SIerに起こりがちな社員間のコミュニケーションロスを解決。日報で新入社員の働く不安も取り除く。

中堅SIerのNTTデータCCSさんでは、SIerという特性上、お客様先に常駐している社員も多く、また社内にいる社員も含めたコミュニケーション活性化のためにQiita Teamをご利用いただいています。実際にどういった目的でQiita Teamを導入し、どのように運用することで効果を上げているのか。また、導入において気になるセキュリティ面についても伺いました。

会社概要:http://www.nttdata-ccs.co.jp/

インタビューいただいたみなさま

斎藤秀樹(さいとうひでき)Hideki Saito
株式会社NTTデータCCS ビジネスソリューション事業本部コンシューマシステム事業部 第1システム開発部 課長代理
山口瑛里子(やまぐちえりこ)Eriko Yamaguchi
株式会社NTTデータCCS ビジネスソリューション事業本部コンシューマシステム事業部 第1システム開発部
鈴木貴裕(すずきたかひろ)Takahiro Suzuki
株式会社NTTデータCCS ビジネスソリューション事業本部コンシューマシステム事業部 第1システム開発部
中村良太(なかむらりょうた)Ryota Nakamura
株式会社NTTデータCCS ビジネスソリューション事業本部コンシューマシステム事業部 DevOpsセンター課長代理

導入前の状況-常駐先/社内の社員、それぞれにコミュニケーションに課題が

ーーQiita Team

Qiita Teamを導入された経緯について教えてください。NTTデータCCSさん特有の課題をお持ちだったのでしょうか?

ーー斎藤

そうですね。SIerという仕事の特性上、お客様先にいる作業がどうしても多くなってしまうことから、弊社での事業部内でのコミュニケーションがうまく図られていないという課題があったんです。

コミュニケーションへの課題に対してQiita Teamを導入した(斎藤氏)

また、弊社内で働いている社員同士でも、プロジェクトが違ってしまうとコミュニケーションが浅くなってしまう状況もありました。技術共有がされずにいましたので、新しく入ったメンバーにこれまで蓄積されてきたノウハウが共有されず、自分だけでなんとかしようとしてしまうこともあったんです。

そこで、人と人とをうまく結びつけてコミュニケーションを活発にするために、まずはQiita Teamを使って何かやっていこう、というのがスタートでした。

ーーQiita Team

導入に際しては、いくつかサービスを試されたのでしょうか?

ーー斎藤

常駐先のお客様の方でちょうどQiita Teamを導入されていて、使い勝手の良さは分かっていたので、そのまま導入しました。

チャットツールなどはお客様に合わせて何種類も利用していますが、弊社社員同士のコミュニケーションツールとして導入したのはQiita Teamが初めてでした。常駐先での実績があったので、そのままスムーズに導入できましたね。

ーー中村

他のサービスと共通のMarkdown記法なので特に勉強することもなくちゃっちゃと書けますし、取っつきやすいですね。

ーー山口

テンプレートに落とし込めば記事が1つ完成するので、それほど難しい感覚はありませんでした。私は新米エンジニアに近い立場ですが、ブログのような感じで違和感なく使えました。

利用を「新入社員の日報」にフォーカス。働く上での不安を取り除く

ーーQiita Team

Qiita Teamを導入されて、当初の目的だった社員間のコミュニケーション活性化に効果は得られましたか?

ーー斎藤

一部でのみコミュニケーションが活性化しました。一部でのみというのは、投稿する人が偏ってしまうという状況が発生したんです。導入し始めのころは技術ネタの投稿が多かったんですが、技術に明るい人、知っている人しか投稿しなくなってしまったんですね。

そこで、鈴木が入社したタイミングで方針をあらためて「新入社員が日報を書く場にしよう」とQiita Teamの利用者と運用目的を追加することにしました。毎年5、6名は新入社員が入ってくるので、次の新入社員が入ってくるまでの1年間は、必ずQiita Team上に日報を書いてもらいます。毎日5記事、1週間でだいたい25記事が投稿されるという年間サイクルがもう4、5回程度回っているので、多くの社員がQiita Teamで記事を書く経験ができてきたなと感じています。

ーーQiita Team

多くの社員に記事を書いてもらうための施策として、対象と利用目的を追加したのですね。なぜ新入社員の日報にフォーカスしたのでしょうか?

