最終更新 2023年5月21日

ペーパーレス化の4つのデメリットとは?本当に導入すべきか解説

「ペーパーレス化をするデメリットを知りたい」

「ペーパーレス化のデメリットについて理解し、適切に導入したい」

このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?

近年、企業のデジタル化やITの進歩、在宅勤務やテレワークの増加に伴い、ペーパーレス化が注目されています。

しかし、ペーパーレス化には、コスト削減や業務効率化、環境保護、働き方改革などのメリットがある一方、導入にはコストや操作学習の必要性、システム障害、視認性の低下など多くのデメリットがあるのも実情です。

そこで本記事では、ペーパーレス化を導入しようかどうかを悩んでいる担当者に向けて、ペーパーレス化は本当に必要なのかデータを基に解説します。

この記事を通じて、ペーパーレス化のデメリットを網羅的に理解し、導入検討のための参考にしてみてください。

ペーパーレス化は本当に必要なのか?

ペーパーレス化は本当に必要なのでしょうか?この章ではデータを見ながら、ペーパーレス化を必要としている企業がどのくらいあるのかについて解説します。

ペーパーレスを予定していない企業は半数以上

実は、ペーパーレス化を予定していない企業は全体の半数以上に及びます。

以下は、ペーパーロジック株式会社の「ペーパーレス化に伴う2021年度予算」に関するアンケート調査の結果です。

出典:都内企業55.1%が2021年度に「ペーパーレス化推進システム導入の予算配分を予定/検討」と回答、昨年対比で19.1%上昇|PR TIMES

これによると、ペーパーレス化を積極的に検討していると答えた方が34.8%に留まりました。逆に、予定/検討していない人が56.5%にも上りました。このように、約半数以上がペーパーレス化を予定していないことが分かります。

ペーパーレスを進めたいと考えている企業は7割以上

しかし、実はペーパーレスを進めたいと考えている企業は7割以上に及ぶのです。

同じ調査で、「Q6.あなたの会社では、現在社内におけるペーパーレスは課題になっていると感じますか。」という質問によると、ペーパーレスを「課題」とする企業が7割以上にも及ぶことが分かります。

以上のデータから、企業としてペーパーレス化ができないものの、課題になっていると感じている企業が多いということが分かります。

ペーパーレス化に課題を持っているものの推進しない理由のなかには、多大な労力と費用を補えない、現在の業務システムに慣れ親しんでいる、システム変更による混乱を避けたいなどが考えられます。

次章からは、ペーパーレス化を進めるにあたって企業が直面しやすいデメリットについて解説します。

ペーパーレス化の4つのデメリット

ペーパーレス化には、以下のような4つのデメリットがあります。

  • 導入コストがかかる
  • デジタルツールの操作を学ぶ必要がある
  • システム障害があれば利用できない
  • 視聴の視認性が下がる

ペーパーレス化は、ビジネスにおいてコスト削減や効率化をもたらすとされていますが、デメリットも存在します。この章で、それぞれ詳しく確認していきましょう。

導入コストがかかる

ペーパーレス化には、デジタルツールやソフトウェアを導入する必要があり、これには導入費用や設定費用がかかります。たとえば既存の文書をデジタル化するために、スキャンやOCR(Optical Character Recognition)などの技術を使用する場合、それに関するコストが発生します。

また、既存のシステムとの親和性を考慮する際は、カスタマイズが必要になったり、デジタル化された情報を管理するために、サーバーやストレージの導入も重要になります。企業によって異なりますが、これらの費用は導入費用だけで数百万円以上かかることもあるので、ペーパーレス化には導入コストがかかることを念頭におきましょう。

デジタルツールの操作を学ぶ必要がある

ペーパーレス化を導入するには、デジタルツールの操作を学ぶ必要があります。

これには、新しいソフトウェアの使用方法や、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを使いこなす能力が必要です。しかしデジタルツールを使いこなすためには、従業員が熟練するまでに時間がかかり、初期段階では業務効率が低下する可能性があります。また、操作に不慣れな従業員がいる場合、誤操作や情報漏えいなどの問題が発生する恐れもあります。

システム障害があれば利用できない

ペーパーレス化はシステム障害が起こると利用できなくなる点もデメリットになります。紙文書と異なり、ペーパーレス化するということは、コンピューターやサーバーなどのシステム上でデータを管理することが前提となります。しかし、システム障害が発生した場合、データの参照や編集ができなくなる恐れがあります。セキュリティに関する不備があれば、ハッキング被害やウイルス感染リスクが高まります。

ペーパーレス化には、このようなリスクに対する対策も重要視しなくてはなりません。

視聴の視認性が下がる

紙の資料は、文字や図表などが物理的に存在するため、視認性が高くなります。一方で、デジタル化された資料は、紙媒体と比較して画面上に表示されるため、視認性が低くなる傾向にあります。

とくに、小さな文字や細かい図表は、デジタル表示では読み取りづらいでしょう。

また、データが大量にある場合には、検索や整理が面倒になる恐れもあります。そのため、データを整理する方法や表示する方法を検討することが重要になります。

ペーパーレス化にはメリットも豊富!4つを紹介

ペーパーレス化はデメリットだけでなく、メリットも豊富にあります。

ここでは、その中でも4つに絞ってそのメリットを解説します。

  • コスト削減になる
  • 業務効率化が可能
  • 環境にやさしい
  • 働き方改革を進めやすい

運用コスト削減になる

ペーパーレス化により、印刷や郵送などの費用が大幅に削減できます。

通常業務で紙を使用する場合、紙代や印刷費用、郵送料などが必要となりますが、電子化することでこれらのコストを大幅に削減することができます。また、紙媒体では保管場所が少なくすむため、電子化することで保管スペースを節約することにもつながります。

