarkdownでちゃちゃっと書けるので、書きやすいです。「こういうことを今やってるんだよ。すぐ知ってね」みたいな、情報を早く共有したいときや即時性を求めているときにはとても便利です。新卒の書いた日報もすぐにレビューしているのですが、それも書きやすさが影響していると思います。

リアルタイムで真面目な話題をやり取りするWorkplace by Facebook、非同期でカジュアルな話題をやり取りするQiita Team

Qiita Teamのほかにどんなツールを併用されていますか?

Qiita Teamは、開発・PMなど140名ぐらいのエンジニア+ビジネスチーム(経営陣)の一部、合計200名が使っています。全社コミュニケーションのツールは、Slackの代替としてWorkplace by Facebook(以下Workplace)を使っています。

どのように使い分けられているのでしょうか?

Qiita Teamは、真面目な話というよりは、ちょっとしたカジュアルなもの。好きなときに見て議論に参加できるイメージです。

Workplaceでは、Qiita Teamで記事にするような失敗談を書く場としては使っていません。Workplaceを使っての議論では、利用人数も多いですし、どうしても同期処理になってしまいます。同期処理っていうのは、要は仕事を中断してリアルタイムに返さないとみたいな感覚なんですが、Workplaceではそういった使い方の傾向があるように思います。

では、Qiita Teamの使い方としては、Slackの拡張版というか、コミュニケーションをもっとより深くできるような場所という感じなのでしょうか。

実はもうSlackってエンジニアしか使ってないんですよ、流れが速くて読めないなどいくつか課題があったので。「いつの間にか議論が進んでいた」っていうケースもあって。

じゃあ、今、Qiita Teamのようなコミュニケーションツールとして使っているのは、Workplaceのみという感じですか?

エンジニア全体だとそうですね。チームによってはドキュメントサイトを別に試したりはしてます。

以前freeeさんにお話をお伺いしたときに、世界で売れてるSaaSやモダンなSaaSをどんどん使い、自社の開発につなげていくと話されていたのですが、そういう文脈もあっていろいろなサービスを使われているのでしょうか?

そうですね。いろいろ使って試しています。

弊社では、ツールに合わせて業務を変えるっていう意識が強くて、ツールがいまいちだから使うのを止めるケースはあまりないです。ただ、そのやり方は情報が分散されてしまうというデメリットもある。だから本当にそれがいいのかというのは、考えないといけないですね。

今、もうすでに、分散し始めている状況ですか?

そうだと思います。ただ、大事な情報や仕様書はGoogleドキュメントで管理していて、Qiita Teamの記事からリンクに飛べるようになっているので、一応集約はされているはずです。

Qiita Team 分散する情報のハブとなっている

freeeさんは、G Suiteの利用が活発というイメージがあります。全部の情報がQiita Teamに載ってるわけではなく、関連するところはGoogleドキュメントのリンクを貼ったりするなど、Qiita Team=ハブみたいな感じで使っていただいているんですか?

そうです。Googleドライブの弱いところって、検索キーワードが分からないとたどり着けない点にあると思うんですよ。それを補うQiita Teamのいいところとして、タグを利用しているんです。タグがあれば何となくたどれるし、ある程度絞り込める。キーワード検索だと絞り込みが難しいんです。

Googleドライブだと膨大ですものね。

そうですね。管理しようとするとディレクトリの運用が大変になりますよね。なので、本来はそういうリンク集みたいなのがあって、そこからダイレクトに飛べるのがいいし、必要であれば検索もできるのが良いですね。

■24名→200名にスケールアップしたことで変わったこと

以前取材させていただいた時は、24名でご利用いただいていましたが、今では200名と規模が拡大されていますよね。何か使い方が変わったところはありますか?

人が多くなればなるほど、投稿に対するハードルはどうしても上がってしまいますね。ただ、Workplaceは規模が大きく書きづらい面があり、Qiita Teamに書くっていう風にはなっていますが。

開発チームだけで140名もいらっしゃると、一人一人の得意分野などが見えづらいと思うのですが、それをQiita Teamの中で解消することはありますか? 例えば、この人がこういう投稿書いてあるから質問しに行ったりとか。

それはあると思いますよ、私はインフラ寄りの人なので、インフラ系の記事が多いんですけど、質問されますね。新しく入社した人でもQiita Teamに書かれた記事を見て、「ああこういう技術が得意なんだ」っていうのを知る機会になります

反面、本名とIDがひも付かないのが悩ましいといえば悩ましいですね。アイコンが本人の写真じゃなくて、ネコの写真とか(笑)。なので、自己紹介タグをつくって、生い立ちや自分の強み弱みっていうのを好きに書いてもらっています。

アイコンが分かりにくいという悩みはよく聞くのですが、基本的には顔が見えるようなアイコンをオススメしています。顔のアップの写真があるといいですね。

Qiita Teamで投稿することにハードルが上がっているのでそれを解消したい

4年間Qiita Teamを利用されていて何か課題に感じていることはありますか?

先ほども出ていましたが、人が増えてきたことで、投稿に対するハードルの高さが上がっているので、それをどうするかが課題ですね。投稿する人が固定化してしまって、投稿しない人は一つも記事を書かないケースが見られます。

入社されたら、すぐに最初の自己紹介をQiita Teamで書いてもらうのは一つの方法かもしれません。

社内のフローに組み込んでいくのはいいですね。現在エンジニアの利用が多いので、投稿でタイムラインを汚さないようにしようという配慮があるのかもしれませんが。

そのあたりはエンジニアならではですね。

コミュニケーションの活性化という面では、投稿したらマネジメント層が必ず「いいね」をするようにするとか、誰でも自主的に気軽に投稿する雰囲気をつくるために、マネジメント層がたまにカジュアルな記事を書く、といった方法もありますね。

弊社では社長がコードを書いて、「いいね」を押すショートカットをつくっているんですよね(笑)。

社長の「いいね」が増えて、結果として社員全体でも「いいね👍」を押す人が増えました。

最後に、Qiita Teamにこんな機能があればうれしいといったご要望などがあれば、ぜひともお伺いしたいのですが。

アカウント管理が自動化されるとうれしいですね。あとは管理画面から投稿量が見られたらアクティビティが分かるので、よりコミュニケーションの活性化につながると思います。

なるほど、いろいろ参考になります。これからの課題として社内で共有させていただきます。本日はお忙しい中、ありがとうございました!

Qiita Team活用術まとめ

いかがでしたでしょうか。freee株式会社では、日報やカジュアルなコミュニケーションツール、開発環境のドキュメントなど、さまざまな使い方でQiita Teamを利用されているようです。4年間ご利用いただいた上でのご要望などもお伺いでき、とても参考になりました。

この記事をご覧になり、Qiita Teamに興味を持たれた企業様がいらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせいただくか、無料お試しも用意しておりますので体験してみてください。

<構成 ライター 飯田 萌、編集 佐伯 幸治 >

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