ーー斎藤

それには研修期間が通常よりも長いという、弊社の人材教育が関係しています。

ーー山口

入社後3カ月は必ず研修があり、加えて配属先の部署でも2、3カ月の研修があります。私の場合は入社してほぼ半年間ぐらい研修をしていました。

ーー斎藤

長い研修期間は手厚いとも言えるのですが、早く現場で頑張りたいと意気込んでいる新入社員にとっては、物足りなさからモチベーションが下がってしまったり、軽んじられているような不安を感じてしまうかもしれません。そのケアとして日報をQiita Teamで書くことに効果があると考えたんです。

新人研修をケアする施策としてQiita Teamで上司や先輩がサポートした

自分の書いた日報に上司や先輩がレスポンスすることで「ちゃんと上の人が見てくれている」「放置されているわけではなく、ちゃんと教育に力を入れてサポートしてくれている」と理解できます。新入社員は何かと不安を抱きがちなので、そういった安心感を持ってもらうのは大事だと思うんです。

また、技術について分からないことがあった場合、分からないことについてQiita Teamで記事を書くことで、先輩たちから参考になる意見をもらえるという環境も安心につながります。

Qiita Teamを利用した日報の実践で新入社員が働きやすくなったのではないでしょうか。

運用の実例-タテヨコのコミュニケーションからプライベートの相談まで

ーーQiita Team

実際に新入社員の方が日報を書くようになって、具体的にどういった変化がありましたか?

ーー鈴木

業務でできなかったことや困ったことなどを日報で共有し、そこにいろいろな方がアドバイスをしたりコメントを書いたり、というサイクルができました。その日報を同期同士でも読みあっているので、他の同期がどんなことをやっているのかを知ったり、困っていることがあったら同期同士でコメントしあったりなどしています。新入社員は配属プロジェクトによっては孤立しがちですが、日報で縦のつながり、横のつながりを作りやすくなりました

ーー斎藤

最初は文章がちょっと稚拙な新入社員も、記事を書くようになって1、2カ月経つと文章が目に見えて成長してくるんです。考えていることを文字にすることで「自分はこう変えないといけない」というのが客観的に分かってくるんでしょうね。新入社員が勉強する場、社会人慣れする場として利用できますね

ーーQiita Team

日報以外には具体的にどういった内容が書かれるのでしょう?

ーー中村

技術系のネタですと、「去年は何が流行った、今年は何が流行りそう」といったトレンドを調べて投稿したり、「プロジェクトでこの技術は採用できたけど、これはチャレンジできなかった」といったような振り返りを書いたりしています。

プロジェクトでの技術的な挑戦を共有している(中村氏)

あとは「他のプロジェクトでどういう技術を使っているか」という情報共有の場としても使っています。セミナーやカンファレンスなどに参加された方が写真付きのレポート記事を投稿したりもしていますね。

ーー山口

新入社員は日報という文化で取り入れていますが、同期の中には日報ではなくて週報として投稿している同期がいます。目標に対する進捗をしっかり情報共有するために色々工夫をしています。

共有内容を役立てるために週報の投稿など様々な工夫をされているそうです
ーーQiita Team

会社さんによってはプライベートな記事も書かれていますが、NTTデータCCSさんはいかがですか?

ーー鈴木

山登りや花見の話題など、プライベートなことをざっくばらんに発信できるような使い方もしていますね。意外にそういうカジュアルな記事を見てくれる人の方が多かったりします。そこで人となりを理解してもらえるというのはあると思います。

プライベートな相談を記事にすることもあるのですが、「こうしたほうがいいよ」「そのやり方だとうまくいかないよ」など、いろいろな意見をいただき、それまで面と向かって話をしたことがないような人ともQiita Team上でやり取りさせてもらいました。その後、リアルで会った時に記事の話題から会話が生まれていく、みたいなことも多々ありましたね。

多様なコンテンツがあると良いと考えプライベートの情報も積極的に投稿したと語る鈴木氏。
結果としてコミュニケーションに良い効果があったそうです。

セキュリティ面での注意とルール

ーーQiita Team

最後の質問なのですが、切り口を変えてセキュリティについて伺います。SIerはお客様との接点が多いので、Qiita Teamのようなクラウドサービスの利用に際してセキュリティ面での懸念があったのではと思うのですが、その点ではどういった工夫をされているのでしょうか?