業務効率化が可能

ペーパーレス化は、業務効率化を図ることができます。

ペーパーレス化により、文書の作成、転送、共有、管理などがスムーズに行えるようになります。

書類の共有を行う際は、紙媒体では印刷して郵送する必要がありますが、電子化すれば瞬時に共有することが可能になります。また契約書などの書類は、デジタルで管理することで検索が容易になり、必要な情報を素早く取り出すことができるため、業務スピードアップが期待できます。

環境にやさしい

ペーパーレス化には、環境にやさしいというメリットがあります。

一般的にビジネスマンが日常的に使う紙やプリンターは、森林伐採や水資源の大量消費、二酸化炭素排出などを、製造や廃棄において多大なエネルギーが必要になると言われています。また、使用済みの紙を適切に処理するためにも、多くのエネルギーや時間を使用します。

しかし、ペーパーレス化すれば、ミーティングの資料を紙で配布する際に印刷や配布の手間を省くことができます。オンライン会議ツールを使って会議を行えば、会議の開催自体が省エネになります。

積極的にペーパーレス化を取り入れることで、ビジネス活動の効率化や持続可能な社会への貢献を実現できるでしょう。

働き方改革を進めやすい

ペーパーレス化は働き方改革を進めるための有力な手段となります。

ペーパーレス化により、書類の共有や連絡も電子的に行えるため、時間や場所を選ばずに業務を進めることができます。これによって、テレワークやフレックスタイムのような働き方でも場所や時間を問わず、文書を共有・閲覧することが可能になります。

また、たとえば紙の書類を承認する際には、書類を回覧する必要がありますが、電子化することで、承認フローを自動化することもできます。

ペーパーレス化に積極的に取り組み、業務の効率化や柔軟な働き方を実現することで、より生産的な働き方を実現できるでしょう。

ペーパーレス化を少しずつ進める3つのポイント

ペーパーレス化は環境保護や業務効率化の観点から注目されていますが、一度にすべての業務をデジタル化することは容易ではありません。そこでこの章では、ペーパーレス化を少しずつ進めるための具体的な取り組みを以下3つのポイントに分けて解説します。

  • 負担にならない範囲で始める
  • ペーパーレス化の効果を知らせる
  • ペーパーレス化の魅力を社員に伝える

負担にならない範囲で始める

ペーパーレス化は負担にならない範囲で始めましょう。

ペーパーレス化には専用のシステムやアプリケーションを使用する必要があるため、社員がそのシステムやアプリケーションを簡単に利用できるようにすることが重要です。

例えば社内文書の印刷回数の削減、社内報やマニュアル、契約書の電子化など、ペーパーレス化が最も必要とされる領域や導入しやすい部分から始めることが望ましいです。また導入するシステムやソフトウェアについては、社員の使い勝手を考慮することも重要です。

使いにくいシステムや不安定なソフトウェアは、社員にとって負担となり、ペーパーレス化の進展を妨げることになります。従って、導入前に社員の負担にならない範囲で十分な検討が必要になります。

ペーパーレス化の効果を知らせる

ペーパーレス化を進めるポイントのなかには、社員にペーパーレス化の効果を知らせることも挙げられます。

社員がペーパーレス化に積極的に参加するためには、「なぜペーパーレス化が必要なのか」を理解していることが大切です。紙の削減量やコスト削減量などの数字を出し、具体的な成果を示すことで、社員にペーパーレス化のメリットを伝えることができます。例えば「今月は昨年に比べて○○枚の紙を削減できました」「半年で○○円削減できました」といった数字を出して社員に知らせます。

それにより、社員にペーパーレス化の重要性を理解してもらうことがペーパーレス化を進める一歩となるのです。

ペーパーレス化の魅力を社員に伝える

ペーパーレス化の魅力を社員に伝えることで、ペーパーレス化に取り組むモチベーションを高めることができます。ペーパーレス化には、コストカットや業務効率化といったメリットがありますが、それだけでなく、環境保護の観点からも注目されています。

例えば、文章のデジタル化によって紙の印刷やファイリングの手間が省くことができたり、データの検索や共有が容易になるなど、業務プロセスの迅速化や課題の早期解決につながるでしょう。

また紙を使わないことで、木材の伐採を減らしたり、廃棄物を削減したりすることができます。

このような取り組みは、企業の社会的責任としても重要視されています。ペーパーレス化が進んでいる企業は環境に配慮しているイメージを持たれることで、外部へのアピールにもなるでしょう。

まとめ

本記事では、ペーパーレス化を導入しようかどうかを悩んでいる担当者に向けて、ペーパーレス化は本当に必要なのかデータを基に解説し、そのメリットやデメリットなどを網羅的に解説しました。

企業のデジタル化やITの進歩、またSDGsの影響で世界的にペーパーレス化が進んでおり、日本でも多くの企業が取り組んでいます。

ペーパーレス化の魅力を正しく社員に伝えることで企業イメージ向上や効率的なファイル管理による業務効率化・生産性向上につながります。

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