ーー斎藤

導入時はそこが会社的に1番高い壁になりました。実際、Qiita Teamを導入していたお客様の場合はIPアドレス制限があり、社内からのみアクセスが許可されていました。

ですが私たちの場合、社員はいろいろな現場で働いている事情があります。会社に戻った時にしかアクセスできないといったような制限をかけてしまうと、社内にいる人たちしか投稿しなくなってしまいます。お客様先にいる社員と自社で仕事をしている社員をつなげたいという意図もあったので、当社のセキュリティポリシーや規程類を遵守しつつ、事業部内でのルールを付加 して運用しています

ーーQiita Team

ルールには例えばどういったものがあるんでしょう?

ーー鈴木

例えば、お客様先への配慮という観点からは、お客様の会社名を書かないといったルールが挙げられます。

ーー斎藤

ほかには顔写真の掲載をNGとしていて、プロフィール画像にはキャラクターの画像などを使ってもらうようにしています。万一外部からQiita Teamの情報が閲覧された際、個人情報が漏洩しないようにするためです。

ーーQiita Team

なるほど。そこはSIer業界ならではのセキュリティ意識があるのですね。SIerさんがクラウドサービスを運用する際に非常に参考になるエピソードだと思います。ありがとうございました。

<原稿構成 石島英和、原稿編集 佐伯幸治>

日報ツールを選ぶ前・選んだ後にやるべきこととは?


日報を実践するにあたっては、紙やメール、ワード・エクセルなどさまざまなツールが利用されていますが、ここ最近ではクラウドサービスが普及するにつれ、日報用のサービスなど新しいタイプのツールを利用する企業も増えています。

これだけ選択肢が多様になると、日報を実践しようとする場合、「日報ツールをどう選んだらいいかわからない…」といった悩みを抱えがちです。

そこで今回は、日報ツールを利用するにあたり『日報ツールを選ぶ前にやるべきこと』をご紹介します。
また日報ツールは選んで終わりではありません。定着化させるために『日報ツールを選んだ後にやること』についても見ていきましょう。

日報ツールを選ぶ前にやるべきこと

1.「なぜ導入するのか?」課題と目的を明確にする

日報に限らず、何かしらのツールを導入する背景には、必ず課題があります。

ツールを導入するのであれば、その課題とともに、課題を解決する目的を明確にしましょう。

課題や目的が明確になっていないと、いざ導入してみてもなかなか浸透せずに終わってしまうというケースもあるためです。

日報ツールを導入する際の課題・目的としては、例えば以下のようなものが考えられます。
<例>

課題:これまでは紙で日報を実践していたが、書く側も読む側も紙での日報の実践が大変になってきた。
目的:デジタルの日報ツールに置き換えることで、メンバーの手間を軽減して生産性向上に努める。
課題:新人が書く日報を見るのは、直属の上司のみ。上司のコメントもマンネリ化しており、新人のモチベーションが下がりつつある。
目的:日報の形骸化を防ぎ、新人の自己成長を促すために日報を利用する。
課題:業務が属人化しており、知識・ノウハウは個人の頭の中にある状態。まったく情報共有ができていない。
目的:各自の情報共有を促進して、各メンバーのスキル底上げとともにチーム力を強化する。
課題:日報には貴重な情報が書かれているにもかかわらず、社内活用できていない。
目的:情報活用を徹底させるための施策として、日報を最大限に活用する。

このように課題と目的が明確になっていれば、どのような日報ツールを選ぶべきかを考えるための指針になります。

また、日報ツールを導入した後の普及の施策や効果測定の際にも参考にすることができます。

2.どんなタイプの日報ツールがあるのか知る

日報を実践するにあたっては、コストが抑えられるため、すぐに使えるメール、ワード・エクセルなどから始めるケースも多いでしょう。それでもかまいませんが、そのほかの日報ツールも知っておくことで課題や目的に沿った選択肢も見えてきます。

日報ツールは
・メール
・エクセル・ワード
・ブログ
・社内Wiki
・グループウェア
・クラウドサービス
など、多岐にわたります。

それぞれのメリット・デメリットを見ながら、「どんなタイプの日報ツールがあるのか」情報収集することをおすすめします。

各ツールの特性について詳しく知りたい方は、以下に記事をご用意していますのでご覧ください。
https://teams.qiita.com/boost-productivity/daily-report/qiita-team-daily-report-service
https://teams.qiita.com/boost-productivity/daily-report/daily-report-recomend/

3.必要な機能の洗い出し

課題や目的に合わせて「必要な機能の洗い出し」を行いましょう。「必要な機能」と「欲しい機能」に分けて、洗い出すのがポイントです。
(例)

必要な機能
・社内全体のコミュニケーションを活発化させたいと考えているため、リアクション機能が充実しているツールが良い。
・メール等はグループウェアを利用しているため、日報の機能だけがあれば良い。
欲しい機能
・シニア層の社員が多いため、シンプルで使いやすいインターフェースが良い。
・営業担当の社員が多いため、外出先でも使えるよう、スマホ・アプリ対応しているツールが良い。

4.各ツールの検討

多数の日報ツールを比較し、その中から一つのツールを選ぶのは大変です。そのため、前工程で洗い出した「必要な機能」が含まれているものを優先しましょう。

日報ツールによってはこんな機能が用意されています。

・部署ごと、チームごとに閲覧制限をかけられる機能
・充実したリアクション機能(「いいね」、コメント、スタンプ)
・ワード、pdf、画像などの添付機能
・上司や先輩が日報を読むと「既読」と表示してくれる機能
・チャット、掲示板機能
・メッセンジャーなど外部アプリとの連携機能

便利な機能はあればあるほど良いでしょう。しかし、「本当にその機能は必要なのか?」をしっかりと見極め、オーバースペックにならないよう留意することが大切です。

また、費用面についても忘れずに検討しましょう。費用としては、初期費用・毎月の利用料・ユーザー数による追加料金などがかかります。

日報ツールを選んだ後にやるべきこと


日報ツールは、導入したら終わり…ではありません。実際に日報ツールを使って、日報を書く作業を定着化させることが大切です。では、定着化させるためには何をすれば良いのでしょう?ポイントとしては、以下の4点になります。

1.メンバーをアサインして推進をプロジェクト化する

日報ツールの導入は、使い始めが重要です。定着するまでは、メンバーをアサインして推進をプロジェクト化することをおすすめします。「各自に任せる」と社員に丸投げしてしまっては、誰も書き込まず、誰も使わず、誰も見ないで使い物にならなくなってしまう恐れがあるからです。

どのようなツールも同様ですが、普段の業務に活かしてはじめて、ツールはその価値を発揮します。ツールを使って日報を書くことが、社員の「ルーティン」になるまで、推進プロジェクトは続けましょう。

2.「気軽に書いていい」として日報を書くハードルを下げる

日報ツールを導入し、社員みんなが閲覧できる状態になると、「皆に公開するような内容ではないから、書けない」と尻込みする人も出てきます。その結果、日報を書くハードルが上がってしまいがちです。

何度も推敲して、時間をかけて書くとなると、手間がかかり、結局は日報を書かない人が増えてしまうでしょう。そのため、「日報は気軽に書くもの」という社内風土を作り出すことが大切になってきます。

3.簡単に書けるようにテンプレートを用意する

忙しい業務の合間に日報を書くため、簡単に日報を書ける環境を整えるのも大切です。以下の記事で紹介しているテンプレートは、すべて無料で利用できるので、よかったら使ってみてください。

4.フィードバックをこまめにしてモチベーション低下を防ぐ

もし、日報を書いても、誰も読んでくれない・リアクションしてくれないという状態では、書き手のモチベーションは低下するでしょう。そのため、こまめにフィードバックを行うことが大切です。日報にフィードバックを行うことは、社内全体のコミュニケーションの活性化にも繋がります。

上記、4点のポイントを紹介しましたが、以下のような事例もあります。ぜひ参考にしてください。

「日報投稿率7割、日報が書かれる秘訣とは」
https://teams.qiita.com/customers/feedforce-1/

まとめ

今回の記事では、「日報ツールを選ぶ前にやるべきこと」「日報ツールを選んだ後にやること」をまとめました。日報ツール導入・定着に悩んでいる方の参考になれば幸いです。